平成２０年度全日本学生柔道体重別選手権大会（男子２７回女子２４回）は１０月１１日、東京・日本武道館で二日間の大会の幕を開けた。初日は男子の軽量級から中量級、女子の中量級から重量級の試合が行われた。山梨学院大柔道部から男子は坂本潤二（６０ｋｇ級３年）、早野友樹（６６ｋｇ級３年）、島田裕史（８１ｋｇ級）の３人。女子は小澤理奈（６３ｋｇ級４年）、江口静香（７０ｋｇ級３年）、谷口亜弥（７０ｋｇ級２年）、小野江那（７８ｋｇ級３年）、谷本忍（７８ｋｇ超級４年）の５人が学生チャンピオンを決める試合に臨んだ。このうち、女子キャプテンの小澤理奈と男子３年の伸び盛り早野友樹の二人が決勝に勝ち上がった。決勝戦で小澤は相手にポイントを先行されたが残り１分０６秒で大内返しを決め逆転の１本勝ちで優勝した。一方、早野は一進一退の攻防で延長戦でも決着がつかず、３人の審判の旗判定で敗れる僅差の準優勝となった。２日日の最終日は女子４８ｋｇ級に出場する浅見八瑠奈（２年）濱口光（２年）黒江優希（１年）の最軽量トリオに優勝の期待がかかる。

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山学大女子柔道部は６月に行われた全日本学生柔道優勝大会で優勝を飾っており、優勝の立役者となった主将の小澤理奈と大将の谷本忍の試合が注目された。小澤理奈は２回戦から登場、留学生のシルヴァ・マリアナ（帝京大）、馬場あゆみ（広島大）、平井　希（東海大）を下し決勝進出を決めた。決勝を前に山部伸敏女子監督は「最後まで自分の柔道をやり切れ」と指示、控え室では４年間一緒に稽古してきた高部由美（４年）が小澤に付き添い、傷めている指先を手当てして試合場に送り出した。決勝の相手は田中美衣（仙台大）、開始２分４０秒に小内刈りで効果を奪われ苦戦、山学応援席から「行っけ〜、行け行け、こざわ」の声が湧き上がった直後の残り１分０６秒、田中の大内刈りを左から右に見事に返して逆転の１本勝ち。この大会の小澤の成績は１年と３年の時の３位が最高で最終学年で念願の学生チャンピオンを手中にした。テレビ中継の優勝インタビューで小澤は「山梨学院の皆が応援してくれて逆転することができました」と声を詰まらせた。
もう一人の優勝立役者谷本忍(７８ｋｇ超級４年)は、１回戦・２回戦を順調に勝ち準々決勝で石山麻弥（帝京大）と対戦した。延長戦でも決着がつかず３人の審判の旗判定による僅差で破れベスト８にとどまった。この他の女子の試合では江口静香(７０ｋｇ級３年)が準々決勝でポイントをあげた直後に膝を負傷し、準決勝進出を断念するアクシデントもあった。小野江那（７８ｋｇ級３年）もベスト８で敗退、谷口亜弥（７０ｋｇ級２年）は２回戦敗退だった。
男子の部では、大きな期待は寄せられていなかった早野友樹（６６ｋｇ級３年）が大健闘した。準決勝の松田優（東海大）戦では残り１分、背負い投げで技ありを取り決勝進出を決めた。決勝戦では小倉武蔵（筑波大）と対戦、盛んに一本背負いを仕掛けるが決まらず延長戦に突入、残り２分４０の所で主審が相手に効果の判定、副審２人の反対で取り消されたが結果的にはポイントらしい場面はここだけでゴールデンスコアで僅差の判定負けとなった。坂本潤二（６０ｋｇ級３年は３回戦敗退、島田裕史（８１ｋｇ級）は２回戦敗退。

■小澤理奈主将は「決勝戦は先にポイントを取られたので、必死に前に出ました。最高のパートナーの高部由美が関東で負けて大会に出れなかったので、高部の分も絶対勝とうと戦いました。皆の応援のおかげです。次の講道館杯は昨年優勝しているので連覇を狙います」と厳しい戦いを終えて笑顔を見せた。
■早野友樹選手は「今日は調子が良かった。決勝では相手に先に取られて必死に押したが挽回できなかった、全国大会で優勝したことがないので優勝したかった。次の体重別団体では次こそ優勝したい」と逃した優勝を糧に気持ちを前に向けた。
■山部伸敏女子監督は「小澤は一人だけ決勝に残ってチームの主将としてよくやってくれた。女子全体としては、競り合って負けた試合がかなり多かった、競り勝たなければいけない。優勝を一つしか取れなかったのは厳しい結果と受け止めている。次の大会では学生として思い切ってチャレンジさせたい」と語った。
■西田孝宏総監督は「男女そろって優勝したかったので残念。早野の決勝戦は、相手のポイントを取るか、早野の押し込みを取るかの判定、僅差で負けとなった。決勝まで行ったのだから、もっと攻めて勝たなければいけなかった。準優勝で良しとしていてはいけない。次の講道館杯は社会人とも戦う大会になる、ベスト８以上の選手は出場できるので、出場選手全員を全力でぶつからせる」と語った。（M.I）
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