
第87回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会は10月5日、山梨学院和戸第1サッカー場など4会場で2回戦12試合を行った。第1シードの山梨学院高は2回戦からの出場でこの日が大会初戦、ホームに塩山高を向かえて対戦した。試合前、高木理己監督は選手全員を集め「3年間の苦労よりもこの2ヶ月間の苦労の方が厳しい、苦しい事を一番乗り越えたチームが国立競技場でプレーするチームとなる。ここからが本番、まず去年の自分達を乗り越えること、それをこのゲームからやろう」と話し選手をピッチに送り込んだ。山学イレブンは開始早々の前半2分にMF伊藤拓弥(2年)がドリブルで切れ込んで先制したのを皮切りにゲームを完全に支配、DFの宮本龍(1年)がセットプレーからヘッドで4得点をあげるなど13得点の猛攻で塩山高を圧倒、危なげなく3回戦に駒を進めた。山学イレブンの次の試合は10月12日、準々決勝進出を賭けて都留・白根高戦の勝者と対戦する。
山梨学院高サッカー部は、昨年この大会の決勝で韮崎高に敗れ全国切符をあと一歩の所で逃した。しかし、今年は6月の全国高校総体県予選で3強(山学・韮崎・航空)のライバル韮崎・航空を連破し、強化育成クラブ指定3年目で県代表となる快挙を達成し埼玉インターハイに出場した。インターハイでは1回戦で初芝橋本高にPK戦勝利、2回戦の桐光学園戦0−1の戦績を残した。初の全国大会出場を経験して一回り大きくなった選手たちの真の目標は “高校サッカー選手権出場” 夢を胸に練習に明け暮れた3年間を総決算する舞台が5日その序幕を開けた。初戦の対戦相手塩山高は1・2年生だけに切り替えた新チーム、力の差は歴然としていた。山学イレブンは気負う事も、驕る事も、力むこともなく、自分たちが培ってきたプレーをピッチ上で表現した。13得点の内訳は宮本龍4、高橋潤2、山田広大2、堤建太2、佐野敬祐2、伊藤拓弥1。ほとんど敵陣でゲームを進め、塩山高に攻撃の形を作らせずシュートチャンスを与えなかった。試合後、
佐野功治主将は「立ち上がりの早い時間で伊藤が点を取ってくれてリズムに乗れた。次の試合も先の事は考えずに、自分たちのやるべきことをしっかりやるよう集中して行きたい」と気持ちを引き締めていた。4得点をあげた
宮本龍選手は「1試合4得点は高校に入って初めて、全部良いボールが上がってきてあとは頭で合わせるだけだった。次の試合も全力でチームの役に立つプレーをしたい」とあどけなさの残る童顔をほころばせた。
高木理己監督は「けが人も出さずに、警告・退場もなく次のステージに進めたことが一番、選手権というよりも3年間付き合ってきた選手との最後の戦いなので、納得のいく形で最期を終えたいなと思う。目の前の80分間を次の160分間につなげる努力をして、このメンバーの監督を少しでも長くしていたい」と語った。(M.I)
アルバムはこちら