関東学生陸上競技連盟主催、読売新聞社共催は1月3日、箱根・芦ノ湖駐車場前から東京・大手町読売新聞社前までの5区間109.9kmで、第84回東京箱根間往復大学駅伝競走の復路を行った。前日の往路3位の山梨学院大学は、1位の早稲田大学、2位の駒澤大学のあと6区の中満勇太が8時01分59秒にスタート。15位の法政大学までが時間差でスタートしたあと、16位以降のチームが一斉にスタートした。22年連続22回出場の山梨学院(優勝 3回、準優勝5回)は、6区 中満勇太、7区 飯塚伸彦、8区 栗原圭太、9区 宮城真人、10区 中川剛と粘り強くつなぎ復路を14位とし、総合6位でシード権を2年ぶりに獲得した。総合優勝は駒沢大学が9区で早稲田大学を逆転し、3年ぶり6度目の総合優勝と復路優勝を果たしたシード権は優勝の駒澤大学、2位の早稲田大学、3位の中央学院大学、4位の関東学連選抜、5位の亜細亜大学、6位の山梨学院大学、7位の中央大学、8位の帝京大学、9位の日本大学、10位の東洋大学までが獲得した。超戦国駅伝を物語るように順天堂大学・大東文化大学・東海大学と史上初めて3校がリタイアとなった。
■山梨学院は復路(5区間109.9km)を、6区 中満勇太(4年・小林)、7区 飯塚伸彦(4年・東農大二)、8区 栗原圭太(4年・世羅)、9区 宮城真人(3年・開新)、10区 中川剛(2年・豊岡南)で臨んだ。
☆6区 中満 勇太(4年・小林)【14位】01:01:24【4位】06:36:31
20.8km[箱根・芦ノ湖駐車場前から鈴廣前]
▲6区の中満は、1位の早稲田大、2位の駒澤大あと6区の中満勇太が8時01分59秒にスタートした。村松は「『監督から逃げるのでなくて追うことを考えて走れ』と言われていたので前を意識して走ることに心掛けた」。5キロ付近のフラワーセンター正門まで登りとなる。「前傾姿勢で走るように注意して走った」。追いつかれた 関東学連と8.9 km地点の小涌園を並走して通過。「監督の『相手は区間賞の勢いで飛ばしている』という情報で、自重して深追いしなかった」と、13.3 km地点の大平台では6秒先を行かれた。中満は徐徐にペースを上げ16.9 km地点の函嶺洞門を通過していく。ラスト「1キロを前と良い位置で渡そう」と力を振り絞って、小田原中継所で待つ7区の飯塚伸彦(4年・東農大二)に4位で襷を手渡した。
■1位 早稲田大学、2位 駒澤大学、3位 関東学連選抜、4位 山梨学院大学、5位 中央学院大学、6位 東海大学、7位 日本大学、8位 中央大学、9位 亜細亜大学、10位 大東文化大学
☆7区 飯塚伸彦(4年・東農大二)区間新【9位】01:05:58【4位】07:42:29
21.3km[鈴廣前から花水レストハウス前]
▲7区の飯塚は「中満から前が見える位置で襷が来たのでやるしかない」とスタートした。最初の1kmを「無理をせずにリラックスして入った」。5km付近酒匂橋を「設定通りの走り」で通過。残り9.5km付近の二宮は「上りできつかったがリラックスして走りパスできた」。11km付近で東海大が迫ってきた「監督から東海大学がくることは言われていたので驚かなかった 」と、冷静に自分の走りに徹する。残り5kmで「『監督から自信を持って行け』と激励されて前へ攻めた」。「残り2キロで学連選抜が見えたので頑張って走り抜き去った」「自分の仕事ができた」と4位に順位を戻し、平塚中継所で待つ8区の栗原圭太(4年・世羅)に「勢いづけるために、笑顔で」襷を手渡した。
■1位 早稲田大学、2位 駒澤大学、3位 東海大学、4位 山梨学院大学、5位 関東学連選抜、6位 中央学院大学、7位 亜細亜大学、8位 帝京大学、9位 日本大学、10位 中央大学
☆8区 栗原圭太(4年・世羅)【6位】01:06:57【4位】08:49:26
[花水レストハウス前からボルボ・カーズ戸塚前]
▲8区の栗原は「6区と7区が良い流れで来たので確り襷をつなごうと思い」スタートした。1kmの入りは「設定通り走れた」。「3キロまではウオーミングアップ気味で走り、中盤粘っていこうと走った」。6.7茅ケ崎で「学連選抜に抜かれたが、しっかり付いて行った」。藤沢で「東海大学が前に見えてきたので学連選抜とともに追い抜き去った」と、ともに3位に浮上した。16kmの遊行寺の「坂で学連選抜に引き離された」。残り2キロは「少しでも速いタイムで渡したいと思い必至で走った」と、攻めの走りに徹し4位を死守して、戸塚中継所で待つ9区の宮城真人(3年・開新)に襷を手渡した。
