平成17年度スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール指定校
山梨学院高 〜 2年目の研究成果 3クラス公開授業 〜
2年E組教室 「世界平和」「環境問題」四字熟語で意見交換

 

山梨学院大学附属高校(古屋忠彦校長)は9月20日、同校で平成17年度スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール公開授業を行った。これは、文部科学省が平成14年度から「英語が使える日本人」の英語教育の先進事例となるような学校づくりを推進するため、高等学校、中等教育学校(後期課程)を対象に3か年の指定期間で行っている。山梨学院附は平成17年度に、研究開発課題に「英語の『型』を習得し、それに基づいて自己表現が自由にできる『自立型学習者』の育成をねらいとする指導法の研究」を掲げ採択された。公開授業は、堀内晃教諭の「総合英語」(2年英語科26名)、スティーブン・ジョーンズ教諭の「英語話」(1年英語科17名)、キャロリン窪田教諭の「英語話」(1年英語科20名)が行われた。2年E組教室の「総合英語」では、ケニア人留学生も話し合いに参加して「世界平和」「環境問題」について、個々の考えを自作の四字熟語で表し、お互いの考えを述べ、相手の英語を理解し、英語で意見をまとめ、聴衆の前で分かりやすく話す力を養うことを目標とした授業が行われた。県内外の教育関係者約100名に公開された。 
開会行事で、古屋校長は「英語科を新設して30年が経ちました。英語科のアイデンティティをどこに求めるのか。英語科は『進学実績』と『生きた英語』と二兎を追う厳しい状況におかれていました。そんな折に、文部科学省から平成17年度スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール指定校を受け方向性が定まりました。本日は、限られた皆様に授業を公開申し上げますが、後ほど忌憚のないご意見をお聞かせいただければ幸いです」と挨拶した。
文部科学省初等中等教育局国際教育課の日比生哲也国際理解第二係は「全国でセルハイ指定校は100校あります。そのセルハイの先生方の共通している姿が三つあります。(1)自分の目の前にいる生徒をどうにかしたいという熱い思いがあります。(2)その思いを、他の教員と共有して、昼夜問わず喧々囂々論議をします。(3)本日のように実践している授業を公開し、批判等を甘んじて受け、自分たちの研究を修正していくという姿が見受けられます。こうした取り組みをしているセルハイの先生方は生き生きとしています。本日は、教育研修の原点になるような、公開授業にお招きいただき感謝しています」と述べた。
勝村寿子英語科科長は「英語科のスタッフは、英語の『型』を習得し、それに基づいて自己表現が自由にできる『自立型学習者』の育成をねらいとする指導法を研究開発課題に掲げました。特徴として、英語の『型』として実践的コミュニケーション能力の基礎・基本を徹底的に身につけさせる指導法『守』の研究。身につけた『型』を意識しなくても使えるように、いろいろな場面を想定し、学習者が自ら英語に触れる量や語彙(ごい)を増やし、質を高めるための指導法『破』の研究。学習者が自ら学び続け、社会性を身につけ、課題を発見し、さらに発表して、生涯学習に向けての意欲関心を持つ「自立型学習者」になるための指導法『離』の研究を推進しています。また、実践方法としては、(1)少人数制指導、(2)『アメリカ語学研修』『イングリッシュ・シャワー』『英語俳句教室』『レシテーション大会』『スキット・コンテスト』『弁論大会』等の英語に関する行事の充実。(3)名文を意識した指導。(4)『パソコン・ソフト利用によるリスニング』『スピーキング学習』『インタビューによるリスニング』『スピーキング指導』『多読指導』『エッセイ・ライティング指導』の量の確保。(5)ベイシック・ティーチャー制(個別基礎徹底指導)。(6)留学生との相互支援。(7)イングリッシュ・コミュニケーション・ルームの活用を行っています。その結果、セルハイの英語教育の成果は、英検の準2級・2級の合格などの生きた英語と、河合塾における偏差値も目覚ましい伸び率を示している」と報告を行った。

アルバムはこちら
■英語科 公開授業 堀内晃教諭クラス
■英語科 公開授業 スティーブン・ジョーンズ教諭クラス
■英語科 公開授業 キャロリン・窪田教諭クラス