日本スケート連盟(橋本聖子会長)は2月25日、京都府・京都アクアリーナで第30回全日本ショートトラックスピードスケート選手権大会(最終日)を行った。大会は男女の1000m、3000mスーパーファイナルが行われ、山梨学院大男子は、距離別選手権大会の1000m優勝で期待された伊藤潤二(3年)は、同種目を準決勝で敗退した。藤本貴大(4年)は、3000mスーパーファイナルで7位となった。種目別優勝は、男子は1000mをトヨタ自動車の寺尾悟が、3000mスーパーファイナルを田上真一(慶應義塾大学)が、女子は1000mをALSOK綜合警備の神野由佳が、3000mスーパーファイナルを桜井美馬(武蔵野学院)が制した。世界選手権大会(ミラノ)の日本代表選手に、山梨学院大男子の伊藤と藤本は、寺尾(トヨタ自動車)とともに出場が決まった。女子は神野由佳(ALSOK綜合警備)、桜井美馬(武蔵野学院)らが決定した。
今大会終了後、世界選手権大会(ミラノ)及び世界チーム選手権大会(ブダペスト)の日本代表選手が選出された。選考は、2月10日・11日に大阪府・なみはやドームアイススケート場で行われた第17回全日本ショートトラックスピードスケート距離別選手権大会の得点と合算して順位を決めた。
世界選手権大会(ミラノ)
○「男子個人種目代表選手」
☆寺尾悟(トヨタ自動車)、☆伊藤潤二(山梨学院大学3年)、藤本大貴(山梨学院大学4年)・補欠、[ジュニアー枠 高御堂雄三(トヨタ自動車)]
○「女子個人種目代表選手」
☆神野由佳(ALSOK綜合警備)、☆桜井美馬(武蔵野学院)、小澤美夏(反南大学)・補欠、[ジュニアー枠 酒井裕唯(早稲田大学)]
○「女子リレー代表選手」
☆神野由佳(ALSOK綜合警備)、☆桜井美馬(武蔵野学院)、☆小澤美夏(阪南大学)、☆古屋由布子(SANIX)、☆貞包紘子(順天堂大学)、[ジュニアー枠 酒井裕唯(早稲田大学)]
世界チーム選手権大会(ブダペスト)
○「女子代表選手」
☆ 神野由佳(ALSOK綜合警備)、☆桜井美馬(武蔵野学院)、☆小澤美夏(阪南大学)、☆古屋由布子(SANIX)、☆貞包紘子(順天堂大学)、[ジュニアー枠 酒井裕唯(早稲田大学)]
藤本貴大は「2大会を通じて短距離(500m距離別選手権大会2位、全日本選手権大会2位)でしかポイントを稼げないのでは世界選手権で争えないことがしみじみ分かった。短距離を中心に中長距離を戦えるように強化したい。世界選手権大会では、補欠としていつでも出場できる態勢で臨みたい。また、出場機会が無いときは、他の選手をじっくりと観察して学び、取り入れられるところは取り入れて来シーズンに生かせる価値ある大会にしたい」と来シーズンを見据えて世界選手権大会の抱負を述べた。
伊藤潤二は「距離別選手権大会では戦えた(1000m1位、1500m2位、500m3位)が、今大会は波に乗れなく決勝に進出できなかった。今大会の状況下の中でも、克服できる実力を付けないといけない。まだまだ、寺尾選手に比べて安定感に劣ることを実感した。世界選手権大会では、今までの世界経験を生かし、消極的では何も始まらないので、積極的に前に前に出る滑りに心掛けて戦って来たい」と、大会を振り返り世界選手権の決意を述べた。
篠原祐剛コーチは「今大会は逆風の中で、伊藤はポイントが0点と最後の最後まで波に乗ることができなかったが、そんな中で藤本は一人気を吐いてくれた。3000mスーパーファイナルでは、世界選手権出場を意識して総合得点4位の選手をマークして滑走させた。4位の選手が脱落していくのを確認した後、失格をしない滑りに変えさせて滑走させた。伊藤については、今大会で波に乗れなくて悔しい思いをしたことを、世界選手権では一種目でも決勝に進出してもらいたい。また、総合で寺尾選手を越えてもらい、世界で今大会のうっぷんを晴らしてきてもらいたい」と語った。
川上隆史監督は「距離別選手権大会と今大会の合計ポイントで世界選手権大会出場権を争ったが、距離別選手権大会では伊藤、今大会では藤本と、一人の選手が2大会を通じてピークを保つことができなかった。しかし、伊藤は今大会0得点だったが、前回の試合で得点を確り取っていたので総合2位で世界の切符を手にした。後ろ向きに捕らえるのではなく、前向きに捕らえて誇りを持って全力で世界に挑んで来てもらいたい。また、その経験を、次の飛躍の糧としてもらいたい。藤本は補欠で、レースに出場できないかもしれないが、出場できない悔しさをもち、リンクの外から見て自己研鑽に励み、スケート人生の良い経験にしてもらいたい」と語った。
アルバム | 藤本貴大 | 伊藤潤二 | |