山梨学院パブリシティセンター
第19回世界空手道選手権大会 2日目
〜6年ぶりの世界チャンピオン奪還ならず〜
〜片田貴士(山学大職員)初戦で姿消す〜

“世界空手東京”第19回世界空手道選手権大会二日目の14日、形と組手の個人戦が行われた。この日も日本武道館は空手の祖国日本で31年ぶりに開催された世界選手権に集結した約90カ国の代表1000人の武道家の熱気に包まれた。山梨学院大空手部監督の片田貴士(カレッジスポーツセンター職員)が前日の団体戦に続き形の部日本代表として出場、1回戦でフランス代表のブダミン・ダックと対戦した。片田は最高の演武を行ったと応援席の誰もが思ったが、5人の審判の旗判定は意外にも2−3でフランスの勝利、応援席は一瞬言葉を失った。6年ぶり2度目の世界チャンピオンを胸に厳しい稽古を重ねて来た片田選手は「2年間しっかり練習をつんできたが、結果が出なかった」と肩の力を落とした。



片田選手が育った長谷川空手スクールの後輩たちがこの日も山梨から駆けつけ、
観客席で「ニッポン・チャチャチャ」を大合唱して大声援を送った。矢野彩選手(山梨学院大3年、全日本学生選手権準優勝)は「これまでやってきたことを全て出し切って、楽しんでやってもらいたいと思います。きっと優勝を勝ち取ってくれると思います」と空手スクールの先輩であり山学大の監督である先生の試合を見つめた。片田は団体形は初出場だったが、個人形は2大会連続3度目の出場。2002年の第16回大会で優勝、06年の前回大会は準優勝、現在全日本チャンピオン2連覇中。下馬評では前回優勝のルーカ・バルテシ(イタリア)と片田の一騎打ちと見られていたが、思わぬところに落とし穴があった。育ての親長谷川空手スクールの長谷川伸一塾長は「片田選手の良さは緩急の間合いと技の切れ正確さなのだが、この大会を通してヨーロッパの審判を中心にスピードとパワーを重視する傾向が強まったと感じた。世界の流れがそうならばそれに順応しなければいけない。私が6連覇を始めたのは28歳の時、片田選手はまだ27歳、これからの選手、今日の負けをばねにして次に生かしてほしい」と愛弟子にエールを送った。試合から2時間後、落ち着きを取り戻した片田貴士選手はいつもの誠実さで「先のことは分かりませんが、空手を一から学び直し、向上心をもって練習したいと思います」と胸のうちを語った。下田正二郎カレッジスポーツセンター長は「我々が勝ったと思っても判断するのは国際審判員、これが世界大会の怖さだと思います。地元でやった大会だけに彼も悔しいでしょうが、指導者としてはスタートしたばかり。勝ったことも負けたことも体験してはじめて勝負の厳しさを指導に生かすことが出来る。プレーイングマネージャーとして頑張ってほしい」と語った。
尚、大会は15日に個人組手、男子60kg・65kg、女子53kg・60kg。16日に個人組手、男子70kg・75kg・80kg、女子60kgの予選から決勝までが行われる。
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