全日本学生柔道連盟と関東学生柔道連盟は5月18日、埼玉県上尾市の県立武道館で平成20年度関東学生柔道優勝大会・関東学生女子柔道優勝大会を行った。この大会は東京を除く関東地方の大学による大学対抗戦で男子29大学、女子14大学が参加した。男子は1部・2部共に7人によるトーナメント戦で優勝を争い、女子の5人制の部は5チームによる総当りのリーグ戦、3人制の部はトーナメント戦によって優勝が争われる。女子5人制の部で3年連続優勝していた山梨学院大は、初戦の淑徳大戦で勝ち負け同数となり、引き分けた階級の中から抽選で選ばれた1組による代表戦までもつれた末に敗れ、残り3試合を全勝して3勝1敗としたものの、4勝0敗とした淑徳大に一歩及ばず準優勝に終わり4連覇はならなかった。男子1部校の山学大は、初戦で清和大を4対0で破り準決勝に駒を進めたが、優勝した筑波大に1対3で敗れ昨年と同じ3位に終わった。大会の結果、男女ともに6月に行われる全日本学生優勝大会への出場権を獲得した。
5チームによる総当たり戦で争われる女子5人制、山学大は初戦でいきなりライバル淑徳大と対戦した。先鋒の佐々木梓は引き分け、次鋒の高部由美(4年)は背負いからの押さえ込みで合わせ一本勝ち、中堅の谷口亜弥と副将の小澤理奈は共に引き分け、大将の小野が押さえ込まれ、勝ち負け同数となり、引き分けた階級の中から抽選で選ばれた1組によるゴールデンスコア方式の代表戦で、谷口が淑徳大の貝沼に一本負けで敗れた。2試合目の筑波大戦はメンバーを二人入れ替えて臨み、大将に起用された甲斐南(1年)が体落としから押さえ込んでの合わせ一本勝ちでチームの勝利を決めた。続く国際武道大戦と平成国際大戦に起用された吉元佳代(1年)は送りすそ払いで技ありを奪うなど2試合ともに優勢勝ち、起用された二人の1年生は共にチームの勝利に貢献した。高部と吉元の二人は女子の優秀選手に選ばれた。
男子は“打倒筑波”を合言葉にこの大会に臨み、1回戦の千葉の清和大戦では先鋒の西田泰悟(3年)と次鋒の増田孝啓(4年)が共に一本勝ちでチームに勢いをつけ、増田哲也(1年)と大将の原田悠聖(3年)が勝って4対0と清和大を圧倒した。しかし、準決勝で対戦した筑波大戦では、気合が空回りして流れに乗れず、勝ったのは西田一人で他は一本負けか引き分け、1対3の成績で打倒は果たせなかった。試合後、選手達は6月の全日本での雪辱を胸に誓った。なお、男子の優秀選手には西田が選ばれた。
■山部伸敏女子監督は「ゴールデンスコア方式というのはどうなるか分からない試合、そうなる前に副将までに勝負を決めなければいけなかった。いろいろな課題を克服し、気持ちを入れ替えて6月の全日本学生優勝大会に臨みたい」と話した。
■西田孝宏総監督は「男女とも思った成績が出せなかった。女子は優勝しなければいけなかったし、男子も筑波大を破るためにやってきたのだが、力を出し切れなかった、まだまだ力が足りないのかとも思う。6月までに巻き返しを図りたい」と語った。
■小澤理奈女子主将は「初戦がすべてだったので悔しかった、取られてから取りに行くのでなく、最初から一本取りに行くような姿勢を出すべきだった、気持ちが足りなかった。自分を含めみんなも、こんな気持ちでは全国で勝てないことが分かったと思うので、6月までに意識を高め優勝目指して頑張っていきたい」と負傷した右ひざをかばいながら語った。
■緑川和輝男子主将は「関東で優勝という目標を立ててきたので不甲斐ない結果になった。要所要所で取る所を取らなかったり引き分けなかったのが敗因。全国に向けては技に関しても力に関してもまだ足りないと思うので、もう一段階もう二段階、地力を上げていきたいと思います」と闘志を胸に冷静に分析していた。(M.I)
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