山梨学院創立60周年記念事業
「インターナショナル・カンファレンスinサカオリ『ポーツマス講和と東アジア』」開幕
〜 日露戦両雄のひ孫 植樹と記念碑除幕で友好の握手 〜
山梨学院大学(古屋忠彦学長)は10月6日、同大の山梨学院経情プラザで、日露戦争の両国遺族、学生らによる平和友好植樹・記念碑除幕式を行い、8日までの「インターナショナル・カンファレンスinサカオリ『ポーツマス講和と東アジア』」を開幕した。式典終了後、ロシア・バルチック艦隊の指揮官だったロジェストベンスキー司令長官のひ孫のジノビー・スペチンスキーさんと、日本の東郷平八郎連合艦隊司令長官のひ孫の保坂宗子さんが、改めて記念碑「平和の砦」の前で対面し、友好の握手を交わした。
平和友好植樹・記念碑除幕式で、古屋学長は「山梨学院創立60周年記念事業として、日露戦争開戦100年を機に、本学の政治学者が中心となり国際平和と友好の目的で、ポーツマス講和百周年プロジェクトが立ち上げられた。昨年3月には、ロシアのサンクト・ペテルブルグ市で、ロシア科学アカデミーの協力を得て、サンクト・ペテルブルグ国際会議「ポーツマス講和百周年」を行った。今回は、7ヵ国に及ぶ研究者を招き、日本で、山梨で、甲府酒折で、3日間に渡り「インターナショナル・カンファレンスinサカオリ『ポーツマス講和と東アジア』」を開催する。この会議の成果が、関係国相互のさらなる友好の礎になることを願い、ロシアにゆかりの深いガマズミの木を植樹するとともに、永遠に解けることの無い『和(輪)』を形成し続ける姿を表現した記念碑『平和の砦』を除幕し、恒久平和への夢を託したい」と挨拶した。
来賓のアレクサンドル・ロシュコフ駐日ロシア大使は「このシンポジウムが、両国並びに関係国のさらなる平和と友好に向けて開催されることは、非常に意義深い。皆さんが、日露戦争の悲しい教訓に学び、活発な議論を交わし世界の恒久平和を模索されることを願っている。また、平和友好植樹の木に、ロシア人が愛しているガリマ(ガマズミ)が植樹されるが、100年そして100年と、平和友好の赤い実が採取されることを期待したい」と述べた。
来賓の八木毅外務省欧州局審議官は「両国にとって、修好150周年、日露100周年、第二次世界大戦60周年と特別の節目となる。過去は、敵対し厳しい時期もあった。しかし、ロシアは21世紀にはいりG8のメンバーになり、来年はホストをも務める。両国は、友好的で未来志向の関係に変わった。この一連の行事が、日露関係にとって、素晴らしい行事になるよう願っています」と挨拶した。
平和友好植樹と記念碑除幕は、ロシア・バルチック艦隊の指揮官だったロジェストベンスキー司令長官のひ孫のジノビー・スペチンスキーさんと、日本の東郷平八郎連合艦隊司令長官のひ孫の保坂宗子さん、来賓、学生らにより執り行われた。
平和の誓いで、法学部3年の山本佳明さんは「この地球上では、数え切れない程の対立や紛争、戦争が引き起こされ、多くの尊い人命が奪われ、多くの限りある自然が破壊されてきました。戦いのあとに残るものは、憎悪と恐怖、破壊のみです。私達は憎悪と恐怖の連鎖を断ち切り、平和と共生の未来を築いて行きたいと思います。そのためには、過去に学び、歴史から教訓を引き出し、心からの和解を実現する必要があります。私たちは、今日、ここに、日本とロシアの更なる友好の発展、全世界の真の平和を夢見て、一本の木を植樹し、記念碑を除幕しました。私たちは、平和への確固たる信念を心の中に深く根づかせ、天に向かって伸び行く木のように、まっすぐな気持ちで平和を願い、平和を築き、生命と地球を大切に慈しんでいくことを誓います」と述べた。
山梨学院中・高生30名により、平和記念の歌『賛美歌106番』『沖縄民謡』が合唱され閉会した。
また、記念シンポジウム「ポーツマス講和から100年」が、同大の山梨学院メモリアルホールで行われた。山梨学院大学の小菅信子助教授の司会で、特別講演がロシア科学アカデミー・ロシア史研究所のアンドレイ・サハロフ氏、ケンブリッジ大学・国際研究センターのフィリップ・トウル氏によって行われ、山梨学院大学のコンスタンチン・サルキソフ教授、山梨学院大学の熊達雲教授が意見を述べた。
今日からスタートした「日露戦争写真展」は、山梨学院クリスタルタワー7階展示室で8日まで、午前10時から午後5時まで行われる。
平和友好植樹・記念碑除幕式アルバム
記念シンポジウム「ポーツマス講和から100年」アルバム