2007ユニバーシアード冬季大会日本代表選手選考競技会(最終日)
(第7回全日本学生ショートトラックスピードスケート個人選手権大会)
〜山学大・藤本 男子総合4位 ユニバーシアード代表に滑り込み〜
 

日本スケート連盟(橋本聖子会長)は11月26日、長野県・帝産アイススケートトレーニングセンターで2007ユニバーシアード冬季大会日本代表選手選考競技会最終日を行った。競技は男子45名・女子19名が参加し、男女ともに1000M決勝と3000Mスーパーファイナルが行われた。男子は「1000M」「3000Mスーパーファイナル」ともに伴野清貴(南佐久スケート協会)が優勝した。女子は「1000M」「3000Mスーパーファイナル」ともに小澤美夏(阪南大)が優勝した。総合優勝は、「男子」伴野清貴、「女子」小澤美夏。注目の2006年ワールドカップ 銀メダリストの藤本は、1000M決勝戦で失格し、3000Mスーパーファイナルを6位とした。ユニバーシアード代表は、「男子」伴野、三浦裕(阪南大)、上村大輔(大阪経済大)、藤本の4名。「女子」小澤、武田仁美(阪南大)、酒井裕唯(早稲田大)、貞包紘子(順天堂大)、小山友香里(日本体育大)の5名。監督は川上隆史山梨学院大学監督が務める。大会は1月17日から27日イタリア・トリノで行われる。


男子1000メートル(9周)は、伴野清貴(南佐久スケート協会)が優勝した。スタートで藤本貴大(山梨学院大)が先行。伴野、竹原直久(青山学院大)、上村大輔(大阪経済大)が続く。2周目に伴野が先頭を奪い、竹原、藤本、上村の順位に。5周までスピードを上げながらレースが進む。6周目、竹原が仕掛け先頭に、伴野、藤本、上村と続く。7周、8周と竹原が後続を引き離しにかかる。藤本がラスト1周の第3コーナーでインを仕掛け先頭に踊り出たが、第4コーナーの出口でリンクに両手で触れ膨らみをこらえ減速。これで、トップを滑っていた竹原は失速。藤本、伴野、上村、竹原と順位が変わった。今度は、伴野が第1コーナーでインから入り藤本と接触。藤本は転倒。1位 伴野、2位 上村、3位 竹原、4位 藤本でゴール。しかし、審判協議の結果、第3コーナーでのインの仕掛けを他の選手の進路を妨害しているとして、インピーリングで藤本が失格になった。1位 伴野清貴(南佐久スケート協会)、2位 上村大輔(大阪経済大)、3位 竹原直久(青山学院大)、藤本貴大(山梨学院大)【失格】。 

女子1000メートルは、1位 小澤美夏(阪南大)、2位 武田仁美(阪南大)、3位 貞包紘子(順天堂大)。
 
男子3000Mスーパーファイナル(27周)は、1周目は中速で竹原直久(青山学院大)が先頭を奪い、古屋憲吾(早稲田大)、藤本貴大(山梨学院大)、瀬谷和三(山梨学院大)、三浦裕(阪南大)、上村大輔(大阪経済大)、伴野清貴(南佐久スケート協会)の順位。2周目は竹原、古屋、瀬谷、藤本、三浦、上村、伴野。この順位で、8周まで流す。9周目で最後尾にいた伴野が前の2人を抜いた。14周目で古屋が仕掛けると、伴野は一気に2位に浮上した。25周で伴野はトップを奪い、スピードを上げて後続を振り切った。1位 伴野清貴(南佐久スケート協会)、2位 瀬谷和三(山梨学院大学)、3位 古屋憲吾(早稲田大)。

女子3000Mスーパーファイナルは、1位 小澤美夏(阪南大)、2位 武田仁美(阪南大)、3位 酒井裕唯(早稲田大学)。

総合順位は、「男子」1位 伴野清貴(南佐久スケート協会)81得点、2位 三浦裕(阪南大学)60得点、3位 上村大輔(大阪経済大学) 50得点、4位 藤本貴大(山梨学院大学)50得点、5位 瀬谷和三(山梨学院大学)29得点。「女子」は1位 小澤美夏(阪南大学)136得点、2位 酒井裕唯(早稲田大学) 63得点、3位 貞包紘子(順天堂大) 50得点、4位 武田仁美(阪南大学) 42得点、5位 小山友香里(日本体育大学) 18得点となった。

なお、第7回全日本学生ショートトラックスピードスケート個人選手権大会の優勝者は、「男子」三浦裕(阪南大学)、「女子」小澤美夏(阪南大学)となった。

藤本貴大選手は「大学の先輩の伴野さんの気迫と執念に負けた。総合優勝を狙っていただけに残念。500メートルはアクシデントとはいえ自分が情けない。1500メートルで優勝して滑り出しが良かっただけに悔やまれる。とにかく自信のある500メートルに優勝できなくて波に乗れなかった。これからは、世界を睨んで500メートルのスペシャリストになりたい。スタートダッシュは誰にも負けない自信があるが、そのまま逃げ切れる体力がない。体力強化が一番だが、シーズン中には無理。従って、それを補う技術の習得が急務。それには原点に立ち返り、スケートの基礎からやり直したい」と述べた。
篠原祐剛コーチは「今大会、藤本は総合優勝候補といわれ4位に終わった。また、瀬谷は健闘したがユニバーシアード代表を逃した。内容的にはあまり良くなかった」と答えた。
川上隆史監督は「今回、ユニバーシアード代表に山梨学院から、既に決定している吉澤純平と卒業生の伴野清貴を、藤本貴大の3名送り込むことができて嬉しい。アジア大会に行く伊藤潤二を入れると、国際大会に4名山梨学院関係者から派遣できることは名誉なこと。また、代表入りをもう一歩で逃した瀬谷和三は大学からショートを初めて、経験が無い中で驚異的な頑張りを見せてくれた。青木も将来が楽しみ。欲をかけば限が無い。全員よくやってくれた。藤本については、ユニバーシアードでメダルを狙ってもらいたい。藤本は、スタートダッシュは天性のものがあり世界トップクラス。国内戦では、スタートとラストスパートの繋ぎの滑りで力を抜いてしまう癖がある。むしろ、世界はスピードが速い、全て全力で滑らなくてはいけないので藤本には世界のほうが戦いやすいと思う。また、オリンピックに向けては夏に体力強化を計りたい」と語った。また、日本代表の監督として「選手・役員は、ユニバーシアード代表に選ばれた誇りと、責任を持って戦って参ります。また、学生の祭典なので、成績だけにこだわらず自己を磨く、自己研鑽の場にもしたいと思います」と述べた。

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