
北京五輪閉幕から一夜明けた25日、競泳女子100mバタフライと400mメドレーリレーに出場した加藤ゆか選手(商学科4年)が古屋忠彦学長に帰校報告を行った。加藤選手は「大会初日の個人種目は(緊張で)考える間もなく気がついたらレースが終わっていた、もっと冷静に臨めたらと悔しい気持ちが残りました。メドレーリレーに向けて気持ちを切り替え、リレーでは自分の持っている力を出し切れたかなと思います」と予選敗退で終わった個人種目の悔しさと日本チーム(背泳ぎ中村礼子、平泳ぎ北川麻美、バタフライ加藤ゆか、アンカー上田春佳)が3分59秒54の日本新記録で6位に入賞した喜びを報告した。古屋学長は「大学のキャンパスでは水泳部の部員を中心にパブリックビューイングを行って皆で応援しました。いい歴史を作ってくれました、御苦労さまでした」と労をねぎらった。同席した神田忠彦監督は「個人では自己ベストを下回ったがリレーでは自己ベストを上回った。総合で78点ぐらいの出来だった」と評価した。五輪の極度の緊張感を知る先輩の萩原智子さん(カレッジスポーツセンター研究員)が「前半から行く自分のレースをしました。監督はコーチだから厳しい評価だけれど、先輩の私は100点満点をあげます」と話すと、じっと見つめて聞いていた加藤ゆかはその瞳を潤ませ、その言葉をその胸にそっと締まっていた。
加藤選手はカレッジスポーツセンターの津金毅事務長・神田忠彦監督・萩原智子研究員と共に日本代表チームのスーツ姿で学長室を訪れ、秘書から贈られたバラの花束を胸に「メダルを取れないで帰ってきたのに成田空港まで迎えに来てくれたり、やさしい言葉で温かく迎えていただいて感謝しています。大学で大勢の人が応援してくれた事を聞きました、ありがとうございました」と感謝の気持ちを表した。報道陣からの今後についての質問に対して
加藤ゆか選手は「北京に行く前は悔いのないレースをして最高の笑顔で終わりたいと思っていましたが、個人種目では悔しさが残りました。高校生も記録を伸ばしているので負けていられない、大学生最後の大会インカレで自己ベストをさらに上回る日本記録を出したいです。そのあとの事はこれから考えたい」と言葉を選びながら語り、19日に帰国したその翌朝7時から毎日休みなしで練習している事を明らかにした。
神田忠彦監督は「大学選手権(インカレ)が大学生として臨む最後の大会となるので、そこでベストの記録を出してほしい」と話し「大学後の事は話し合っていないが、水泳はプロがないスポーツ、いくつになっても楽しめる。しっかりしているので卒業後の事は自分でしっかり考えて決めるでしょう」と語った。オリンピック期間中解説者として競技を見守った
萩原智子さんは「メドレーリレー予選で加藤選手が自己ベストで泳いだのを見た中西悠子選手(日本選手権で加藤を0,3秒上回り決勝で泳ぐ優先権を持っていた)が、『自分は200mの疲れが残っている、加藤さんの方がいい』と話し首脳陣が決勝も加藤さんで行こうと決めた」と現地での日本チームの舞台裏を披露した。加藤ゆか選手ら山学大水泳部は9月5日から7日にかけて東京辰巳国際水泳場で開催される団体・個人の学生日本一を決める第84回日本学生選手権水泳競技大会のレースに挑む。(M.I)
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