山梨学院大学附属高校(古屋忠彦校長)は9月21日、同校で文部科学省スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールの2回目となる全て英語による公開授業を行った。山梨学院附は平成17年度から、研究開発課題に「英語の『型』を習得し、それに基づいて自己表現が自由にできる『自立型学習者 』の育成をねらいとする指導法の研究」に取り組んできた。今回の指定年完了を受けて、指定学年の3年生「総合英語」の授業「英語による調査研究・発表・情報伝達」と2年生「異文化理解」の授業「アメリカ語学研修旅行事前研究 研究発表」の授業を、高等学校・中学校・英語教育関係者ら約100名に公開した。勝村寿子英語科科長は「この3年間で、子どもたちは勉強を積み自立した。課題を自分達で見つけて調査し、分析して教育関係者が見守る中でも臆せず堂々と発表した。昨年に続き指導助言してくださった吉田研作先生(上智大学)も、指定学年は勿論のことそれ以外の学年の子供たちの語学力の伸びにも驚いていた」と、子供たちの成長と教育成果に一定の評価を受け手放しに喜んだ。
スティーブン・ジョーンズ教諭と堀内晃教諭担当の指定学年3年(28名在籍・1名留学中)の「総合英語」の授業「英語による調査研究・発表・情報伝達」では、グループ1『将来の夢の実現に関する調査』(保護者対象アンケート調査)、グループ2『高校生の昼食調査』(高校生対象アンケート調査)、グループ3『マンガ に関する調査』(文献・インターネット調査)、グループ4『世界の平均寿命調査』(文献・インターネット調査)、グループ5『ミネラルウォーター購入調査』(高校生対象アンケート調査)が、それぞれ5分間でプレゼンテーションを行い、聞いているグループは1分間で採点、それをみてプレゼンテーションを行ったグループ は1分間で自己評価を行った。最後に生徒と教師による講評が行われた。
また、指定学年ではない2年生にどのような影響をもたらしているか公開された根岸孝好教諭担当の2年生(38名在籍・2名留学中)「異文化理解」の授業「アメリカ語学研修旅行事前研究 研究発表」では、グループごとに調査・研究した内容を模造紙にまとめて、クラスメートの前で発表が行われた。
勝村寿子英語科科長は「平成17年度に指定されてから英語科のスタッフは、英語の『型』を習得し、それに基づいて自己表現が自由にできる『自立型学習者』の育成をねらいとする指導法を研究開発課題に掲げてきました。指導は、英語の『型』として実践的コミュニケーション能力の基礎・基本を徹底的に身につけさせる『守』の 研究。さらに、身につけた『型』を意識しなくても使えるように、いろいろな場面を想定し、学習者が自ら英語に触れる量や語彙(ごい)を増やし、質を高めるための指導法『破』の研究。これらを、学習者が自ら学び続け、社会性を身につけ、課題を発見し、さらに発表して、生涯学習に向けての意欲関心を持つ「自立型学習者」 になるための指導法『離』の研究を推進してきました。また、実践方法としては、(1)少人数制指導、(2)『アメリカ語学研修』『イングリッシュ・シャワー』『英語俳句教室』『レシテーション大会』『スキット・コンテスト』『弁論大会』等の英語に関する行事の充実。(3)名文を意識した指導。(4)『パソコン・ソフ ト利用によるリスニング』『スピーキング学習』『インタビューによるリスニング』『スピーキング指導』『多読指導』『エッセイ・ライティング指導』の量の確保。(5)ベイシック・ティーチャー制(個別基礎徹底指導)。(6)留学生との相互支援。(7)イングリッシュ・コミュニケーション・ルームの活用を行ってきまし た。今年で3年が経ち完成年を迎え、訳読式から実用的な英語が身につき、子どもたちは自立した。課題を自分達で見つけて調査し、分析して臆せず堂々と発表した。昨年に続き指導助言してくださった吉田研作先生(上智大学)も、指定学年は勿論のこと、それ以外の学年の子供たちの語学力の伸びにも驚いていた」と語った。
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