第83回東京箱根間往復大学駅伝競走(復路)
山梨学院 アンカー栗原 総合12位でフィニッシュ
〜 順天大学 6年ぶり11回目の優勝 〜
 

関東学生陸上競技連盟主催、読売新聞社共催は1月3日、東京・大手町読売新聞社前から箱根・芦ノ湖駐車場前(5区間109.9km)で、20校が参加して第83回東京箱根間往復大学駅伝競走の復路を行った。前回準優勝で21回出場の山梨学院大は、往路優勝の順天堂大学が午前8時にスタートした後の午前8時06分35秒に箱根・芦ノ湖駐車場前から、6区の中満勇太(3年・小林)が東洋大学とともにスタートした。山梨学院は、総体的に力を出し切ることができずに、10区の栗原圭太(3年・世羅)が、復路チームタイム5時間41分39秒の12位。総合タイム11時間21分27秒の12位で、東京・大手町読売新聞社前にフィニッシュした。山梨学院は10位以内のシード権を確保することができなかった。総合優勝は順天堂大学が6年ぶり11回目の優勝を達成した。


新春の風物詩、往路(5区間108.0km)、復路(5区間109.9km)の10区間217.9kmで争われる第83回東京箱根間往復大学駅伝競走。山梨学院は、6区 中満勇太(3年・小林)、7区 篠原祐太(2年・飯能南)、8区 山本真也(2年・報徳学園)、9区 大越直哉(4年・高田)、10区 栗原圭太(3年・世羅)で臨んだ。午前8時00分箱根・芦ノ湖駐車場前を、1位 順天堂大学がスタート。次に2位の東海大学、3位の日本体育大学、4位の早稲田大学、5位の日本大学、6位の中央学院大学、7位の駒澤大学、8位の専修大学。続いて、9位の山梨学院大学と10位の東洋大学、11位の明治大学、12位の城西大学、13位の亜細亜大学、14位の中央大学、15位の大東文化大学とスタートした。8時10分に、16位の法政大学、17位の神奈川大学、18位の國學院大學、19位の国士舘大学、20位の関東学連選抜が一斉スタートした。

6区 20.8km[箱根・芦ノ湖駐車場前から鈴廣前] 
午前8時06分35秒に箱根・芦ノ湖駐車場前から、スピードがありラストスパートには定評がある中満勇太(3年・小林)は「小山キャプテンが往路の悪い流れを、断ち切り良い流れで復路に繋いでくれたので、この流れを断ち切らないように」と、「緊張も無く」東洋大学と同時に山下りへスタートした。まもなくすると東洋が前に出て先行する。中満は「東洋の大西選手は強い選手なので最初かに行くと聞いていた」ので自重した。約2km過ぎには、5秒、10秒遅れの明治と城西が並んだ。「登りより、下りが得意なので、力をためて下りで勝負しよう」と、12位に落ちたが自分の走りに徹した。約4km上った。あとは箱根湯本駅まで一気に下がっていく。中満は、下りに入りペースを上げた。約10kmで城西大を抜き返し、約15kmで明治大学を捕らえた。しかし、「自重していたつもりが、自分の入りより早めに入ってしまっていた」と、ラスト1kmで明治大学に振り切られ、1時間01分17秒のチーム順位11位で、1位の順天堂大学に7分10秒差。12位の城西大学に51秒差で、第1小田原中継所で待つ7区の篠原にタスキを託した。

■1位 順天堂大学 2位 東海大学 3位 日本大学  4位 日本体育大学 5位 早稲田大学 6位 駒澤大学 7位 専修大学 8位 東洋大学 9位 中央学院大学 10位 明治大学 11位 山梨学院大学 

7区 21.3km[鈴廣前から花水レストハウス前]
乗ったら強い思い切り前に行く篠原祐太(2年・飯能南)は、中満からタスキを受け継ぐと「自信を持って自分の走りをしょうと」走行した。9kmまでは平坦なコース。篠原は前を行く、明治大学に追いつき背後についた。「15キロまでは背後で、後は様子を窺い勝負しようと」追随して行く。細かいアップダウンが続く。約14km過ぎに後続の中央大学と城西大学が迫り10位グループが形成された。篠原は「後から来るのは分かっていたが、15キロまではこのリズムで行こう」と、受け入れ混戦になった。4人の選手の指導権争いが過熱する。ラスト200mで中央大学、城西大学、明治大学に、前を越された。「必死で喰ら付いたが離された」と、1時間07分13秒の走りでチーム順位を13位とし、1位の順天堂大学に8分43秒差、後続の14位の亜細亜大学に13秒差で、第2平塚中継所で待つ8区の山本にタスキを手渡した。

■1位 順天堂大学 2位 東海大学 3位 日本体育大学 4位 日本大学 5位 駒澤大学 6位 早稲田大学 7位 東洋大学 8位 中央学院大学 9位 専修大学 10位 中央大学 13位 山梨学院大学

