山梨県高校野球連盟は4月29日、小瀬球場で第60回春季関東高校野球大会山梨県予選(第8日目)準々決勝4試合を行った。小瀬球場の第1試合は山梨学院大学附属高校 対 城西高校戦が行われた。山梨学院は、1点先取された4回裏、先頭打者の3番・保延優馬(3年)が死球で出塁、一死二塁で4番・高野隼(3年)の内野ゴロが敵失を誘い、その間に3番・保延が一気に本塁を突きノーヒットで同点とした。6回裏、二死後に5番・内田健斗(3年)が左安打で出塁すると、6番・高野の初球に盗塁。6番・高野のフルカウントから左前適時打で2対1と逆転した。山梨学院は、7回表に同点とされた9回裏の二死後、8番・深澤晃一(3年)が内野手の 敵失で出塁した7番・山田を一塁に置き、2-2から左中間へサヨウナラ打を放った。守っては、公式戦初先発の新留拓馬(2年)が初回1点と7回1点に抑え、8回からリリーフした山田祐也(2年)が0点に抑え失点を2点とした。山梨学院は、3対2で城西に競り勝ち準決勝に駒を進めるとともに、地元山梨県で来月開催される関東大会への出場権を 獲得した。
▲1回表、山梨学院のマウンドには「今日の朝、監督から先発を言われました」と、公式戦発先発の新留拓馬(2年)が上がった。「立ち上がり硬くなった」と、先頭打者を一塁飛に打ち取った後にストレートの四球、3番打者に右前安打され一・二塁に、続く4番打者に左前安打され満塁とされ、5番打者に右犠飛を打たれ 先取点を奪われた。新留は2回以降3安打散発で0点に抑え6回裏に味方が1点追加し2対1とし、向かえた7回表の二死後、9番打者の遊撃への内野安打、続く1番打者の左中間への安打、2番に四球を与え満塁とし、3番打者に中前適時打で同点にされたが失点2に抑えた。
▲8回表、マウンドに山田祐也(3年)が上がった。「嘘のように、昨日からの体に痛みはなかった」。5番打者に中前に運ばれ無死一塁。犠打で二塁に進塁され、続く8番打者を内野ゴロに打ち取り二死にしたが、8番打者に右前安打され一・三塁とされた。山田は続く9番打者を三振に打ち取り0点とした。9回表一死後 、内野の失策で二塁に出塁されると、3番打者を内野フライに打ち取り、4番打者を136キロで三振に打ち取りサヨウナラの御膳立てをした。
■先発した新留拓馬(2年)は「今日の朝、先発を告げられた。公式戦デビュー戦だったのですごく緊張した。3回以降から自分を取り戻せて集中力ができた。三井翔(3年・捕手)さんの言うとおりにしていれば抑えられると思い指示どおりに投げた。気持ちで負けないように心掛けた。チームに貢献できて嬉しい」と、 安堵の表情を浮かべて述べた。
■8回からリリーフした投手・山田祐也(2年)は「昨日は疲れが残っていたが、試合になったら疲れはなくなった。むしろ、自然に体が動き自己最速の136キロをマークできた。9回の裏に走ったのは、バッテリーがノーマークだったから、2塁を狙い、得点圏内に行こうと走った。深澤先輩が上手く打ってくれたので一気にホーム を突いた。嬉しかった。富士学には1年生大会で負けているので、自分のピッチングをして関東につながる試合をしたい。関東では一つでも多く勝って山梨学院の伝統をつくりたい」と、瞳を輝かせて答えた。
■サヨナラ打を放った9番・深澤晃一(3年)は「2アウト、ランナーが一塁だったので、ランナーを二塁に進め次のバッターに、つなぐバッティングを心掛けて打席に入った。2-2、後がなかったのでストライクがきたら打とうと思っていた。山田が走るのが見えたので強振した。ベンチが盛り上がっていたので、後押しされた。チーム一丸の勝利。嬉しいです」と、やや緊張した面持ちで答えた。
■長崎治朗主将(3年)は「接戦の試合に勝てて嬉しい。サヨナラを決めた深澤は良く練習している。練習をする人が結果を出す。監督はアマチュアの最高峰を極めた人。『頭を冷静にして配給を読め』など、一言、一言が重い。新体制になって色々あったがチーム一丸となって頑張った。これで、関東大会に出場 できるので、秋の関東大会で負けた聖望学園と戦いリベンジしたい。また、一戦一戦、戦い夏に向けての経験を積みたい」と、笑顔で述べた。
■須田喜照監督は「今日は、山田に多少の疲れがあったので、練習試合で好投していた新留を先発させた。新留は1回、硬さから一死満塁となったが、良く犠牲フライの1点に抑えた。2回以降は自分のピッチングをしてくれた。7回同点とされたので、8回から山田を投入した。山田は136キロで中心バッターから三振を奪った。そうとう気持ちが入っていた。9回の攻撃はノーサイン、良く山田が走り、深澤が打ってくれた。野手に後半ミスが出たので、次の試合まで修正して臨みたい。関東大会のことは、まだ県大会の試合があるので考えていない。今日、 勝ったことは自信になったと思う。今日の勝利は、うちが勝ちたいという気持ちが相手より少し上回っていたのかな」と、接戦を振り返った。(H.K)
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