山梨県高校野球連盟は5月3日、小瀬球場で第60回春季関東高校野球大会山梨県予選(第9日目)準決勝2試合を行った。小瀬球場の第1試合は山梨学院大学附属高校 対 富士学苑高校戦が行われた。山梨学院は、1回裏、主将で1番・長崎治朗(3年)の三塁安打で出塁すると、2番・三井翔(3年)の犠打で一死二塁とし、4番・保延優馬(3年)の中前安打で1番・長崎が生還し先制した。4回裏二死、セーフティーバントで出塁した9番・長澤蓮を一塁に置き1番・長崎の左フェンスに直撃する適時二塁打で2対0、続く2番・三井の右中間への適時二塁打で3対0、3番・土屋寛人(3年)の左前適時打で4対0とした。6回裏一死、セー フティーバントで8番・深沢晃一(3年)が出塁すると、9番・長澤の犠打で二死二塁にし、1番・長崎の中越え適時二塁打で5対0と試合を決めた。守っては左腕・新留拓馬(2年)が、2安打完封の期待がかかった9回表の一死後、2番打者の右線を破る二塁打、続く3番打者の内野ゴロで二死三塁とされ、4番打者に中前適時打を浴び完封を逃したものの完投した。第一シードの山梨学院は主将・長崎の4打数3安打2打点 左腕・新留4安打完投などの活躍で、5対1で富士学を破り決勝に進出した。
1回表、山梨学院のマウンドには前回公式戦初先発で好投した左腕・新留拓馬(2年)が立っていた。新留は1回表・2回表・3回表と3者凡退に打ち取る。4回表には、先頭1番打者に死球を与えたが、続く2番打者を内野ゴロでアウト。3番打者に初安打を許し一塁・二塁とされたが、続く4番を内野フライに打ち取り 2アウトとした。新留は二塁ランナーの5番打者の2-0の3球目に進塁を試みられるが、捕手の三井翔(3年)の三塁送球タッチアウトに助けられ無失点。すると、新留はリズムを取り戻し、5回表・6回表を3者凡退、7回表一死後にセーフティーバントで出塁されるが後続を打ち取った。8回にも二死後、四球与えるものの、続く打者を中飛に打ち取った。新 留は2安打完封の期待がかかった9回表の一死後、2番打者の右線を破る二塁打、続く3番打者の内野ゴロで二死三塁とされ、4番打者に中前適時打を浴び5対1とされた。
■4安打完投した新留拓馬(2年)は「チームは富士学に1年生大会で負けていたので勝てて嬉しい。今日は最後まで集中力が切れなくて良かった。今は三井先輩のサインどおりにストレートを主体でカーブを織り交ぜて精一杯投げている。今日はストレートが走っていた。相手が初球を狙ってきていたので助かった。走り込みをしているので崩れない自信がある。今は監督にスライダーを教えてもらっている。これからも、走り込みを続けて落ちる球も覚えたい」と、意欲的に述べた。
■4打数3安打2打点の長崎治朗主将(3年)は「今日は、自分たちの試合運びで戦えたのが勝因。昨日から先頭打者として出塁することを考えていた。どんな形であれ(サードへの内野安打)出塁でき、皆に流れを与えられたと思う。4回裏のレフトオーバーは外野手の構えから取られたと思ったが頭を越えて(フェンス直撃)2塁打になりチームに追加点を取れて良かった。決勝戦では泥臭い野球をして優勝を目指したい」と、満足げな表情で述べた。
■須田喜照監督は「新留には、試合前にキャッチを見て思い切り投げろと指示した。7回・8回・9回で山が来ると、山田との継投を考えていたが、案外とスイスイときた。相手が簡単に打ちに来てくれたので、気持ちが楽になり投げられたと思う。新留は四死球が少ないのでゲームをつくりやすい投手。完封は逃したが、完投したことでまた自信になったと思う。これで、保延投手、山田投手とともにチームにとっては大きな力となる。攻めては、初回に先取点を奪い、流れを引き寄せられたと思う。6回、5点リードした時点でいけるかなと思った。決勝戦も相手に関係なくうちの野球をするだけ。戦う限り優勝を目指して頑張りたい」と、 試合を振り返るとともに決意を新たに語った。(H.K)
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