山梨学院パブリシティセンター
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第90回全国高校野球選手権山梨大会 2回戦
〜山梨学院高校野球部 短すぎる夏 初戦で敗退〜
〜北杜高山部投手のスライダー打てず延長で散る〜
山梨県高校野球連盟は7月10日、全国高校野球選手権山梨大会の2回戦3試合を甲府市小瀬球場で行った。秋優勝、春準優勝の第2シード山梨学院高は第3試合で北杜高と対戦した。山梨学院の先発は2年生右腕の山田祐也(猿橋中)、山田は1回表の先頭打者から4者連続三振を奪う最高の立ち上がり、最速134キロのストレートをアウトコース一杯に投げ込み北杜打線を寄せ付けない。これに対し、北杜高のエース山部晋矢は最速132キロのストレートと110キロ台の切れのあるスライダーを武器に好投、山学打線は5回裏までノーヒットに押さえ込まれた。試合は山学が7回裏に相手守備陣の悪送球で先制したが、北杜は8回表すぐに追いつき1−1のまま今大会初の延長戦に突入、北杜は11回表2アウト2・3塁から1番高橋が2点タイムリーを放ち3−1と勝ち越し。山学は投球を途中からスライダー中心に切り替え、最後まで球威とキレを失わなかった北杜高山部晋矢の熱投137球に甲子園出場の夢を断たれた。
この試合、1塁側のスタンドは山梨学院の全校生徒930人が新調した水色の帽子と黄色いメガホンを手に応援席を埋め尽くし、大声援を選手に送り続けた。試合は先発した山学山田、北杜山部の両投手が相手打線を寄せ付けず7回表までゼロ行進の投手戦を展開した。試合が動いたのは7回裏、この回先頭の山学5番羽田翔(2年・石和中)がチーム2本目の三遊間ヒットで出塁、6番野木慎太郎(3年・富竹中)が確実に送りバンドを決め、7番三井翔(3年・櫛形中)の当りはサードゴロ、これを北杜のサード植松が一塁に悪送球、一塁手が後逸する間に2塁ランナーの羽田がホームに帰るラッキーな先取点を奪った。これに対し北杜は8回表2アウトから悪送球した2番植松がセンター前ヒットで出塁、ここで3番小松がライトフェンス直撃のあわやホームランの2塁打を放ち、1塁ランナー植松が一気に生還すぐに同点に追いついた。動揺した山田が次のバッターにストレートのフォアボールを与えたところで山学はピッチャーを左腕の新留拓馬(2年・富士中)に代え後続を断ち切り、試合は延長戦に突入した。11回表のピンチ、山学は1アウト1・3塁からのスリーバントスクイズは失敗させて防いだが、2アウト2・3塁から北杜の1番高橋に2点タイムリーを許し1−3とされた。追い詰められた山学は11回裏2アウトから3番内田健斗(3年・若草中)が意地のレフト前ヒットで出塁、4番土屋寛人(3年・下吉田中)が打席に入った時、ウェイティングサークルには肘の故障でマウンドに立てなかったエース保延優馬(3年・敷島中)の姿が、ブルペンには脳腫瘍の手術を乗り越えてグランドに帰ってきた右腕佐野永侑(3年・富河中)の姿があった。しかし、土屋の打球は最後の夏の3年生と総立ちの応援席の願い届かず、センターフライ、試合終了。北杜が9安打したのに対し、山学のヒットは散発4安打であった。試合後、球場1塁側裏に出た選手は倒れこみ、廣瀬礼奈マネージャーは号泣した。皆、しばらくは立ち上がれなかった。一球に思いを込めた山学球児の夏は短く終わった。
■報道陣に囲まれた
長崎治朗主将
は涙をこらえながら「1番の役割を果たせずに皆に迷惑をかけた、打ち崩すことができなかった。後輩たちには自分たちの思いはしてほしくない、秋の大会を頑張って選抜を目指してほしい」と気丈に答えていた。
■頭の手術を乗り越えて最後の夏を向かえた
佐野永侑投手
は「自分にとっては特別な思いで向かえた夏だった。短く終わってしまい悔しいが、体の方は普通に野球がやれるようになったので卒業後も野球を続けようと思います」と語り、「1・2年生には自分たちの分も頑張ってほしい」と悔しさを胸にしまい後輩にエールを送った。
■
保延優馬投手
は「肘は良くないが、次の試合には投げるつもりで登板を申し出ようと思っていた。ウェイティングサークルで待っていたが、自分に打席が回ってきても打てたかどうか分からない、しかたないです」と肩の力を落とした。
■
須田喜照監督
は「エースの保延は肘の状態が良くなく、本人も100%の力が出せないことは分かっていた。3年生にとっては最後の夏だが将来のためにも無理はさせなかった。北杜高の山部投手はスライダーのコンビネーションが良く素晴らしい投球だった」と延長11回で散発4安打に封じられた相手エースを素直に称えた。(M.I)
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