平成20年度全国高等学校総合体育大会“彩夏到来08埼玉インターハイ”が開幕、埼玉県内の30市町を会場地に7月28日から8月20日の期間に男子28競技、女子23競技にわたり高校スポーツ最大の祭典が繰り広げられる。競技開始の29日、山梨学院高勢の先陣を切り強化3年目で山梨代表を獲得したサッカー部が浦和駒場運動公園競技場での開幕試合に登場した。対戦相手は一昨年のインターハイ準優勝校で和歌山の名門初芝橋本高、厳しい戦いが予想された。しかし、試合が始まると山学イレブンは積極的に仕掛け前半は山学優勢で試合が展開された。サイドが変わった後半は、初芝橋本優勢に流れが変わり速攻からペナルティーエリアにボールを運ばれ再三好シュートを放たれたが岩花竜也(3年)の好ディフェンスなど山学DF陣がよく守り切り、0対0のまま試合終了の笛、PK戦に突入した。山梨学院の“守護神”岡西宏祐(3年)は初芝の1番手と5番手のシュートをナイスセーブ連発で止め、自ら山学5番手のキッカーとして登場、冷静にキーパーの裏をついてゴールを決めた。山梨学院高校サッカー部は、全国大会初出場で初勝利を上げその歴史の1ページを開いた。明日行われる2回戦で神奈川代表の強豪桐光学園と対戦する。
試合前の選手控え室で山梨学院は、1攻守の切り替え、2セカンドボールへの働きかけ、3人工芝に注意することなどを確認、4:4:2で中盤をダイヤモンド型に構成する自分たちのサッカースタイルで試合に臨んだ。これに対し、初芝橋本は4:4:2ながら中盤はボックス型。前半は両チームとも中盤を省略して最終ラインからFWへロングボールを送る攻撃が主体だった。山学はセカンドボールを拾いショートパスのコンビネーションで攻撃するが、局面が狭くゴールに向かう動きは少なかった。一方初芝は、後半終盤に速攻からゴール前に一気に持ち込む動きを再三見せチャンスを作った、この厳しい攻撃を山学DF陣が守り切り試合は0−0、PK戦に突入した。先攻は初芝、山学のGK岡西宏祐は185cmの長身を利して両手を広げ仁王立ち、最初のシュートを右に飛んでナイスセーブ、5番目のシュートは逆を突かれたが残した左足一本で防いだ。山学は3番手の岩花がクロスバーに当てて外しただけで最後はキーパーの岡西が自分で蹴ってPK4−3として山学が勝利。雄叫びを上げてベンチに戻ってきた選手たちは大声で「まだ 1勝だぞ!」と気持ちを明日の2回戦に向けた。
■ 高木理己監督は「1勝というより0,5勝といった所、PK戦の準備はあまりしてこなかったが、比較的落ち着いてやってくれた」と語り、怪我から復帰したばかりのエース清水恒太朗(3年)を予定より早い前半終了間際から投入した理由について「チームの動きが硬かったので流れを変えるために、ボールキープ力の高い清水を投入してチーム全体を落ち着かせた」と話した。
■ 佐野功治主将は「立ち上がりは初戦の硬さから自分たちのペースではなく前に蹴って相手に押し込まれるケースもあったが前半はボールを支配し勝っていたと思う。後半は自分たちのミスから失点になりそうなシーンがいくつかあった、そこの部分を修正して明日の桐光学園戦に臨みます」と冷静に分析していた。
■ 大健闘した岡西宏祐選手は「前半は良かったが、後半足が止まって攻め込まれた、ゼロで止めるとDFラインと声を掛け合って守った」と語り、PK戦については「1本止めれば皆が絶対決めてくれると思った、相手の5本目は蹴った瞬間真ん中気味だと思ったので足を残した。5番手として蹴る時はとても緊張しました」と日焼けした顔をほころばせた。(M.I)
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