山梨学院パブリシティセンター
秋の高校野球山梨県大会 準々決勝
〜延長12回サヨナラスクイズで東海大甲府高に激勝〜
〜山梨学院高が準決勝進出、山田祐也159球の熱投〜


“センバツ甲子園“につながる第61回秋季関東高校野球山梨県大会は10月5日、県営小瀬球場で準々決勝の残り2試合を行った。9月28日の3回戦で吉田高を下し準々決勝に進出した山梨学院高は第2試合に登場、大会NO1の呼び声高い渡辺圭投手を擁する強敵東海大甲府高と対戦した。この試合、山学ナインは気力を前面に出し全員が全力で闘った。特に先発したエース山田祐也(2年)は1回表から全力投球、気持ちを球に込め、気迫がスタンドにまで伝わってくる熱投で東海打線に立ち向かった。試合は両エースの好投で5回までゼロ行進、6回表に東海が先制したが終盤もつれて延長に突入、山学が12回裏1アウト満塁のチャンスから2番鈴木悠介(1年)がスリーバントスクイズを決めて3−2サヨナラ劇で息詰まる投手戦に勝利した。ベスト4に勝ち残ったのは山学・身延・甲工・航空の4校。関東大会代表決定戦となる準決勝戦は11日、小瀬球場で身延―甲府工、日本航空―山梨学院の2試合が行われる。
東海大甲府のエース渡辺圭は9月28日の対甲府商戦では左腕から140km台の速球を投げ込み2塁を踏ませない快投を見せた速球投手。一方、山学のエース山田祐也はストレート・カーブ・スライダーを投げ分けて打たせて取るタイプ、初戦の対帝京三高では先頭打者に対する不用意な投球が目立ち、毎回のように先頭打者を出塁させ、ここから粘りの投球で後続を抑えるパターンで8回までは凌いだが最終回に帝京三打線に捕まり2点を献上した。試合前の予想では投手力の差で東海大甲府が一枚上、山学打線が渡辺の速球を打ち返せるかどうかが勝敗のカギを握るとみられていた。しかし、ふたを開けてみると、山田祐也は別人のような快投を見せた。立ち上がりから全力投球、打者の懐を鋭くえぐる内角いっぱいの直球と外角ぎりぎりのストレート・スライダーを連投次々と三振を奪う、甘い球は投げない。球に気迫がこもっていた、渡辺よりも気持ちが勝っていた。延長12回159球の激投、9安打・3四死球・2失点・11奪三振の完投、勝利の立役者となった。東海の渡辺は前回ほどのスピードはなく最速138km止まり、スピードは今一つだったがそれでも球のキレは鋭く山学打線はなかなか打ち崩せなかった。試合は6回表に東海が4番高橋の適時2塁打で先制、8回裏に山学4番山田凌(1年)が適時3塁打を打ち返して同点、さらにワイルドピッチで逆転。9回表に東海8番胡摩窪の適時2塁打で再同点、延長戦に突入。山学は12回裏先頭の7番小林夏樹(1年)がライト前ヒットで出塁、8番山田祐也の送りバンドをピッチャー渡辺が処理ミスし0アウト2塁・3塁、9番向山敬遠で0アウト満塁のビッグチャンス。
1番渡辺晶也ショートゴロ本封で1アウト満塁に変わり、ここで2番鈴木悠介が1−2からのスクイズをファウルで失敗、スクイズチャンスはなくなったと思われたが難しい球を2球続けてファウルして粘った後の7球目、外側高めの直球をスリーバンドスクイズ、球はふらふらっと上がったがピッチャー渡辺の差し出すグラブの50センチ手前に落ち、3塁ランナーだったエース山田祐也が猛然と本塁に滑り込み、歓喜のサヨナラ勝ち。その瞬間、山学ナインは全員ベンチを飛び出し雄叫びをあげて抱き合った。決して強くはないこれからの新チームは気持ちで勝利し関東大会までの道のりをあと一歩にした。
山田祐也投手は「今まで東海には去年も春も負けて嫌な思いばかり、今日は先輩たちの思いも込めて絶対負けないと1回から全力で投げた。9回まで持たなくてもいいから全身でバッターに立ち向かおうと内角いっぱいにストレートを思い切り投げ込んだ」と語り「何回投げたのか、分かっていなかった」と振り返るほど試合に集中していた。
羽田翔主将は「相手はどこであろうと自分たちの野球を精一杯やろうと気持ちを一つにして試合に臨んだ。気持ちは東海に絶対負けないという思いが最後こういう結果につながったと思う。次の航空戦も同じ気持ちで自分たちが出来る事を精一杯やる」と語った。
■スクイズを決めた鈴木悠介遊撃手は「1発目失敗して緊張したが、監督が信頼してくれてもう一度サインが来て、やるしかないとボールに食らいついた、決まってホッとした。東海に勝ったことで勢いに乗れると思うので関東大会目指して頑張りたい」と笑顔を見せた。
須田喜照監督は12回裏のスクイズについて「2番の鈴木はバンドが上手い冷静な子、空振りはしないだろうとスリーバンドに賭けてみた、よく決めてくれた」と振り返り「ピッチャーの山田は東海の渡辺君に投げ負けまいと気持ちで投げていた、今までで一番良かった。うちはこれからのチーム、選手には技術がないのだから気持ちで負けるなと話している、野球のスタイルを変えることはないが、次の試合を勝たないと今日勝った意味がない、点はそんなに取れないと思うので守りからリズムを作っていきたい」と語った。(M.I)
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