秩父宮賜杯 第37回全日本大学駅伝対校選手権大会
〜山梨学院 モグス11人抜き4位 シード権死守 〜
日本学生陸上競技連合・朝日新聞・テレビ朝日・名古屋テレビは11月6日、熱田神宮西門前から伊勢神宮内宮宇治橋前の8区間106.8キロで、第37回全日本大学駅伝対校選手権大会を行った。
大会は、秋の伊勢路を北海道から九州の8地区学連代表校25校が、優勝を目指して襷をつないだ。山梨学院大学は、8区 メクボ・ジョブ・モグス(1年・山梨学院)が11人抜きの走りで、チーム順位を15位から一気に4位(5時間23分11秒)に上げ、来年出場のシード権を死守した。優勝は日本大学が5時間18分34秒で14年ぶり2回目の優勝を成し遂げた。山梨学院のほかの、来年の出場シード権獲得入賞校は、2位 中央大学5時間20分48秒、3位 駒澤大学5時間21分24秒、5位 日本体育大学5時間23分22秒、6位 大東文化大学5時間24分19秒となった。

1区(14.6キロ) 山梨学院の大越は、熱田神宮西門前を午前8時10分に前列左から2番目の位置から、号砲とともに他大学24名の選手とともに一斉にスタートした。レースは、第一工業大学のティメット・シルベスター・キメリを先頭に集団で走行。徐々に縦長になり第一工業大と専修大学と広島経済で1位集団を形成。キメリは7キロ付近の下りで飛び出し独走態勢に入り、42分46秒の好走で2位東洋大学の大西智也に42秒の差を付け襷リレーした。山梨学院の大越は「力不足を露呈した。夏からの故障で走り込みが出来なかったのが響いた。思うように走れなかった」という走りで区間16位、弥富町筏川橋西詰で待つ2区の森本に襷を繋いだ。1位 第一工業大学、2位 東洋大学、3位 専修大学、4位 神奈川大学、5位 日本体育大学、6位 日本大学。
2区(13.2キロ) 森本は「本調子ではないが、自分の力を活かせた走りが出来た。ベストの走りではないが、大分、復調した」というエースの走りで区間7位、チーム順位を16位から13位に上げ、川越町高松で待つ3区の荒木に襷を手渡した。1位 日本大学、2位 中央大学、3位 第一工業大学、4位 東洋大学、5位 専修大学、6位 中央学院大学。
3区(9.5キロ) 荒木は「昨年と1秒下回るほぼ同じ記録だった。しかし、個人順位が昨年区間5位から、今年は区間10位と順位を下げた。今大会のレベルの高さを痛感した」というが堅実な走りで、チーム順位を13位とキープし、四日市市六呂見町の4区・向井主将に襷リレーした。1位 日本大学、2位 東洋大学、3位 中央学院大学、4位 駒澤大学、5位 中央大学、6位 第一工業大学。
4区(14.0キロ) 向井主将は「前半から中盤の7キロ付近で神奈川、順大を抜いた。8キロ付近で前が見えたので、一気にスピードを上げていった。ラスト4キロの所で足が思うように動かなくなった」というが積極的な走りで区間8位、チーム順位を13位と堅持し、鈴鹿市寺家で5区の前岡に襷を渡した。1位 日本大学、2位 第一工業大学、3位 駒澤大学、4位 中央学院大学、5位 東洋大学、6位 中央大学。
5区(11.6キロ)  前岡は「前半は思ったペースで走れたが、8月9月と練習が出来なくて、10月にやっと練習が出来た。長い距離に不安があった」という走りで区間15位、チーム順位を13位から14位に後退させ、6区の親崎に襷を託した。1位 日本大学、2位 第一工業大学、3位 駒澤大学、4位 中央学院大学、5位 中央大学、6位 東洋大学。
6区(12.3キロ)  親崎は「中盤、向かい風が強くペースが思うように上がらずリズムが狂った」という走りで区間12位、チーム順位を14位のままで7区の金子に襷を繋いだ。1位 日本大学、2位 駒澤大学、3位 第一工業大学、4位 中央学院大学、5位 中央大学、6位 日本体育大学。
7区(11.9キロ) 金子は「6キロ付近で、足が攣った。このままだと走れなくなると思いマッサージをして、襷を止めるわけには行かないと、自分を奮い起こし走った」という苦闘の走りで区間16位、チーム順位を14位から15位に落としながらも必死で、モグスにシード権を託して襷を手渡した。1位 日本大学、2位 駒澤大学、3位 中央大学、4位 中央学院大学、5位 日本体育大学、6位 第一工業大学。
アンカー8区(19.7キロ) モグスは「雨が降っていて、コンディションが悪かったので記録は諦めた。しかし、11人抜き出来て、最高の走りだった」という快走で区間1位、チーム順位を15位から4位と一気に入賞させ、来年出場のシード権をチームにもたらせた。
● 向井主将は「箱根の予選会から2週間しか経っていないが、この置かれた環境で『自分は何をすべきか』という、一人一人の役割分担が理解されていない。そのために、チームのための走りが出来ない。その点、森本やモグスはチームのための走りが出来ている。箱根に向けて、チームを修正していきたい」と述べた。
● 飯島理彰コーチは「モグス様、様。モグスには、心からご苦労様と言いたい。箱根はモグスの力に頼るのではなくて、全員で勝ち取る気概を持ってもらいたい。そのためには、集中して、日頃の生活面をも視野に入れて基本的なところから取り組んで欲しい」と選手に苦言を呈した。
● 上田誠人監督は「シード権を取れたことは良かった。しかし、レースとしては、モグスが一人で頑張ったという事実は拭い去れない。森本、荒木、向井キャプテンは仕事をしてくれたが、チームの傷口を広げてしまった選手もいたのが残念。箱根では、モグスがいるという頼る走りではなくて、一人一人が確り戦う意識を持って臨んでもらいたい」と選手を激励した。

アルバム試合風景
アルバム応援の様子