男子・山梨学院大 対 天理大戦 歴史に残る死闘
延長戦でもペナルティ・S戦でも引き分け サドンデス4人目で決着
 

日本ホッケー協会(吉田大士会長)と日本学生ホッケー連盟(古屋忠彦会長)は11月1日、山梨学院ホッケースタジアムで全日本学生ホッケー選手権大会最終日の決勝を行った。新鋭で初優勝と学生タイトル2冠を目指す山梨学院大学の男子は、古豪で2年ぶり27回目の優勝を目指す天理大学が激突した。山梨学院大学の男子は前半残り1分、ペナルティーコーナーを主将2番・DF藤巻毅史(4年・白根)が決め先制したが、後半残り9分に追いつかれ、1対1で引き分け、延長戦に突入した。延長戦は0対0で引き分け、5人のペナルティ・ストローク戦を行った。ペナルティ・ストローク戦でも3対3で決着がつかず、山梨学院はサドンデス戦で4人目がはずし、天理に決められ、ペナルティ・ストローク戦6対7で敗れ、学生タイトル2冠奪取はならなかった。


山梨学院大は前半、立ち上がりに天理大に攻め込まれる。攻め込む天理にペナルティーコーナーを与える。これを、堅い守りでしのぐ。10分台は一進一退の攻防、20分から30分までの間に山梨学院は防戦一方。サークルへの進入が、天理の6回に対し山梨学院は0と封印された。しかし、このピンチを守り抜いた山梨学院は残り5分で逆襲に転じた。相手にプレッシャーをかけ続け、ペナルティーコーナーを得た。主将2番・DF藤巻毅史(4年・白根)が「16番・DF三澤孝康(2年・横田)のヒットでゴールキーパーの前に入りタッチシュートで決めた」と、先制し1対0で前半を終了した。山梨学院は後半、追加点を狙い天理に襲いかかるが攻めきれない。10分過ぎから天理の容赦のない怒涛の攻めが開始された。天理の後半7本目となる7番・坂本博紀(1年)のシュートが同点ゴールとなった。山梨学院は後半に入り、シュートが影を潜めたまま終了し、1対1の引き分けとなった。
ホッケースタジアムに照明が点灯された。競技規定により、前・後半各7分30秒のいずれかのチームが得点した時点をもって終了するVゴール方式の延長戦に持ち越された。この延長戦でも0対0で勝敗が決しない。そのため、各チームの選手5人が選出されペナルティ・ストローク戦に突入した。
ペナルティ・ストローク戦は、天理が先攻で1人目のシュートを1番・GK森田篤(3年・伊吹)がとめ1対0とした。2人目はともに枠をはずし1対0のまま。3人目は天理が決め山梨学院がとめられ1対1とされた。4人・5人目はともに決め3対3の引き分けとなった。ついにこのまま、先に得点した方が勝ちとなる一回勝負の各チーム選手5人でのサドンデスとなった。山梨学院はキッカーの順番を入れ替えた。サドンデスは山梨学院が先攻となった。山梨学院は、4人目のキッカーが相手ゴールキーパーにとめられ、ゴールも決められ、トータル6対7で涙を呑んだ。
藤巻毅史(4年・白根)主将は「2部から始めて、ここまで来られたのも先生方やチームメートのお蔭だと感謝しています。決勝という雰囲気に呑まれたのか、『堅守速攻』ができなかった。最後のところで甘いところが出た。後輩に、来年こそは2冠を達成してもらいたい」と述べた。
寺本祐治監督は「前半は、しのいで、しのいでワンチャンスをものにする。思いどおりの試合運びができた。しかし、後半戦以降、選手の足が止まった。勝とうという思いがプレッシャーになり選手の足を止めた。これも、神様が個人々に、チームにもう少し努力しなさいと言っている証。練習は嘘をつかない。努力は嘘をつかない。克服して来年は2冠を取る」と語った。

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