

“武道の聖地”日本武道館で二日間にわたり開催された平成20年度全日本学生柔道体重別選手権大会(男子27回女子24回)は最終日の12日、男子の中量級から重量級、女子の軽量級から中量級の試合が行われた。山梨学院大柔道部からは男子6人、女子6人が出場した。このうち女子48kg級の浅見八瑠奈(2年)と男子90kg級の西田泰悟(3年)の2人が決勝に進出した。浅見八瑠奈は昨年決勝で悔し涙を流したが、悔しさをばねに積んだ稽古が実り昨年の借りを返し見事に優勝した。西田泰悟は快進撃の勢いを決勝戦にも持ち込み攻め続けて勝利、山梨学院大柔道部は1996年の創部以来男子はこれまで優勝者を出しておらず、悲願を実現させる快挙の優勝を母校にもたらした。二日間の大会で山学大は優勝3人、準優勝1人、ベスト8が5人と健闘、地方私学の雄“山梨学院”の名とその存在感を聖地で鮮烈に示した。
女子48キロ級の浅見八瑠奈は2回戦から登場、釼持友美(愛知産業大)を開始10秒で押さえ込み、3回戦の尾木琴美(帝京大)も開始30秒で三角固め、準決勝では濱口光(2年)が敗れた藤井あやか(広島大)を指導・体落とし・足取りの大差で下し決勝に進出した。決勝の相手は黒江優希(1年)が2回戦で敗れた近藤香(帝京大)、開始26秒に大内返しを決めそのまま寝技に持ち込んだ。決まったかと思われたが10秒で解かれ、その後は一進一退のまま5分間の試合時間が終了、開始早々の効果ポイントが効いて優勝を飾った。試合後浅見八瑠奈選手は「決勝の相手は何度も戦っている強い相手、挑戦者のつもりで頑張った。投げを返しただけのポイントなので納得していない、もっと稽古して日本を代表する選手になりたい」と強い気持ちを語った。
男子90?級の西田泰悟は、1回戦坂本龍一(徳山大)、2回戦衛藤慎梧(福岡大)、3回戦松宮広(天理大)、準々決勝松岡裕太郎(明治大)、準決勝影野裕和(明治大)と快進撃で5人を下し決勝に進出した。決勝の相手は昨年敗れた萩本貴章(国士舘大)、借りを返そうと全力で前に出た、開始1分20秒に相手に指導、2分10秒両者に指導、2分40秒に効果を決め、後は一進一退のまま試合終了、悲願の夢の優勝、畳を降りた直後に父親であり監督である西田監督と抱き合った。地獄の特訓を強いてきた鬼監督は目から熱いものがこぼれ落ちるのを懸命にこらえていた。西田泰悟選手は「優勝したのは嬉しいが、決勝戦は内容的には悔しい。皆が応援してくれたので頑張れた、講道館杯も頑張りたい」と語った。
そのほかの選手の成績。
100?級緑川和輝男子主将、長谷川賢(4年)2回戦敗退。90?級笠井宝聖(2年)3回戦敗退。100kg超級増田哲也(1年)山下晃司(4年)2回戦敗退。48kg級 濱口光(2年)ベスト8、黒江優希(1年)2回戦敗退。52kg 湧川のな(2年)2回戦敗退、井上亜耶香(1年)ベスト8。57kg佐々木梓(4年)2回戦敗退。
■山部伸敏女子監督は「小澤一人だけでなく浅見と西田が優勝を飾ってくれたので締めとしては良かったが、女子は優勝を三つ考えていたので、目標には達しなかった。小差で負けた試合が多かった、そこを勝ちに持っていくのが課題として残った。」と総括した。
■西田孝宏総監督は「男子は層が厚いので、今まで何回も準決勝、決勝に出たがどうしてもチャンピオンになれなかった、本当に嬉しい」と語り、「何人か勝たなければいけない選手もいたが、優勝が3人出たので、まあ、合格とすべきかな」と大会を振り返った。(M.I)
アルバム浅見 アルバム西田