

山梨県高校野球連盟は28日、来春のセンバツ甲子園大会につながる第61回秋季関東高校野球山梨県大会の3回戦残り3試合を県営小瀬球場で行った。23日の2回戦で帝京三高を3−2辛勝で下し3回戦に進出した山梨学院高は第2試合に登場し吉田高と対戦した。山学は1回表に1アウト満塁のチャンスを作り、5番細谷竜児(2年)の三遊間タイムリーヒットで先制した。細谷は2回裏吉田の4番石川のライト前ヒットの当たりを好返球でライトゴロに防いだ他、3回表のチャンスでもセンター前ヒットで2点目の追加点を上げるなど攻守にわたり活躍した。2回戦では湿っていた打撃陣がこの日は奮起、2番鈴木悠介(1年)が4安打するなど吉田の3人のピッチャーに14安打を浴びせ9点を奪った。先発した左のエース新留拓馬(2年)は最速133kmの速球と100km台のカーブ・スライダーを投げ分け吉田打線を2点に抑え完投勝利、新チームは秋の陣ベスト8に名乗りを上げた。山梨学院高準々決勝の相手は東海大甲府高、10月5日12時30分、小瀬球場で準決勝進出を賭けて対戦する。
残暑が去り肌寒く感じる秋曇りの小瀬球場。この日の山学ナインは硬さが目立った2回戦と違い、1回表から吉田の先発長田を攻め立てた。1アウトから2番鈴木が三遊間安打で出塁、3番新キャプテン羽田翔(2年)はフォアボールを選び、4番山田凌(1年)が1ゴロエラーで1アウト満塁として先制のチャンスを作った。ここで5番細谷竜児はカウント2−3まで粘り、インコース高めのストレートを引っ張りレフト線に先制打を放った。帝京三高との2回戦では2回を除き毎回塁上を賑わせながらあと一本が出ず、チャンスに打てない攻撃陣に不安を抱かせたが、この日の打撃陣は3回・4回・6回・9回に追加点を上げる理想的な攻撃を見せた。先発完投した新留拓馬は、リズムに乗りかけた3回裏に先頭打者にデッドボールを与え、送りバンドを悪送球し0アウト1塁・3塁のピンチを招いた。ここでスリーバンドスクイズを決められて1点目、2アウト1塁・2塁から吉田ベンチは意表をつくヒットエンドランを敢行、打球はベースカバーに入ろうとしたサード羽田の逆を突きレフトに達し2点目、1点差に詰め寄られたが新留は4番の石川を冷静に三振に打ち取って後続を断った。終わってみればピンチらしいピンチはこの3回裏だけ、被安打4、死球2、奪三振7の完投勝利だった。準々決勝で対戦する東海大甲府高のエース渡辺圭投手は大会NO1の呼び声が高い速球投手、直後の第3試合甲府商戦に登板し左腕から140kmの速球を投げ込んでいた。東海甲府との準々決勝戦は山学打線が渡辺の速球を打ち返せるかどうかが勝敗のカギとなる。
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細谷竜児右翼手は「ずっと不調だったが、最初の打席はファウルで粘るうちにタイミングが合ってきて打てた。次の打席は自分本来の逆方向に打つ気持ちで打席に入った。東海甲府渡辺投手は簡単に打てる投手ではないが、食らいついていく」と語った。
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新留拓馬投手は「先頭バッターをデッドボールで出すなどコントロールが良くなく調子は悪かった、キャッチャーの向山がいいリードをしてくれて投げ切る事が出来た。制球を良くすることともっと速い球を投げれるように練習する」と語った
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羽田翔主将は「打撃は前の試合よりは良かったが、守備の乱れからの失点は反省材料。次は東海戦だが相手はどこだろうと関係なく、自分たちが出来る事を精一杯やって一球一球大事にして全員で闘う」と話した。
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須田喜照監督は「今日はこういう結果になったが、初回1点を取った後のチャンスに追加点を取れなかった、ああいう場面で点を取っておかないと後々苦しくなる。次の東海のピッチャーはレベルの高いピッチャーなのでチャンスはそうない、1年生が4人出ているがポイントになるのは2年生、2年生が頑張って少ないチャンスを生かし、守り抜かないと勝てない」と語った。(M.I)
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