関東学生ソフトボール連盟は5月5日、第3回関東学生ソフトボール春季リーグ戦の初戦を埼玉県内の3会場で開催した。この春に強化育成クラブとして産声をあげた山梨学院大学女子ソフトボール部RED SWANSは鶴ヶ島市運動公園グランドで行われた女子3部リーグに出場、埼玉大と茨城大との二試合に臨んだ。21人の部員は全員が1年生、全国から結集した精鋭は真新しいユニホームの袖に手を通し、グランド一杯に躍動した。初の公式戦となった埼玉大戦は序盤硬さが見られたが、打順が一巡した4回表に一気に6点を奪い12対1(6回コールド)。続く第二戦の茨城大戦でも11対0(5回コールド)と二試合共に大勝して初陣を飾った。山学大は明日予定の2回戦にも勝って、今月11日に行われる入れ替え戦で2部リーグへの昇格を目指す。また、“BEAT”『Belief=自分・仲間・チームを「信じる」、Execution=やるべきことを「実行する」、Aggressiveness=相手や状況に合わせず「積極的である」、Thoroughness =中途半端に終わらず「やり通す」』をスローガンに掲げ、創部1年目で5月中旬に行われる大学選手権関東予選でベスト4に入り大学選手権で過去に前例のない1年生だけの優勝を狙い、チャンピオンチームを目指す。
デビュー戦の力みからか、第一戦の山学大は立ち上がり硬さが目立った。埼玉大の先発嶋村真衣の軟投を打ちあぐねてフライの山を築き、3回裏には先取点を奪われる。しかし、打順が一巡した4回表に、この回の先頭3番キャプテンの市川奈那美(静岡 常葉菊川高)が俊足を生かしたセーフティーバンドで出塁したのを足掛かりに0アウト満塁と攻め上げて嶋村を引きずりおろし、リリーフした埼玉大のエース児玉みゆきの速球を6番清水希望美(群馬 高崎健康福祉大高崎高)がセンター前にはじき返して同点。これで打線に火が付き、この回一気に6点を上げて試合を決めた。先発した森藤真以(静岡 飛龍高)は1点を与えたものの完投、チームは初勝利をあげた。
続いて行われた第二戦の茨城大戦は、渡辺由美(山形 天童高)が先発、ベンチ入りしたほぼ全員が出場。固さのとれた選手たちは、はつらつとしたプレーで11対0(5回コールド)と二試合とも大勝した。
指揮を執るのは、昨年まで日本ソフトボール協会強化本部委員を務め、昨年世界ジュニア選手権で準優勝した全日本女子U−19日本代表コーチの清水正氏、清水正監督は「創部1年目の今年の目標は、大学選手権に出場すること。5月24日25日に千葉県で開かれる関東予選でベスト4に入れば出場できる、もし出場出来たら過去に前例がない1年生だけの優勝を狙う」と話し、「このチームに入りたいと思われるチャンピオンチームを目指し、トップリーグで活躍する選手や日本を代表する選手を輩出したい」と抱負を語った。
市川奈那美主将は「一試合目の入りは緊張があって固くなってしまった。試合の途中から声がでるようになった、学ぶ試合になった。笑顔だといいプレーが出てくるので、全員で声を出し笑顔でプレーしていきたい」とデビュー戦の教訓を笑顔で振り返った。
今秋には公式戦仕様の女子ソフト部専用球場が完成する予定。内野は透水性の高い土を使用し、外野は人工芝、バックネット裏には150人が観戦できるスタンドを備え、外野周りからも観覧できる設計。隣接してミーティングルーム・トレーニングルームなどを完備したクラブハウスと人工芝の雨天練習場が設けられ、恵まれた環境が整う。 “世界を見据えたチャンピオンチーム”を目指す山梨学院大学女子ソフトボール部21人の第1期生は、その第一歩を二連勝で踏み出し、熱き “BEAT” で走り始めた。(M.I)
アルバム | 埼玉大 | 茨城大戦 | |