日本スケー連盟は12月7日、長野県の松本市浅間温泉国際スケートセンターで第38回松本浅間選抜スピードスケート競技会(第1日目)兼2007年/2008年スピードスケートワールドカップ派遣選手選考対象競技会(後半戦)を行った。競技は男子・女子、それぞれ1500mと男子10000m、女 子5000mを行った。山梨学院大学は、女子1500mで十河梓(4年)が優勝、名取英理(4年)が2位となり、1・2フィニッシュは女子創部初の快挙となった。また、男子1500mの平野将紀(4年)は4位に終わった。その他の優勝者は、女子、5000m沖えりか(デタントフレーバー)。男子、1500m金子健太 郎(東洋大学)、10000m若林大季(早稲田大学)となった。明日は、男子女子、それぞれ500m、男子5000m、女子3000mが行われる。
■女子1500m優勝の十河梓(4年)は「高校・大学で初めての優勝が、全日本級の大会でビックリしている。スタートはアウトスタートで加速が思うより悪かった。課題にしている『リズムに乗り大きく滑る』ことを意識して滑り、700メートルでは大分スピードに乗り気持ち良く滑れた。1100メートルは足にき てスケーティングがバラバラになってきたので、崩れないように最善を尽くした。ラスト1周は気力と気迫で滑った。自分の実力以上の力が出せた。名取とは同じ年で良きライバル。ずっと勝てなかった。怪我で泣いてきたが、痛いところのアフターケアの知識が身に付き、怪我とうまく付き合えるようになった。今年の5月は教育 実習で練習ができなく、夏練習では皆について行くのがやっとだっただけに嬉しい。明後日の1000メートルは、今日のレースでスタートから300メートルの間でスピードに乗りきれなかったので、この間でスピードに乗り切れるように心掛け挑みたい」と、満面の笑みで答えた。
■女子1500m2位の名取英理(4年)は「終わって、相手(十河)に勝ちたかったという意欲が湧いてきた。スタートは自分なりにきまって300メートル通過も良かった。700メートルで相手に思った以上に離されたが気持に焦りはなかった。1100メートルで並べると思ったが、離されたままゴールと なった。山梨学院で1位、2位が取れたので良かった。明日は3000メートル、他の選手を気にして焦ることがないように心掛けて、自分の滑りをしたい」と気持ちを切り替え、明日のレースで自分の滑りをすることを誓った。
■男子1500m4位の平野将紀(4年)は「大分スケーティングが良くなってきた。さらに、チェックするところはチェックして完成度を高めたい。特にコーナーでの滑り、そして力を入れなくてもスピードを出せるように努めたい。明後日の1000メートルでは、この課題を強く持って、次の1500メート ルに生かせる滑りに心掛けたい」と、山梨学院男子の第一人者としての風格を漂わせた。
■篠原祐剛コーチは「平野は、今日の滑りは自己ベストが出て良かったが、残り1周でバタバタした。これから平野は、残り1周までを95パーセントで滑り、残り1周を5パーセントで滑り切るペース配分ができれば、記録はまだまだ伸びる」。「十河と名取は同じ組で滑ることになったので、二人には相手のこ とは気にしないでお互い自分の滑りに徹するようにアドバイスした。二人とも引っ張ったり引っ張られたりし、ラスト1周では良く競り合いタイムを上げ、1・2フィニッシュした。明日、名取は3000メートルでトリノオリンピック出場選手と争う。自分のペースで、どのくらいの差で勝つか負けるか試してもらいたい」と述べ た。
■川上隆史監督は「男子1500メートル平野は、前回の北海道のときより順位で8位から4位、タイムで4秒67上回っている。だんだん調子が良くなってきている。最後1周でバテ、4位と表彰台を逃した。しかし、フォームが安定してきているので、これからは自信をもって、思い切った積極的な滑りをする ことに心掛ければ、タイムもまだまだ伸びると思う」。「十河と名取は抽選の結果、最終組で同走(同じ組で滑る)となった。ライバル意識があるので、二人のペース配分が崩れないか不安だったが、二人の持ち味が出た良いレースだった。1000メートルが得意な十河は、前半加速して後半粘る先行逃げ切りのスケーティング。 3000メートルを得意とする名取は前半抑えて後半追い上げるスケーティング。まったく正反対の両選手が激突して、競り合い2分6秒台で1・2フィニッシュした。これは、インカレではあるが、全日本級の大会では初の快挙。明日、名取は3000メートルに出場する。上がり調子なので期待したい」と語った。
■このスケートセンターは、篠原コーチが1994年12月に行われた第7回県高校中学選抜5000メートルで中学大会記録を出し、その栄光が壁に刻まれている縁起の良いリンク。今日は女子1500mで十河と名取の1・2フィニッシュで沸いたが、明日も選手の活躍に期待したい。
●公式順位
■男子1500m
金子健太郎(東洋大学) 1位
平野将紀(4年) 4位
近藤邦彦(2年) 26位
福岡裕也(2年) 35位
■女子1500m
十河梓(4年) 1位
名取英理(4年) 2位
若山有香(3年) 10位
郷亜里沙(2年) 15位
太田未奈美(1年) 17位
白木恵梨(1年) 23位
小野寺志帆(3年) 25位
アルバム | 十河梓 | 名取英理 |
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