日本水泳連盟(林利博会長)は4月15日、東京辰巳国際水泳場において第84回日本選手権水泳競技大会競泳競技兼第29回オリンピック競技大会代表選手選考会を開催した。第1日目は100mの女子バタフライ、男子背泳ぎ、男子平泳ぎの予選と準決勝、男女400mの個人メドレーと自由形の予選と決勝が行われた。女子100mバタフライに出場した山梨学院注目の北京プレオリンピック優勝の加藤ゆか(4年)は、予選59秒86の3位、準決勝59秒69の3位となり決勝に進出した。加藤は「決勝まで3本ある。1本1本課題を持って臨んだ。まだ泳ぎに余裕がある」と、神田忠彦監督は「予選と準決勝で頑張っても、決勝でださなくては意味がない」と、明日の決勝に標準を合わせた泳ぎを強調。明日の決勝に加藤は「周りを見ずにアジア記録をだして優勝したい」と、静かにモチベーションを高めていた。加藤は、準決勝5位通過の後輩の松下絵里奈(1年)と共に初の五輪出場の切符を目指して戦う。女子400m個人メドレー決勝に進出した坂井菜穂子(2年)は、自己ベストを上回る4分46秒10で5位となった。
開催期間は4月15日から20日までに、自由形(50m・100m・200m・400m男女、800m女子、1500m男子)。背泳ぎ(100m・200m男女)。平泳ぎ(100m・200m男女)。バタフライ(100m・200m男女)。個人メドレー(200m・400m男女)が行われ、北京オ リンピックの代表選手の決定は、決勝において2位以内で派遣標準記録を突破するか同タイムで選考される。
■女子100mバタフライ予選
▲山梨学院注目の北京プレオリンピック優勝の加藤ゆか(4年)は、2007ユニバーシアード代表の飯窪麻未(3年)と女子100mバタフライ予選の6組に出場した。ともに0秒73のスタート、飯窪が50mを28秒36で1位、加藤は28秒69の4位で折り返す。加藤は「前半抑えて後半追い込む練習どおりの泳ぎができた」というように、6組1位の59秒86の予選3位で通過した。飯窪は6組5位の1分01秒06の予選10位で通過した。5組3コースに出場した松下絵里奈(1年)は、0秒78のスタート、50mを28秒62で3位、5組2位の1分00秒46の予選5位で通過した。加藤は2選手とともに準決勝に進出した。
▲加藤ゆかは(4年)は「昨日まで、よく眠れなかった。今日は朝食も取れないくらい緊張した。レースは前半ゆっくり流し、後半はしっかり泳いだ。予選の設定タイムは1分00秒だったが、後半タイムが思う以上に伸びて59秒86だった。練習の成果が出たレースだった。これで、緊張感が取れたので準決勝は頑張りたい」と述べた。
▲神田忠彦監督は「加藤は練習どおりの泳ぎができた。この分で行くとアジア記録が狙える」と、順調な泳ぎに笑みを浮かべていた。
■女子100mバタフライ準決勝
▲女子100mバタフライ準決勝が行われた。山梨学院は、1組2コースに2007ユニバーシアード代表の飯窪麻未(3年)が出場。0秒77のスタート、50mを28秒40の2位で折り返し、1分01秒03でゴールインし1組6位で準決勝11位となり決勝進出を逃した。
▲2組には、北京プレオリンピック優勝の加藤ゆか(4年)が5コース、予選5位通過の松下絵里奈(1年)が3コースで出場。加藤は0秒74のスタート、50mを27秒48の1位通過で折り返すと、「後半は周りを見て泳いだ」と調整した泳ぎで59秒69の2組2位となり準決勝3位。松下は、0秒77のスタート、50mを28秒43の5位で 折り返すと、後半追い上げて1分00秒49とし2組3位の準決勝5位となった。この結果、明日の決勝では加藤3コース、松下2コースのスタートとなった。
▲加藤ゆかは(4年)は「今回のレースは3本泳ぐので、1本1本テーマを持ってレースをしている。2本目は後半周りを見て泳いだ。明日は、まだ余裕があるので周りを見ないで泳ぎアジア記録を目指して優勝したい」と、モチベーションを高めていた。
▲神田忠彦監督は「予選、準決勝でいくら良い記録を出しても決勝で出せなければ何もならない。加藤には、1本目(予選)はターンの練習を、2本目(準決勝)は前半ちょっとだけスピードをあげさせ、後半は3位ぐらいを狙わせて泳がせた。明日は、アジア記録を狙わせて優勝をさせたい」と、自信を覗かせた 。(H.K)
アルバム | 加藤 | 坂井 | |