
山梨県高等学校野球連盟は10月11日、甲府市の小瀬球場で第61回秋季関東地区高校野球山梨県大会の準決勝2試合を行った。昨年の覇者・山梨学院大学附属高校は第2試合に登場し、昨年の優勝決定戦で延長11回の死闘の末、サヨナラ勝ちした日本航空高校と対戦した。山梨学院は2回表に2点先取された一死 から、6番・松浦航平(1年)が四球で出塁すると、7番・小林夏樹(1年)の左中間を深々と破る二塁適時打で2対1とした。山梨学院は5回表4安打1失策などで4点を献上し、6回には1点追加され7対1とされた。その6回裏の一死後、細谷竜児(2年)が左線を破る二塁打で出塁、二死後7番・小林夏樹(1年)の遊撃手へのゴロが暴投を誘い、細谷が生還し7対2としたが、夏の覇者・日本航空に後続をたたれ、2年連続6回目の関東大会出場を逃した。山梨学院は12日、小瀬球場第1試合で身延高校と3位決定戦を行う。なお、第2試合では甲府工業高校と日本航空高校が優勝を賭けて戦う。
■山梨学院は準々決勝の東海大学甲府高校戦で好投した右腕エースの山田祐也(2年)が先発。エース・山田は立ち上がり2球で投手ゴロに仕留めたが、2番に内野安打、二死後四番に敬遠の四球、続く5番を三振に仕留めまずまずの立ち上がりを見せたが、2回表に4安打を浴び2点失点、3回には三者凡退に討ち取り、四回には振り逃げを許したものの後続を3人で討ち取りリズムを掴んだかに見えたが 、5回に2者連続安打でリズムを崩し4安打1失策で4点を奪われた。6回からは左腕・新留拓馬(2年)が救援、1失点と踏ん張ったが打撃の援護がなかった。
■打っては、右腕・船井宏敏(2年)の最速140キロと100キロ台の変化球にタイミングが合わずに4安打。失策を絡めて2得点を奪ったが、8回から右腕・奥田敦俊(2年)に無安打に抑えられた。
■右腕エース・
山田祐也(2年)は「調子は良かったが、相手が一枚上だった。負ければ(東海大甲府での好投も)意味がない。勝たなければエースとはいえない」と、唇を噛んだ。「まだ、終わったわけではない。次にチャンスをもらったら完封して夏の甲子園につなげたい」と語った。
■左腕・
新留拓馬(2年)は「祐也が打たれ、打たれないように自分がフォローしなければならなかったが、気の緩みで真ん中高めと甘いコースの球を投げて1失点した。次は修正して、しっかり集中して抑え夏に向けて弾みをつけたい」と述べた。
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羽田翔主将(2年)は「自分たちのミスから点を取られたのか大きかった。山田は136キロ出ていたので調子は良かったと思う。野手が崩れ足を引っ張ってしまった。それを打者も引きずり、崩れて負けた。3位決定戦もチームにとっては大切な試合。気持ちを切り替えて、3位決定戦は控えの選手の恩に報いるためにもチームにとって良 い試合をしたい」とキャプテンシーをのぞかせた。
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須田喜照監督は「2点先取されて、その裏に1点返したまでは良かったが、5回の4失点で、うちの展開にいたらなかった。山田は東海戦での疲労が残っていたと思う。本来の球の切れ、コントロールがなかった。エース山田を擁して負けたのだから、結局は航空高校に力負けしたということ。うちは若いチーム、良い勉強になったと思う。3位決定戦も精一杯戦い、これらをばねに、来年の夏を睨 んでチーム作りをしたい」と前を見据えて語った。
■山梨学院は、先発レギュラーに1年生が4人と若いチームながら、2回戦から登場し夏準優勝の帝京第三高校を退け、3回戦で地区シードの吉田高校を、最速143キロを投げる左腕投手を擁し前評判で優勝候補ナンバーワンといわれた東海大甲府高校を破り驀進してきたが、夏の覇者・日本航空の前に力尽きた。(H.K)
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