■1位 早稲田大学、2位 駒澤大学、3位 関東学連選抜、4位 山梨学院大学、5位 東海大学、6位 中央学院大学、7位 亜細亜大学、8位 帝京大学、9位 中央大学、10位 東洋大学
☆9区 宮城真人(3年・開新)【12位】01:12:12【5位】10:01:38
23.2km[ボルボ・カーズ戸塚前から鶴見市場交番前]
▲9区の宮城は「前に学連がいたので確り追いかけようと思い」スタートした。「入りは、落ち着いてゆっくりと走った」。2km付近で「学連を捕まえて前に出た」と3位に浮上した。その後「学連と競り合いながら、並走して走った」。7.8km付近の権太坂では「リズムよくうまく登って、リズムよくうまく下りた 」と快走。14.7 km付近の横浜駅前ぐらいで「足が重くなった」とペースが落ちる。20.2 km付近の生麦では学連に30秒ほど差を空けられた。「目標タイムより余分に時間がかかったが必死で走った」と鶴見中継所で待つアンカー10区の中川剛(2年・豊岡南)に襷を託した。
■1位 早稲田大学、2位 駒澤大学、3位 関東学連選抜、4位 山梨学院大学、5位 東海大学、6位 中央学院大学、7位 亜細亜大学、8位 帝京大学、9位 中央大学、10位 東洋大学
☆ 10区 中川剛(2年・豊岡南)【15位】01:13:22 【6位】11:15:00
23.1km[鶴見市場交番前から東京・大手町読売新聞社前]
▲アンカーの中川は「自分がチームの襷をゴールまで責任を持って運ぶ」と言い聞かせてスタートした。1kmで『3分2秒』と時計を確認。順調な走り。5.9 km付近の蒲田を過ぎ、10km過ぎに亜細亜大に抜かれたが「猛追する気持ちを抑えて、自分のリズムを崩さないように心掛けて走った」。新八ツ山橋13.3 km付近では亜細亜大に20秒先を行かれたが、追ってくる東海大との差は保っている。15kmの「給水を取り、2キロ走ったところで、軽い脱水症状」に見舞われた。「意識が少し朦朧としてきたが、チームの皆が待っている」とリズムを崩さず手と足を動かせた。18km付近の御成門では「襷は確り持って帰ることだ けを考えて走った」追ってくる東海大との差を10秒広げる力走。「20キロ過ぎには体調も戻った」と、馬場先門ではさらに東海大との差を10秒広げる好走。その後の中央大とは1分45分差。残り3km「仲間の顔を思い浮かべて、来年の箱根につながる走りに心掛け走った」と力走を続け、仲間が待つ大手町のゴールに傾れ込んだ。山梨学院は往路3位、復路14位、総合6位として、シード権を2年ぶりに獲得した。
【往路成績】
1位 駒澤大学、2位 早稲田大学 、3位 中央学院大学、4位 関東学連選抜 、5位 亜細亜大学、6位 山梨学院大学、7位 中央大学、8位 帝京大学、9位 日本大学、10位 東洋大学、11位 城西大学、12位 日本体育大学 、13位 国士舘大学、14位 専修大学、15位 神奈川大学、16位 法政大学、17位・東京農業大学、東海大学、大東文化大学、順天堂大学
■飯島理彰コーチは「復路の戦いは、監督との話し合いで選手が自分の力を過信せずに攻めの駅伝をすることに心掛けさせた。目標は9位だったので合格点だと思う。今回の駅伝では、箱根を制するためには何が必要か、改めて教えられた。自我・敵・自然・工作物など、対策を練り選手に対応させることが必要だ とつくづく痛感した」と述べた。
■上田誠仁監督は「復路の選手も良く戦ってくれた。前回12位で、今回の駅伝は前回忘れた忘れ物を取り戻しにきたレースだった。当初の目的は達成できた。しかし、シード権という忘れ物は6位で取り戻せたが、まだ上に5チームある忘れ物が残った。来年は核となる経験者が何人か残る。個人の力強さを求め て、チームの力強さを付けたい」と、静かに闘志を覗かせて語った。
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