日本スケート連盟は12月8日、長野県の松本市浅間温泉国際スケートセンターで第38回松本浅間選抜スピードスケート競技会(第2日目)兼2007年/2008年スピードスケートワールドカップ派遣選手選考対象競技会(後半戦)を行った。競技は男子・女子、それぞれ500mと男子5000m、女子 3000mを行った。山梨学院大学は、女子500mで石田誌保(4年)が2位、3000m 名取英理(4年)が2位となった。優勝者は、女子 5000m辻麻希(岸本医科学研究所)、3000m 石野枝里子(富士急行)。男子、500m 清水宏保(NEC)、5000m 森哲平(山形県体育協会)となった。3000mの表彰台は、1位 石野、2位 名取、3位 菊池彩花(富士急行)と山梨県勢が独占した。明日は男子女子、それぞれ1000m、男子 3000mが行われる。
■女子500m2位の石田誌保(4年)は「1本目は足が動かなく、あわてたレースとなった。2本目は落ち着いて行くことだけを考えて臨んだ。100メートルが何時もより遅く、追う立場になってしまったが、後半加速できたので良いレースとなった。今までは、こうした展開は後半失速することが多かったので自信になった。次へのステップアップ ができたレースとなって嬉しい。明日の1000メートルは、考えすぎないように、自分の滑りに徹して自分の出来ることを精一杯したい」と、今までウィークポイントとされていた後半を克服してトップアスリートを目指して、さらに磨きをかける。
■女子3000m2位の名取英理(4年)は「出足は良かったが、ラスト3周でガックと落ちた。しかし、ラスト2周で巻き返してタイムを挽回できた。1位の石野選手とのタイム差が約6秒と開いたのは不本意。オリンピックにも行っている実力者なので、勝てるとは思っていなかったが、同じ秒数でコンマ争い をしたかった。コーナーでフォームを崩すことや焦ると縦蹴りになることを、練習を積んで改善しなければならない。それに滑り込みをしてスピードもつけたい。2週間後にワールドカップ組が参加する全日本があるが総合8位を目標に頑張りたい。その後は、インカレで優勝できるようにキャプテンとして頑張りたい」と、連戦の 疲れも見せずに意気込みを述べた。
■男子5000m17位の土屋直人(3年)は「前半はリズムに乗りリラックスしてイメージ通りの滑りができた。残り5周でラップが落ちだし、3周でラップが2秒は落ちた。前半が良かった分、自己ベストは出たが後半に落ちる原因を究明しなればならない。はっきりは分からないが、ゴールが見えると無意識に 安堵してしまうのかもしれない。明日の3000メートルでは、ゴールはずっと先にあることを意識して、強い意志を持ちフィニッシュまで気を緩めないように心掛けたい」と目を輝かせた。表彰台を目指し、新鋭の飽く無き挑戦は続く。
■篠原祐剛コーチは「石田はスタートが課題。本来スピードがある選手なので100メートルを10秒台で通過すれば、39秒台が見えてくる。スタート練習をもう少ししっかりしたい。明日の1000メートルは、最近調子が良いので力まずに自分の力を出し切れば必ず良い方向に転がる」。「名取は、自分の力 を出し切った。一緒に滑った選手に残り5周でラップを落として行って相手に先行されたがラスト2周でラップを上げて相手を抜き返してタイムを稼いだ。指示通りにラスト2周を踏ん張ってくれた。全日本ではワールドカップ組と争うので、自分の力を出し切って今何位なのかを知ることが必要。インカレでは3000メートルと 5000メートルの2冠を目指してほしい」。「土屋は、前半から積極的に行っていたので、自己ベストが出たと思う。今波に乗っているので、明日の3000メートルはランキング的にも上なので、優勝を狙って思い切って行ってほしい」と述べた。
■川上隆史監督は「石田は2本目、先週の真駒内で優勝した辻選手と同じ組でスタート。スタートから100メートルを失敗した。そのマイナス面を後半に上手く組み立てて、優勝した辻さんと争い、あわや逆転できるかというところまで追い込んだ。スペシャリストの域に入った。その証拠に、石田は前半飛ばし て後半粘るタイプなのに、前半で遅れても、頑張りと粘りで後半追い込める力がついた。これからまだまだ伸びる。連戦で疲れていると思うが、明日の1000メートルは十河と一緒に頑張って二人で表彰台を目指してほしい」。「名取は、スピードを出し過ぎてストロークが長すぎてリズムを崩し疲労がたまり残り5周でタイムが 落ちた。しかし、ラスト2周で、気持ちの強さと根性で、同組の相手に抜かれたのを抜き返した。非常に地力がついてきた。全日本は500、1500、3000、ファイナルが5000と総合種目の戦いになるので500で差をつけられないように頑張ってファイナルに進出して入賞してもらいたい。インカレはキャプテンとして 、また、学生会トップの選手として3000と5000で優勝し16点を取ってチームの士気を高めてもらい4年ぶりの優勝を奪還してもらいたい」。「土屋はゴールを意識すると余分な力が入り体重移動のリズムが崩れフォームがバラバラになり、持ち味のスピードが落ちる。それでも、自己新記録と調子は悪くないので、明日の 3000はリズムを保ち、スピードを最後まで生かした積極的なレースをしてもらいたい」と語った。
■500mで優勝した清水宏保は「リンクに日蔭と日向があって、氷の硬さが違うので戸惑ったが、リンクレコードが35秒37(第35回浅間選抜=清水宏保)なので、35秒40(1本目36秒05、2本目35秒64)は出したかった。朝は氷が硬かったのでセーブして滑った。ロケットスタートは9秒台と 順調だが、残り400メートルあるので、それにつなげられるかが勝負となる。また、細かいミスが多く出ているので、2週間後にワールドカップ組が出てきてどうなるのか。代表枠5人の中に入るには厳しいので、まだまだ修正しなければならない。先週の真駒内選抜よりコーナーの滑りは良くなっている。明日の1000メートルは前半から飛ばして最後、行けるところまで行く」と、ワールドカップ組を意識した調整が続く。
●公式順位
■男子500m
清水宏保(NEC) 1位
土屋慎吾(2年) 12位
佐々木俊次(1年) 26位
■女子500m
辻麻希(岸本医科学研究所) 1位
石田誌保(4年) 2位
伊藤あさみ(2年) 13位
■男子5000m
森哲平(山形県体育協会) 1位
土屋直人(3年) 17位
襲田衡俊(1年) 27位
高橋丈博(4年) 31位
■女子3000m
石野枝里子(富士急行) 1位
名取英理(4年) 2位
若山有香(3年) 12位
白木恵梨(1年) 15位
太田未美奈(3年) 17位
小野寺志帆(3年) 25位
アルバム | 石田誌保 | 名取英理 | |