日本ホッケー協会(吉田大士会長)と日本学生ホッケー連盟(古屋忠彦会長)は11月1日、山梨学院ホッケースタジアムで全日本学生ホッケー選手権大会最終日の決勝を行った。奇しくも3年連続同一カードとなった女子の決勝戦。3連覇を目指す立命館大学と初優勝を目指す山梨学院が死力を尽した。山梨学院は、前半立命館に1対0とリードされた後半21分と30分に17番・FW徳島葵(1年・京都すばる)がタッチシュート2本でフィールドゴール奪い2対1と逆転した。山梨学院は創部13年目で悲願の初優勝を飾った。MVPは15番・MF岩出美幸(4年・今市)主将の頭上に輝いた。
山梨学院大学は前半、相手陣地に入り相手にプレッシャーをかけるが得点までには至らない。山梨学院は一瞬の隙をつかれた28分に、ディフェンダーのボールをカットされ前に早いタイミングで回された。それを7番・MF植田彩(1年)にドリブルで持ち込まれ、リバースシュートを決められ先取点を奪われ前半を終了した。
ハーフタイムにジョン・シアンコーチは「後35分、チャンピオンになれるかなれないか、自分たちの運命は自分たちが決める。うちのゲームをやろう。いつもどおりにやれば絶対勝てる」と檄を飛ばした。誰ともなく「絶対かつよ! 絶対!」と声があがった。
山梨学院は後半の21分に、17番・FW徳島葵(1年・京都すばる)が「レフトのウイングから中にクロスが入った。左に飛び込んでタッチシュートした」。しかし、審判のジャッジはノーゴール。一瞬、騒然とした。徳島は「絶対触っていたので、覆ると信じていた」。審判が協議しゴールが認められ1対1となった。30分、左サイドから10番・MF李仁敬(1年・松谷女)がスイープを放った。これに17番・FW徳島葵(1年・京都すばる)は「ボールが何処から来たか分からなかった。いつもの練習のとおり、逆サイドからのボールにはスティックを下ろして構えろと指導されていたので、セオリーどおりのプレーをした」と、追加点をあげ逆転した。その後も、山梨学院は相手陣地に執拗に攻め込んだ。しかし、終了間際の35分、立命館にペナルティーコーナーを与えピンチを迎えたが死守した。終始立命館を圧倒した山梨学院が、創部13年目で悲願の初優勝を飾った。
岩出美幸主将(4年・今市)は「立ち上がりは、すごく緊張した。先取点を奪われたが焦りはなかった。ハーフタイムでミーティングし、あと35分もあると居直れた。1点入れれば勝算はある。まず1点を返すことに集中し、ボールをつなぎ得点することを全員で心がけた。念願のタイトルを獲得して感無量です」と述べた。
ジョン・シアンコーチは「インカレは初優勝。ホッケーをやっていて本当に良かった。選手に感謝したい。勝因は『諦めない』『執念』『チームメートを信じた』『絶対勝つ』という気持ちが、最後の最後まで持続したこと。これで、新しい歴史がつくれた。これからは、前に前にどんどん進みたい」と語った。
喜びを体一杯に表す選手により、ジョン・シアンコーチや寺本監督、そして岩出美幸主将などが次々に胴上げされ、全員で歴史的瞬間の記念写真に納まっていた。
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