山梨学院大学(古屋忠彦学長)は10月25日、甲府市の山梨学院メモリアルホールで山梨学院創立60周年記念「日露戦争とポーツマス講和」出版記念講演会を行った。この日、出版披露された研究書「山梨学院創立60周年記念誌『日露戦争とポーツマス講和』」にちなんで、女優で日本中国文化交流会代表理事を務める栗原小巻氏を講師に招いた。『モスクワわが愛』など多くの日ソ合作映画に出演するなどロシアに友好的な栗原氏は、「私の俳優人生 〜ロシアとの交流〜」と題し、俳優人生を通じてロシアとの文化の架け橋としての経験を、朗読などを織り交ぜながら「ロシアは隣人。お互いの文化を尊重し合い、紹介し、理解し、共につくりあげることが必要。そして助け合う精神が不可欠。こうした積み上げが世界の平和をつくる」と、会場満員の650名の聴衆に語った。
山梨学院は、2004年3月ロシア共和国サンクト・ペテルブルグ市において、ロシア科学アカデミー、ロシア海軍中央博物館、サンクト・ペテルブルグ国立大学東洋学部との協働のもと、国際共同研究「ポーツマス講和百周年プロジェクト」を結成し、ケンブリッジ大学やフィリピン大学らの研究者も参加し、「ポーツマス講和の意義や日露戦争が国際社会に与えた影響」などについて学術会議ならびに市民平和会議を行った。また、このサンクト・ペテルブルグ国際会議の成果をふまえて、さらなる研究の深化、国際学術交流の推進、関係各国諸機関との友好の絆を強めるために、2005年10月6日から8日までの3日間、山梨学院大学において、ロシア、アメリカ、イギリス、中国、韓国、フィリピン、日本の7ヶ国の研究者ら約30名と、日露戦争の日本海海戦で戦ったロシア・バルチック艦隊の孫であるジノビー・スペチンスキーさんと東郷平八郎連合艦隊司令長官孫の保坂宗子さんら約100名が参加し、日露戦争とポーツマス講和、戦後東アジア国際関係の変容と対日イメージの変化、日露戦争の<記憶>の形成を主なテーマとする国際会議「インターナショナル・カンファレンスinサカオリ『ポーツマス講和と東アジア』を行った。
これらの会議で、発表されたことや討論されたことなどを、研究書「山梨学院創立60周年記念誌『日露戦争とポーツマス講和』」として2006年10月6日出版した。この研究書は1,500冊出版され、日本国内外の図書館に寄贈する予定だという。
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