NPO法人産学連携教育日本フォーラム(斎藤敬子代表理事)は3月29日、甲府市の山梨学院大学広報スタジオで経済産業省アジア人財資金構想インターンシップ成果報告会を行った。山梨学院大学生3名と山梨大学生4名が日本アイ・ビー・エム株式会社、日産自動車株式会社、株式会社エスアールエル、などでインターンシップした成果を報告した。これは経済産業省関東経済産業局が、NPO法人産学連携教育日本フォーラムに事業委託して、日本が優秀な人材の世界的流入拠点となることを目指し、日本で就職を希望し、能力や意欲の高いアジア等からの留学生を対象に 、日本語能力やビジネススキルを磨くための講座・インターンシップ・就職支援等のプログラムを提供している。発表を終えた山梨学院大学3年の張義強(ちょうぎきょう・中国)さんは「インターンシップを通じて、日本人は仕事に対しての意識と情熱が中国人より高い。自分の足りない部分も分かり、良い刺激を受けた。卒業後、帰国して日本企業の現地法人に就職したいので、来年度最後となる2年目のプログラムには課題と向上心を持って取り組みたい」と目を輝かせていた。平成19年度の参加大学は、両校の外に経済産業省関東経済産業局管轄の早稲田大学、慶応義塾大学、横浜国立大学、埼玉大学、千葉大学、新潟大学など17大学となっている。
■山梨大学大学院教科教育専攻国語教育専攻2年の華礼嫻(かんれいかん・中国・山梨学院大卒)さんは「私は株式会社漢和塾でインターンシップを行った。インターンシップ前は、中国に帰り日本語の教師になろうと思っていた。また、日本に残り中国語の教師になろうと思っていた。しかし、インターンシップを通じて、日本企業に就職しても自分の語学能力を生かすことができるのだということを知った。しかし、ビジネスにおける日本語は柔軟で、通常の日本語とは大きな違いがあることに気づいた。例えば場面によって、単刀直入に表現したり、相手を思いやる表現だったり、敬った表現だったり、大きく違ってくる。非常に難しいことを勉強した」と述べた。
■山梨学院大学国際交流センター副主幹の雨宮敏弘さんは「このプログラムに参加することにより大学は、1)留学生の人財としてのスキルを高め、日本企業への就職先が確保できる。2)日本人企業の外国人ホワイトカラー労働者不足解消への貢献。3)社会的使命をはたすことで、大学の評価が高まるというメリットがあると考え、今日は3名の出席だが5名を参加させている。少人数でより実践的プログラムを行ってもらい、留学生が着実に成長していることを実感している。折り返し地点では大変満足している。来年も積極的にしっかり学び、それぞれが満足する結果を出してもらいたい」と述べた。
■NPO法人産学連携教育日本フォーラムのインターンシップ管理の藤浪規子さんは「今年10月からスタートした。ここに参加している留学生は、講義とインターンシップを織り交ぜたハイブリットなプログラムで人財としてのスキルを高めている。また、もともと日本語レベルが高く、学業成績が優秀で、日本企業への就職意志があり、全プログラムをやりとおす意欲と環境がある。この1年で留学生は、講義やロールプレイで仕事の進め方や人材育成の考え方などを学んだ。また、インターンシップでは日本企業を肌で感じて、ビジネススキルを学んだと思う。2年目の来年度は、例えば『東アジア進出企業の海外戦略』とか『自国を売り込むツアー企画』などのテーマで、5月からグループ学習のテーマプロジェクトで進めていく予定。1年間で22回の講義を予定している。さらに日本企業の理解やビジネス日本語のレベルをブラッシュアップして、優秀な人財としたい」と語った。
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