日本学生氷上競技連盟・苫小牧市は1月8日、北海道の苫小牧市ハイランドスポーツセンター屋外リンクで第80回日本学生永上競技選手権大会(最終日)を行った。女子スピード部門競技で山梨学院大学は、学校対抗で2位の信州大学に7得点差をつけ最終日を迎えた。2000mリレー(伊藤あさみ、十河梓、郷里沙 、石田誌保)で大会新記録をマークし信州大学についで2位、チームパシュートレース(十河梓、名取英理、若山有香)では日本体育大学、信州大学についで3位と得点を確実に重ね、62点で5年連続5回目の優勝を目指した信州大学を3点離し、5年ぶり3回目の優勝を果たした。その上、スピードスケート部門競技とフィギュ アスケート部門競技の得点を合算して決定される総合優勝を、早稲田大学、関西大学とともに同得点で獲得し『寛仁親王妃牌』(3回目)に輝いた。
■スピード部門競技女子第3日目は、2000mリレー(500m×4名)とチームパシュートレース(3名)で争われた。競技は午前9時25分、天気・曇り、風速・0.0、気温・−4.0、氷温−9.1、湿度57.0のコンディションで開始された。
山梨学院は、2000mリレー 伊藤あさみ(2年・北海道池田)、十河梓(2年・北海道池田)、郷亜里沙(2年・白樺学園)、石田誌保(4年・北海道池田)。チームパシュートレース 十河梓(2年・北海道池田)、名取英理(4年・東海大学附属第三)、若山有香(3年・北海道池田)が出場した。
▲2000mリレー。山梨学院大の第1滑走者 伊藤あさみは「山梨学院大学頑張るぞ」と右手を高く上空に突き上げた。400mリンクのあちらこちらから「オ―」と鬨(とき)の声が上がる。伊藤は「信大に差をつける」と自分に言い聞かせスタートした。「スピードも乗っていたし、思う滑りができた」と力走するが 信州大にリードされ、第2滑走者の十河梓にバトンリレー、十河は「ミスをしないように」と、前を行く信州大を追った。「前のちょうど良い所に信大がいたので追いつき抜いた」と、第3滑走者の郷亜里沙(2年・白樺学園)にリレー、郷は「後ろから信大が来るのが分かっていたので抜かれまいと思い滑走した 」と、信州大と同時にアンカーの石田誌保(4年・北海道池田)にバトンを託した。石田は「ほぼ同時にバトンタッチだったので、500メートルのアンカー勝負と思った」と、バトンを受け取り「滑りのことは考えずに相手チームに勝つことだけを考えて全力で滑った」と、競り合いともに大会新記録の大接戦を演じたが最後の最後に離され信州大に優勝を浚われ2位となった。
■2000mリレー順位
1位 信州大学(松尾佳枝、小野寺未夏、住吉都、小平奈緒)02分43秒12
2位 山梨学院大学(伊藤、十河、郷、石田)02分43秒64
3位 日本体育大学(岡島由香、椙浦花梨子、武井陽子、黒澤文恵)02分48秒24
4位 東京女子体育大学(千葉悠、久保田美里、中村奈緒美、加藤未香)02分54秒10
5位 大東文化大学(谷戸仁美、黒岩由紀乃、細田望、太田淑恵)03分00秒49
■女子学校別得点(暫定)
1位 山梨学院大学【59点】、2位 信州大学【54点】、3位 日本体育大学【43点】、4位 大東文化大学【3点】、5位 東京女子大学【1点】
&nb sp;
▲チームパシュートレースは、6周を3人1組で最後尾の選手のタイムで争われた。山梨学院は、1周目は先頭に十河梓、名取英理、若山有香で、2周目は名取英理、若山有香、十河梓、3周目は若山有香、十河梓、名取英理と、1周ごとに入れ替わり6周し03分22秒22で、リンクレコードを出した日本体育大学、信州大学に敗れて3位となった。
■チームパシュートレース順位
1位 日本体育大学(藤村祥子、川崎みなみ、小松美樹) 03分17秒91、2位 信州大学(小野寺未夏、小平奈緒、住吉都)03分20秒75、3位 山梨学院大学(十河、名取、若山)03分22秒22、4位 早稲田大学(鵜澤真理子、川田恵、酒井裕唯)03分40秒22、4位 大東文化大学(太田淑恵、細田望、谷戸仁美)03分40秒45、5位 東京女子体育大学(加藤未香、気賀澤美優、中村奈緒美)03分52秒72
■学校対抗(最終順位)
1位 山梨学院大学【62点】、2位 信州大学【59点】、3位 日本体育大学【50点】、4位 大東文化大学【3点】、5位 早稲田大学【1点】、6位 東京女子大学【1点】、7位 慶応義塾大学【0点】、8位 筑波大学【0点】
※ 同点数の場合は種目別順位による。
■名取英理主将は「学校対抗で優勝できたのは嬉しいが、個人的には種目優勝できなかったので悔いが残る大会だった。後輩には、練習を積み私たちには達成できなかった種目優勝を多くして、2連覇を達成してもらいたい」と謙虚に述べた。
■和田貴志スピードスケートコーチは「リレーはバトンリレーもスムーズに行き、イージーミスもなく良かったが、出来れば石田の前に貯金がほしかった。しかし全員が力を出し切り大会新記録をマークしての2位は立派。チームパシュートレースも、全員全力を出し切って良く戦ってくれた。ただ、十河が昨日の 1500メートル優勝、そして今日のリレー出場の後でも若山をフォローしてチームのために良く滑走してくれたが、最後疲労で踏ん張りきれなかった。今大会、十河の優勝1つで、石田と名取は十分に優勝できる力がありながら優勝できなかった。このことは残念に思うが、その分3年生の伊藤、郷、若山が得点し穴を埋めてくれた。チームが一丸となっての勝利だった。来年、エースの3人(石田・十河・名取)が卒業し、信州大と日体大と熾烈な戦いになると思うので、3年生以下は確り練習をして力をつけ2連覇を目指してほしい」と述べた。
■川上隆史監督は「昨日2位の信州大学に7点の差を付けたので、安全策で失格にならないようにと思っていたが、皆の気持ちが燃えて積極的に勝負に出た。石田の前に100メートルリードしようと目論んでいたが、それができずに負けた。しかし、勝負に出て大会新記録での2位なので素晴らしいレースだった 。これが、皆に伝わり気持ちがさらに一つになって、チームパシュートレースも頑張ってくれた。ショートの選手も応援してくれて、スケート部全員が一つになって62点を挙げて、信州大学の5年連続5回目の優勝を阻止して、5年ぶり3回目の優勝を果たしてくれた。その上に、スピードスケート部門競技とフィギュアスケート 部門競技の得点を合算して決定される総合優勝を、早稲田大学、関西大学とともに同得点で獲得し『寛仁親王妃牌』(3回目)に輝いたことは最高の喜び」と選手を讃えた。
アルバム | リレー | チームパシュート | 表彰式 |
|