
文部科学大臣杯2008全日本学生レスリング選手権大会(インカレ)2日目の29日、大阪・堺市立金岡公園体育館でグレコローマンスタイルの3回戦から決勝までの試合が行われ山梨学院大レスリング部は全階級に計20人が出場した。競技の結果、96kg級の山本雄資(4年多度津工)がインカレ初優勝、学生日本一に輝いた。120kg級ムジコフ・ボリス(3年 ロシア)は昨年に引き続き2連覇を達成。60kg級倉本一真(3年 日野)は決勝で敗れ準優勝、55kg級下園真一(4年 佐倉南)・96kg級渡辺瑞樹(3年 宮城工)・120kg級増田拓也(1年 佐倉南)の3人が3位入賞を果たしそろって表彰台に上った。山学大レスリング部は大学4冠のうち3冠はすでに手中にしているが、10月に行われる全日本学生グレコローマン選手権を唯一制しておらず、インカレでのグレコローマン勢の好成績は念願の4冠達成にも大きな弾みをつけた。フリースタイルは30、31の両日に行われる。
■96kg級決勝、山本雄資(赤)VS中谷月明(青)専修大
第1ピリオド、前半1分間のスタンドレスリングは両者ポイントなし、後半の1分間はボールピックアップによって先攻め・後攻めを抽選、交互に両手両膝をついた座位姿勢(パーテール・ポジション)から30秒間の攻防を行うグランドレスリング、先攻めの山本はポイントを奪えず、後攻めの中谷にローリングでポイントを取られこのピリオドを失った。第2ピリオドも前半1分間のスタンドは両者ポイントなし、後半のパーテールポジションからの攻防で山本が3−2でこのピリオドを取り、勝負を第3ピリオドに持ち込んだ。第3ピリオドもスタンドでは両者ポイントなし、パーテポジションの攻防で先攻めの山本は場外ぎりぎりの所で投げを打ち微妙な判定、5人の審判員がビデオを見て判定し山本に3点のビッグポイントがついた。山本は最後の30秒間の中谷の攻めを守り切り辛勝で初の学生チャンピオンに輝いた。
山本雄資選手は「最後は微妙な判定だった、年下が相手だったのでもっと簡単に勝たなければいけない所だった。しっかり点数が取れてしっかり守れるように一から練習し直します」と優勝にもかかわらず謙虚に語った。
■120kg級決勝、ムジコフ・ボリス(赤)VS荒木田進謙(青)専修大
第1ピリオド、バックを取ったボリスは荒木田を3回連続ローリングして6−0テクニカルフォールの圧倒的強さでこのピリオドを取った。第2ピリオドに入っても積極的に攻め果敢に胴タックルに入ったが、これを荒木田に返されてポイントを奪われピリオドを失った。最終第3ピリオド、1分間のスタンドは両者ポイントなし、パーテールポジションからの30秒間の攻防に勝敗が委ねられた。ボールピックアップによる抽選で先攻めとなったボリスは、バックから攻めて回そうとするが荒木田に守り切られる。攻守を入れ替えた最後の30秒間、今度はボリスが荒木田の攻撃を守り切り両者ポイントなし、後から守り切った者にポイントが与えられる後守ポイントによって、守り切った瞬間ボリスの大会2連覇が決まった。昨年の優勝者でただ一人連覇を果たしたボリスは大会優秀選手に選ばれた。
ムジコフ・ボリス選手は「第1ピリオドはうまく取れたが、第2ピリオド、第3ピリオドはきつかった。フリーでも10月のグレコローマン選手権でも優勝したい」ロシアから留学生として来日して2年半、日本人に似たやさしい顔立ちの力持ちは、だいぶ上手くなった日本語で喜びと抱負を語った。
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高田裕司監督は「今のルールの面白さでもあり怖さでもあるが強いものが必ず勝つという事ではない。オリンピックでもそうだったが、第1シードで優勝したのはうちの山本とボリスだけ、あとの階級はすべて負けている。選手にはボールピックアップに頼っては勝てないと指導している。グレコ選手権は日体大がライバルとなるが、今日の成績で弾みがついた」と語った。 (M.I)
アルバム |
倉本一真 |
山本雄資 |
ムジコフ・ボリス |