日本学生陸上競技連合・朝日新聞・テレビ朝日・名古屋テレビは11月5日、熱田神宮西門前から伊勢神宮内宮宇治橋前の8区間106.8キロで、第38回全日本大学駅伝対校選手権大会を行った。大会は秋の伊勢路を、シード校6校と北海道から九州の8地区学連代表校の19校とオープン参加の東海選抜の26校が参加して、日本一を目指して襷をつないだ。山梨学院大学は、後半6区 宮城真人(2年 開新高)、7区 末次弘明(4年 八女工高)、8区 メクボ・ジョブ・モグス(1年・山梨学院)の頑張りで、チーム順位5位でシード権を獲得した。優勝は、駒澤大学が2年ぶり6回目の優勝を成し遂げた。シード権獲得校は、1位 駒澤大学(5時間19分05秒)、2位 日本大学(5時間20分46秒)、3位 中央大学(5時間21分41秒)、4位 順天堂大学(5時間22分02秒)、5位 山梨学院大学(5時間22分17秒)、6位 日本体育大学(5時間23分17秒)となった。
■ 1区(14.6キロ)
小山 祐太(4年・佐久長聖) 44:18[13] 44:18(13)
山梨学院大学は、小山が快晴で気温は12度、湿度72%、北北西の風1.2mの熱田神宮西門前を午前8時10分に、号砲とともに他チームの25名の選手とともに一斉にスタートした。小山は「落ち着いて入れた」と、集団は1キロ3分07秒のゆっくりしたペースで走る。2キロ過ぎて、第一工大が2分58秒とペースを上げ、集団をリードする。10キロで、集団は徐々に縦長になり優勝候補の日体大が遅れ始めた。小山は「集団の中でしっかり走れた」と15人の第一集団にいる。ラスト1キロ手前で立命館と城西が仕掛けて前に出た。小山は「粘り最低限の仕事はできたが」という走りの区間13位で、弥富町筏川橋西詰で待つ2区の山本に襷を繋いだ。
1位 城西大学、2位 立命館大学、3位 神奈川大学、4位 東洋大学、5位 亜細亜大学、6位 第一工業大学。
■ 2区(13.2キロ)
山本 真也(2年・報徳学園) 01:24:31[12] 40:13(13)
花の2区で襷を受けた山本は「2分55秒と予定とおりは入れた」と落ち着いて走る。日大が快走し先頭に踊り出た。山本は前に見える立命館と神奈川に追いつこうと「徐々にペースを上げていこうと思ったが、ペースが上がらない」。それでも、命館を抜き去りチーム順位を13位から12位に押し上げた。「調子は悪くないのに、気持ちだけが前に出て、焦り体の動きが硬くなった」というエース区間での走りで、川越町高松で待つ3区の大谷に「落ち着いていけよ。後は頼む」と襷を手渡した。
1位 日本大学、2位 第一工業大学、3位 東洋大学、4位 順天堂大、5位 駒澤大学、6位 亜細亜大学。
■ 3区(9.5キロ)
大谷 康太(1年・出雲工業) 01:53:15[12] 28:44(13)
大谷は「初めて大学駅伝に挑戦し、緊張した」「落ち着いて走れ、冷静にと自分に言い聞かせた」とセーブして入った。あまりにも慎重に行き過ぎて、「1キロが、設定より2秒遅かった」。5キロで「立命館に並ばれ並走した」。「このままではチームに申し訳ないと思い、気持ちを入れた」。機を見て「引き離しにかかり抜いた」。前に「神奈川が見えるので、距離を 詰めようと思い頑張ったが縮まらない」という走りで、チーム順位を12位とキープし、残り300メートルでラストスパート「1秒でも早く渡そうと必死で走り」、四日市市六呂見町の4区・松村に襷リレーした。
1位 日本大学、2位 駒沢大学、3位 亜細亜大学、4位 中央大学、5位 順天堂大学、6位 東洋大学。
■ 4区(14.0キロ)
松村 康平(2年・清風) 02:36:51[13] 43:36(17)
▲村松は「入りをゆったり入った」。しかし「400メートルの時点で遅すぎると思い、2分55秒にペースを切り替えた」。3キロ付近で、「立命館に並ばれた」。5キロ付近で「立命館に抜かれ、離された」。「前とのタイム差を詰めなければいけないところを、逆に離されてしまった」。「初駅伝で、チームに貢献しょうと思ったが、失敗して迷惑をかけた」という走りで、チーム順位を13位と一つ順位を落として、鈴鹿市寺家で5区の飯上に襷を渡した。
1位 駒澤大学、2位 日本大学、3位 東洋大学、4位 中央大学、5位 第一工業大学、6位 順天堂大学。
■ 5区(11.6キロ)
