山梨学院パブリシティセンター
山梨学院大レスリング部 32年目の快挙
〜無冠だった大学グレコローマン選手権初優勝〜
〜倉本・山本・ボリスが優勝“ 両将宙を舞う”〜


全日本学生レスリング連盟は10月23・24日の両日、文部科学大臣杯2008全日本大学レスリンググレコローマンスタイル選手権大会を東京・駒沢オリンピック公園体育館で行った。大会はグレコローマンスタイルの55kg級から120kg級までの7階級の個人戦と個人戦の成績をポイントに換算して団体順位を競う大学対抗戦。山学大は初日の23日に60kg級の倉本一真(3年 日野高)が優勝、55kg級の梶雅晴(1年 育英高)と岸村健吾(4年 八幡工)の2人が3位に入り、1位日体大とは6ポイント差の2位につけた。二日目の24日、決勝に勝ち進んだ96kg級の山本雄資(4年 多度津工)と120kg級のムジコフ・ボリス(3年 ロシア)が2人揃って優勝しないと団体優勝はない状況から、二人とも圧倒的強さで優勝を決め日体大を逆転、母校に初のグレコローマン優勝をもたらした。表彰式と記念撮影を終えた部員たちは、育ての親下田正二郎部長と高田裕司監督を引っ張り出して胴上げを行い、創部からの歴史を知る二人の名将が宙を舞った。
山梨学院大レスリング部は、フリースタイルではこれまでに全ての大会で何度も優勝を飾って来ているが、グレコローマンスタイルは強化育成クラブ第1号として1977年に創部されて以来、準優勝2回、3位10回の実績は残してきたが優勝には手が届かなかった。32年目にして巡ってきた千載一遇のチャンスも安易な道のりではなかった。山本かボリスのどちらかが敗れると日体大44,5ポイント、山学大44,0ポイントとなりわずか0,5ポイント差で悔し涙を流すことになる。
最初に登場した山本雄資は観客席からは悠然と構えているように見えたが、内心は極度の緊張感だったという。第1ピリオド最初の1分間のスタンドプレーは両者ポイントなし、30秒間の攻防のグランドプレーは審判のボールピックアップで赤の山本の先攻、ここで豪快なそり投げでビックポイントを上げ第1ピリオドを取る。第2ピリオドは最初からエンジン全開で攻撃、スタンドプレーでバックを奪い、グランドに入ってすぐに俵返しで3ポイント、がぶり返しからローリングとビックポイントを連発してテクニカルフォール勝ち、相手の山田亨(群馬大)に攻める隙を与えず圧勝で優勝した。
続いて登場したムジコフ・ボリスはさらに相手を圧倒した。第1ピリオド最初のスタンドプレーでバックを取り、そのままグランドに持ちこんでローリングで攻め続け開始からわずか1分20秒でフォール勝ち、相手の高山裕章(日本文理大)にレスリングをさせずに完勝の優勝。ロシアから留学生として来日して3年、物静かな気は優しくて力持ちの好青年は母校の団体優勝に大きく貢献した。
最終大学別成績は、1位山学大48点、2位日体大45,5点、3位徳山大27,5点、4位拓殖大27点、5位専修大24点等となった。
個人表彰は、最優秀選手賞に倉本一真、最多フォール賞にムジコフ・ボリス、最優秀監督賞に高田裕司監督が選ばれた。
山本雄資選手は「自分が優勝しないとチームが優勝できない状況だったので、プレッシャーで緊張しました。先に攻めてポイントを取れば勝てるという自信はあった、最後なので思い切り攻めた」と決勝戦を振り返った。
ボリス選手は「準決勝は強い相手で厳しかったが、決勝は思い切って行けた、優勝出来て嬉しい。一生懸命練習して来年も優勝したい」と少し上手くなった日本語で答えた。
■大会最優秀選手に選ばれた倉本一真選手は「今年はずっと勝てずに2番続きだった、この大会は2連覇もかかっているし絶対負けられないという気持ちで臨んだ。自分らの手でチームが初優勝出来た事が非常に嬉しい、自分の場合は大学が変わったが、山梨学院に来て下田先生、高田先生のお陰でここまでやってこれた、先生とチームの皆に感謝しています」と声を詰まらせた。
下田正二郎部長は「この勝利はフリースタイルと言われていた山梨学院がグレコも取った歴史的な優勝となった、格別な思いがあります」と創部からの歴史を全て知る伯楽は感慨深げに語った。
高田裕司監督は「今期はグレコで優勝するぞ、と学生に言い続けて来たので非常に嬉しいです。この大会でまた優勝するのは厳しいでしょう、それぐらいグレコで優勝するのは難しい。これで大学の4大タイトルをすべて制したことになった」と安堵の表情で喜びを語った。
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