8区 21.5km[花水レストハウス前からボルボ・カーズ戸塚前]
気持ちが強くロードに強い山本真也(2年・報徳学園)は、篠原からタスキを受け取ると、平坦なコースを「前が見えていたので、しっかり走り追いついてシード権を奪還しょう」と、決意して挑んだ。「5キロは、ゆとりをもって入れた」と快調。8km付近で亜細亜大学に後方から追い上げられて並走。9.6km付近の浜須賀歩道橋で海岸線に別れを告げ「9キロの上がりが続く、13km付近で先を越された」が、「前を詰めようと」力走。前を行く、明治大学に追いつき追い越した。山本は1時間08分05秒の走りでチーム順位を13位とし、1位の順天堂大学に9分59秒差、後続の14位の明治大学に1分43秒差で、第3戸塚中継所で待つ4区の大越にタスキを手渡した。

■1位 順天堂大学 2位 東海大学 3位 日本大学 4位 日本体育大学 5位 東洋大学 6位 早稲田大学 7位 専修大学 8位 城西大学 9位 駒澤大学 10位 中央学院大学 13位 山梨学院大学 

9区 23.2km[ボルボ・カーズ戸塚前から鶴見市場交番前]
4年連続メンバー入りと経験豊富でチームの中心選手の9区 大越直哉(4年・高田)は、山本からタスキを受け取り「シード権を取ろうと」急な下り坂を力走する。「5キロは、予定どおりの走り」と、順調に走行。「10キロ付近で向かい風が吹いていたが、ゆとりをもてて走れた」と、快走する。「終盤ペースダウンしてしまった」と、大越は1時間12分46秒の走りでチーム順位を13位とし、1位の順天堂大学12分39秒差、後続の14位の大東文化大学に2分28秒差で、第4鶴見中継所で待つ5区の栗原にタスキを託した。

■1位 順天堂大学 2位 東海大学 3位 日本大学 4位 日本体育大学 5位 東洋大学 6位 早稲田大学 7位 駒澤大学 8位 亜細亜大学 9位 専修大学 10位 中央大学 13位 山梨学院大学

10区 23.1km[鶴見市場交番前から東京・大手町読売新聞社前]
ハーフを3分台で走り長い距離への対応がでてきた栗原圭太(3年・世羅)は、大越からタスキを受け取り「シード権奪取を考えていた」と10位以内を目指し、鶴見、六郷橋、八ツ山橋、日本橋、日比谷通りを快走。栗原は、コースが75回から変更された日比谷通りを馬場先門前で右折し、中央通りを軽快に走る。「前を行く中央学院をどうしても捉えたかった」と、ラストスパートで中央学院大学を追い、最後の最後で抜き去る1時間12分18秒の走りで、復路チームタイム5時間41分39秒の12位。総合成績は、チームタイム11時間21分27秒の12位で、東京・大手町読売新聞社前のゴールテープを切った。

 

■1位 順天堂大学 2位 日本大学 3位 東海大学 4位 日本体育大学 5位 東洋大学 6位 早稲田大学 7位 駒澤大学 8位 中央大学 9位 専修大学 10位 亜細亜大学 11位 城西大学 12位 山梨学院大学 13位 中央学院大学 14位 大東文化大学 15位 法政大学 16位 国士舘大学 17位 明治大学 18位 関東学連選抜 19位 神奈川大学 20位 國學院大學

■総合順位
1位 順天堂大学 2位 日本大学 3位 東海大学 4位 日本体育大学 5位 東洋大学 6位 早稲田大学 7位 駒澤大学 8位 中央大学 9位 専修大学 10位 亜細亜大学 11位 城西大学 12位 山梨学院大学 13位 中央学院大学 14位 大東文化大学 15位 法政大学 16位 明治大学 17位 神奈川大学 18位 國學院大學 19位 国士舘大学 20位 関東学連選抜

小山祐太主将は「シード権ぎりぎりの9位を守ろうとしてずるずる順位を落とし、シード権を獲得することができなかった。後輩には、口で指導することができなかったが、自分の昨日の走りや私生活で範を示せたと思う。来年は、予選会を勝ち抜き、今年の無念を晴らしてほしい」と語った。

飯島理彰コーチは「選手一人ひとりが、一桁の順位という結果を残せなければ勝負は負ける。選手は力を持っているが、それを大舞台で表現することができない。本当の強さは、大一番で結果を残せること。選手ともども強いチームを、また、強い個人を、育成していきたい」と述べた。
  
上田誠仁監督は「チームは、総体的に力を出し切れなかった。7区と9区の勝負どころで、逆に引き離された。チーム状態は挫けたりへこたれたりする状況ではない。土壌は整っている。どんな芽を出し、どう育てるか。高速駅伝では、自分の力をアピールできる個性的な選手をスキルアップしなくてはならない。これからは、レースに向かう真剣さが要求される。監督とコーチも愛情を持ち内容の濃い練習を厳しく指導し、たくましい芽を出し育てなければならない」と語った。

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