飯上 幸哉(4年・智辮学園) 03:12:29[14] 35:38(9)
飯上は「チームの流れが悪かったので、悪い流れを断ち切ろうと思い走った」。1キロは「落ち着いて、3分で入った」。「徐々に立命館との距離を詰めていった」。3キロ付近で「後方の明治大学に追いつかれた。すぐにペースを上げ振り切った」しかし、9キロ付近で「再び追いつかれた」。しばらく並走が続くが、ラスト600メートル手前で、明治大学に振り切られた」。「気持ちを切り替えて、駅伝は勢いが大切なので、持てる力を振り絞って走った」と、チーム順位を13位から14位に後退させながらも、悪い流れが連鎖しないように勢いをつけて走り、6区の宮城に襷を託した。
1位 駒澤大学、2位 日本大学、3位 東洋大学、4位 第一工業大学、5位 順天堂大学、6位 中央大学。
■ 6区(12.3キロ)
宮城 真人(2年・開新) 03:49:22[12] 36:53(3)
宮城は飯上からの勢いある襷を受け取り、「流れをしっかり立て直そうと思った」と、飯上の思いがつながる走りで「1キロを2分56秒」と快走した。前に「明治大学と立命館大学が射程距離に入ったので、勢いをつけて並んだ」。2キロ付近では「いけそうだったので、追い抜いた」と、さらに勢いをつけて快走する。「体が、自然に動いた」と、前とのタイム差を縮めようと力走する。ラスと1キロで「この流れを、次の区間に持っていってもらいたいと思い、ラストスパートした」いう頼もしい走りで、チーム順位を2つあげる12位で、7区の末次に襷を繋いだ。
1位 駒澤大学、2位 東洋大学、3位 日本大学、4位 中央大学、5位 順天堂大学、6位 亜細亜大学。
■ 7区(11.9キロ)
末次 弘明(4年 八女工業) 04:25:46[11] 36:24(5)
末次は1キロを「予定通りの2分50秒で走った」。「6区の宮城が良い位置で襷を渡してくれたので、勢い良く走れた」。10キロ付近で「神奈川大学に追いついた」。そして「神奈川と並走」。「シード権を獲得するために1秒を惜しんで走った」。「少しでもモグスの負担を少なくしてあげたかった」。そして、「ラスト300メートルで仕掛けて、神奈川を振り切った」という、しっかりした走りで、チーム順位を12位から11位に上げ、モグスに勢いの流れのある襷を「シート権を取ってくれ」と託して手渡した。
1位 駒澤大学、2位 日本大学、3位 東洋大学、4位 中央大学、5位 順天堂大学、6位 亜細亜大学。
■ 8区(19.7キロ)
メクボ・ジョブ・モグス(2年 山梨学院) 05:22:17[5] 区間新記録56:31(1)
アンカーモグスは、「絶好調」と、1キロを「2分35秒」いう驚異的な入りで飛ばす。「3キロを8分12秒」となおも飛ばす。5キロ付近までに一気に8位まで浮上した。とどまるところを知らないモグスは「7キロ、19分32秒」と快走する。11キロ過ぎで7位に浮上。12キロ付近で6位になり、さらに「15キロを42分28秒」と突き進む。15キロ手前で5位となった。「15キロ過ぎて、ちょっと厳しくなった」しかし、「17キロから、また体が動いた」と、残り1キロは「順天堂大学を追ったが届かなかった」といいながらも爆走。末次から襷を11位でもらい、6位まで3分10秒という差を、チームメートの勢いを受け継ぎ、チーム順位を5位にあげた。その結果、チーム目標のシード権をチームにもたらせるとともに、渡辺康幸(早稲田)の大会記録を破る大会新記録をマークした。
小山 祐太主将は「前半に流れに乗って、後半勝負と考えていたが、前半に流れに乗ることができなかったことが反省。しかし、後半は良い流れで戦うことができた。チームは上向いていると思う。箱根に向けて、自信を持って良いところを伸ばし、課題は修正して、チーム一丸となって、箱根駅伝に挑みたい」と述べた。
上田誠仁監督は「1区、2区で流れに乗るオーダーにした。しかし、前半は流れに乗ることができなかった。このまま、悪いイメージで終わるのかと思ったら、5区、6区、7区とで流れを変えてくれた。モグスに頼る走りではなくて、一人一人がしっかり戦う意識を持って、後半は戦えた。このことは、チームにとって大きな収穫となった。後半のムードを箱根につなげて、箱根では部員が一つになって完全燃焼してもらいたい」と語った。
アルバムはこちら |