第18回出雲全日本大学選抜駅伝競走
大学駅伝幕開け 山梨学院11位/モグス 6区新記録
〜 2連覇 東海大 2時間7分48秒 大会新記録 〜 

 

日本学生陸上競技連合(保利耕輔会長)と出雲市(西尾理弘市長)は10月9日、島根県出雲市の出雲大社正面鳥居前から出雲ドームの6区間44.0kmで、第18回出雲全日本大学選抜駅伝競走を行った。13時05分に、前回優勝の東海大学を始めとする全日本大学選抜20チームとアメリカ合衆国から参加のIVYリーグ選抜1チームの計21チームが、一斉にスタートした。優勝は、東海大学が1区で7位と出遅れたものの2区以降で全て区間1位という大会新記録となる2時間7分48秒の快走で2連覇を達成した。3年ぶり15回目の出場となる山梨学院大学は、1区で17位と出遅れ、6区 メクボ・ジョブ・モグス(2年)の区間新記録の追撃も及ばず2時間11分33秒で11位となった。区間賞は、1区 安西秀幸 [23分16秒 区間新記録](駒沢大学3年)、2区 杉本将友[16分24秒 区間新記録](東海大学2年)、3区 伊達秀晃[24分24秒 区間新記録](東海大学3年)、4区 阿久津尚二[18分39秒](日本大学3年)、5区 藤原昌隆[15分1秒](東海大学2年)、6区 メクボ・ジョブ・モグス[28分33秒 区間新記録](山梨学院大学2年)となった。


気温25.5℃ 湿度41% 東北東の風 風速1m/s 晴れ。山梨学院は、3位以内に照準を定め、4年ぶり7回目の優勝を目指し戦いに挑んだ。
1区 [8.0km](出雲大社から出雲市役所前) 大越直哉(4年 高田)
山梨学院は、オーダー順抽選で13番を引き当て、出雲大社勢溜前スタートラインの後列右から2番目のスタートとなった。1区・大越直哉は、後方からのスタートにも拘らず順大に続く2番目に飛び出し、神門通りの下り坂を順調に飛ばした。しかし、浜山公園の上がり約2.5キロ地点で「体が重くなった」と、11人のトップ集団から遅れ始めた。「中盤に立て直し、後半何とか粘って落ちてくる選手を拾おうと思ったが、体が思うように動かなかった」と、17位24分43秒という走りで、2区の荒木宏太に襷を渡した。
2区 [5.8km](出雲市役所前から斐川直江) 荒木宏太(4年 鎮西)
荒木宏太は、第1中継所の出雲市役所前でトップから1分27秒遅れで大越直哉から襷を受け取ると、国道9号線を真っ直ぐ「前に追いつこうと思い、速いペースで入った。2キロ地点で足にきたが、焦りはなかった」と、冷静な走りを続ける。立体交差の上がり坂と一畑電鉄の高架を駆け上がり、ヤマタノオロチにも例えられた「斐伊川」にかかる約2.7キロの神立橋(かんだちばし)で、「前に見える大学を後半抜こう」と追った。後半に入り名古屋大と日本文理大を抜き、区間8位の16分45秒の走りで、チームを15位に上げて、3区の主将・小山祐太(4年 佐久長聖)に襷を託した。
3区 [8.5km](斐川直江から平田図書館) 主将・小山祐太(4年 佐久長聖)
小山祐太は、第2中継所でトップに1分34秒遅れで、荒木から襷を受け取ると、国道9号線を左折した。「前が見える位置で襷をもらったので、この後の4区・5区が経験のない選手なので、前との差を団子状態で襷をつなぎ、楽に走らせてあげたい」と飛ばし、斐川町から平田地域に向かう。4キロ付近の西代橋のアップダウン「前半の思いが空回りして、気温が気になりだし自分のリズムで走れなくなった」と、後半は「満足のいく走りができなかった」。しかし、26分20秒の区間12位の走りで、中国四国学連選抜 と京都産業大を抜き、チームを13位に引き上げ、第3中継所で待つ小山大介(1年 倉敷商業)に襷を手渡した。
4区 [6.5km](平田図書館から鳶ヶ巣城前) 小山大介(1年 倉敷商業)
小山大介は、襷を主将の小山から受け取ると、国道431号線を西に下った。ほとんどが上がり基調のコースを「初めて走るので緊張した。集団で来るのかと思ったが一人だったので焦った」と動揺した入り。しかし、「しばらく走ると独り旅にも慣れた」と、ルーキーとは思えない走り。残り約500メートルで「前を行くIVYリーグを上がり坂で捕らえ、下り坂で一気に抜いた」。「余力を残した走りで悔いが残る」と、19分21秒の区間10位の走りで、チーム順位を12位と一つ上げて、第4中継所の篠原祐太(3年 飯能南)に襷をつないだ。
5区 [5.0km](鳶ヶ巣城前から島根ワイナリー) 篠原祐太(3年 飯能南)
篠原祐太は小山大介から襷を受け、さらに国道431号線を西へと走った。「遅れてくることを知っていたので、前半は落ち着いてゆっくりと走り、後半上げて行こうと思い」落ち着いた入りで走る。ひたすら一人黙々と走る「風が向かい風で、風よけがなくて思う以上にスタミナを消耗した」と、15分51秒の区間13位の走りで、チーム順位を12位と維持し、第5中継所のメクボ・ジョブ・モグス(2年 山梨学院)に襷をつないだ。
6区 [10.2km](島根ワイナリーから出雲ドーム) メクボ・ジョブ・モグス(2年 山梨学院)
 メクボ・ジョブ・モグスは、篠原祐太から襷を受けると「調整が上手くできて、体が動いた」と、快調に飛ばした。中盤でもその勢いは衰えることなく「皆のために前を追った」と飛ばす。残り2キロで「暑くて、苦しくなったが、沿道の『頑張れ』という声が聞こえ、最後まで走りきれた」と、28分33秒の区間新記録の走りで中央大学を抜き、チームを11位に上げ2時間11分33秒でゴールテープを切った。
上田誠仁監督は「惨敗。大越は復調していると思ったが. . . . . . . .。荒木の1区は考えなくもなかった. . . . . . . .。荒木とモグスを除いて皆、緊張していて元気がなかった。全員で、反省というよりは改善しなければならない。次のレースは元気を出して、空回りしないように戦いたい」と述べた。
秋山勉顧問は「駅伝は流れの競技。自信を失わないようにしてもらいたい。今日のレースは、記録を見れば理解できる。この貴重な経験を、次の大会に生かしてもらいたい。全員の力で前に行くようにしてもらいたい」と述べた。
小山祐太主将は「チームが順調に仕上がっていただけに残念。今回の反省を次に生かしたい」と述べた。
飯島理彰コーチは「1区が全てだった。このチームは、流れに乗り全員で上を狙うチーム。一度、崩れたら自力で上げてくる力はない。選手の配置で悩んでしまった。私のオーダーミスだ。練習での仕上がりが、良かっただけに残念。全日本までに、一丸となって立て直したい」と語った。

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