日本学生氷上競技連盟(西田潔会長)、日本スケート連盟(橋本聖子会長)は12月8日、群馬県総合スポーツセンター伊香保リンクで第26回全日本学生スピードスケート選手権大会の最終日を行った。総合競技女子の山梨学院大学・名取英理(3年・東海大学第三)は、昨日の3000mに続き、今日の1500m(2連覇)・50000mも優勝し4種目中3種目を制した。しかし、4距離の総合タイムで争う総合優勝は、2連覇を目指す信州大学の住吉都との、第1日目の500mでのタイム差2秒29が最後まで響き2位となり逆転優勝はならなかった。スプリント競技は信州大学の河田智子が3年ぶり2回目の総合優勝を果たした。
■『女 子』スプリント競技
山梨学院の石田誌保(3年・北海道池田)は、「500mのスタートが遅く、ちょっと焦った。しかし、インのコーナーを上手く回りバックストレートで氷に上手く乗れた残りの400mは、満足のいく滑りだった」と、昨日より0.55早いタイムで、昨日の3位から2位とした。1000mは、「今日は落ち着いてレースができた。アウトスタートの方が得意、2周目から前が追えるのと、2周目のカーブが小さいので滑りやすかった。腰の痛みは気にならなかった。総合の順位が2位になるか3位になるか1000mで決まるので勝負に徹した」と、昨日4位を、今日は3位とし、総合成績を2位とした。
郷亜里砂(1年・白樺学園)は、「普段でもスタートが遅いのに、500mのスタートで気負い過ぎて足が抜けてしまったが、アウトスタートだったので相手の選手を追うことができた」と、昨日の4位から5位となったが、0. 07早いタイムを出した。1000mは「インスタートで昨日より加速をつけて回ることができた。また、相手の選手が先行するレースなので、必死で相手の選手を追うことができて、ベスト記録をマークした」と、昨日の3位から0. 30早い2位でゴールし、総合成績3位とした。
□総合成績
1位 河田智子(信州大)、2位 石田誌保(山学大)、3位 郷亜里砂(山学大)
□「500m」
1位 河田智子(信州大)、2位 石田誌保(山学大)、3位 武井陽子(日体大)
□「1000m」
1位 河田智子(信州大)、2位 郷亜里砂(山学大)、3位 石田誌保(山学大)
■『女 子』総合競技
山梨学院の名取英理(3年・東海大学第三)は、「1500mと3000mは好き」。「今日の1500mは負けるわけには行かない」と、あっさりと1500mの2連覇を達成した。「50000mは好きではない」と、言いながらも「50000mは、監督のアドバイスで、力まず、タイムに縛られずにリラックスして滑れた」と優勝し、「3000m」「1500m」「50000m」の3冠に輝いた。
なお、昨日500m3位と3000m3位で総合成績2位の十河梓(3年・北海道池田)は、最終日を棄権した。
□総合成績
1位 住吉都(信州大)、2位 名取英理(山学大)、3位 須郷遥(信州大)
□「1500m」
1位 名取英理(山学大)、2位 須郷遥(信州大)、3位 住吉都(信州大)
□「50000m」
1位 名取英理(山学大)、2位 吉田愛結美(日体大)、3位 住吉都(信州大)
篠原祐剛コーチは大会を振り返って「今シーズンは、『力を出し切るレース』に徹している。自分の持っている力を前向きに、積極的に出す気概・気骨を持たせレースに臨ませた。相手の選手のこととかタイムに囚われることなく、自分の信念『自分の滑りに徹する』ように指導してきた。その結果、自己ベストの更新や優勝やユニバシアード代表など好結果が出ている。今大会も『力を出し切るレース』に徹し、石田、名取のみならず出場選手全員が何らかの結果を残した。急成長は1年生の郷亜里砂と土屋慎吾、将来が楽しみになった」と評価した。
川上隆史監督は大会を振り返り「女子は、ユニバシアードの選考メンバー、スプリント競技の信州大学の河田智子と石田誌保。また、総合競技の信州大学の住吉都と名取英理の競り合いは、手に汗を握る白熱した見応えのある試合だった。名取の4種目中3種目の優勝は快挙。大会のルールで500mに換算してタイム計算するので500mの出遅れが致命傷だった。しかし、大会ルールによっては4種目中3種目の優勝は総合優勝という大会もあるので名取には自信を持ってもらいたい。また、1年生のスプリント競技者、女子の郷亜里砂、男子の土屋慎吾の頑張りも際立った。他の選手も自己ベストを更新するなど収穫の多い大会だった」と総括した。
■ スプリント競技アルバム「500m」「1000m」
☆ 石田誌保(3年・北海道池田)
☆ 郷亜里砂(1年・白樺学園)
■ 総合競技アルバム「500m」「3000m」
☆ 名取英理(3年・東海大学第三)
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