
法務省は9月11日、法科大学院修了者を対象にした新司法試験の合格者を発表した。受験者6261人のうち合格者は2065人、合格率は過去3回で最低の33,0%となった。法科大学院別で見ると、東大の200人がトップ、中大196人、慶大165人、早大130人と続き100人の京大までが3ケタ合格だった。一方、愛知学院大、信州大、姫路独協大の3校は合格者ゼロ、大阪学院大、鹿児島大は合格者1人だった。山梨学院大法科大学院からは40人が受験し7人(男性6人、女性1人)が合格した。昨年の10人は下回ったものの、初年度だった一昨年の6人を上回る合格者を出した。法科大学院は二極化が進んでいるといわれる中、山学大法科大学院は法曹人養成を目的にした地方の専門職大学院として、その実績を着実に積み上げている。
今年の合格者2065人の平均年齢は29.0歳、男性1501人、女性564人だった。山梨学院大法科大学院の合格者7人のうち法学部を卒業した法学既習者が対象の2年制コースを修了した人は5人で、合格率は35,7%と全国平均の33,0%を上回った。これに対し法学未習者対象の3年制コースからの合格者は2人で、合格率はわずか7.7%と低迷、既習者と未習者とで合格率に大きな開きがある事が浮き彫りになった。 最高齢は卒業後5年以内3回までのラストチャンスを生かした既習者コース第一期卒業の36歳の男性。最年少は今春既習コースを卒業し1回で合格した25歳の山本俊さん。山本さんは三重県熊野市出身で岡山大法学部から山学大法科大学院に進んだ。大学近くのネットカフェで合格を確認したあとプールで一泳ぎしたという
山本俊さんは記者発表の席で「とにかく、ホッとしました。試験前の半年間は毎日13時間から15時間の猛勉強をして備えました。合格できたのは先生や年齢が上の後輩の人達に教えていただいたおかげ、皆さんにお礼を言いたい、1年間の司法研修を終えたら弁護士の道を歩みたい」と語った。
荒牧重人法科大学院研究科長は「法科大学院として着実に実績を積み上げている事を嬉しく思います。合格者が自らの夢に向かって進むことを祈念します。そして、残念ながら不合格となった者は、勉強会組織である山梨学院梶法会で勉学を続け来年の合格を目指してもらいたい」と話し、その一方で「合格率を上げることばかりにこだわっていくと、法科大学院が予備校のようになっていってしまう、それでは法律で定められた『法曹の現場に必要な学識や能力を培う専門職養成機関』としての役割が果たせなくなる、理念を維持しながら合格率も高めていきたい」と語った。(M.I)
アルバムはこちら