

“柔道日本一決定戦”平成20年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会が15日女子、16日男子の日程で千葉市の千葉ポートアリーナで開幕した。この大会は全日本強化選手の選考と2009世界柔道選手権(オランダ・ロッテルダム)の日本代表1次選考を兼ねた大会。15日の女子の部には山梨学院大学柔道部から昨年の日本一小澤理奈(63kg級4年)浅見八瑠奈(48kg級2年)の2人と伸び盛りの黒江優希(48kg級1年)ら11選手が出場した。小澤と浅見はともに10月の学生体重別選手権で学生日本一に輝いており2連覇と2冠を賭けて全日本に挑んだ。残念ながら山学勢は準々決勝までに全員が敗退したが、最軽量級の浅見と黒江の二人は敗者復活戦を勝ち上がり3位決定戦にも勝利して2人揃って3位となり表彰台に上った。小澤は準々決勝で関節技を決められて負傷し、敗者復活戦を棄権した。
■浅見八瑠奈は準々決勝で伊部尚子(筑波大3年)と対戦、5分間の戦いは両者ポイントなし、GS(ゴールデンスコア)方式の3分間の延長戦でも決着がつかず、3人の審判の旗判定1−2の僅差で敗れ、2連覇と2冠の夢を断たれた。浅見は敗者復活戦で気持ちを立て直し、小原優紀(淑徳高)、近藤香(帝京大)の2人を下し、宝真由美(コマツ)との3位決定戦に進出した。この対戦もGS方式の延長でも決着がつかず審判の判定となったが、終始攻め続けた浅見に旗3本が上がり3位の座を確保した。
浅見八瑠奈選手は「途中で負けてしまったが、先生がここで諦めるな最後まで自分の柔道をやれと押してくれて、気持ちを立て直すことが出来ました。チームに同じ階級の仲間(黒江・濱口光)がいる事は強くなるチャンスなので、いいライバルとして3人で頑張っていきたい」と語った。
■黒江優希は準々決勝の福見友子(了徳寺学園)戦で指導2回を取られ敗者復活戦に回った。敗復1回戦で尾木琴美(帝京大)を大外刈り、敗復最終戦で塚原唯有(白鴎大足利高)を背負い投げ技ありで下し、浅見が準々決勝で敗れた伊部尚子との3位決定戦に臨んだ。一進一退のままこの試合もGS方式の延長戦でも決着がつかず、審判の旗判定となり2−1の僅差で3位の座をつかんだ。
黒江優希選手は「3位決定戦は、指導を取られていたので判定になった時に負けたと思ったが、最後まであきらめずに攻め続けたことが勝ちにつながったのだと思います。去年は5位だったので、3位になれたことを素直に喜びたいです。先輩たちは素晴らしい先輩ばかりなので、1年生だからといって遠慮しないでどんどん挑戦していって、いつか追い越せるようなれればいいなと思っています」と語った。
■小澤理奈は1回戦・2回戦を順当に勝ち上がりはしたが、切れの良さが影を潜め動きは硬かった。準々決勝で高校3年生の菊川優希(宮崎商)に開始早々に不覚を取った。巴投げから腕拉ぎ十字固めを決められ開始58秒で参った。右腕を負傷し敗者復活戦の棄権を余儀なくされた。
山部伸敏女子監督は「小澤は無難に無難にと慎重になりすぎた、1回戦も2回戦もゴールデンスコアの延長戦までもつれる試合でいつもの思い切りの良さがなかった。2連覇を意識しすぎたかな」と語った。
この他の選手の成績、濱口光(48kg級1年)1回戦敗退。湧川のな(52kg級2年)1回戦敗退。井上愛耶香(52kg級1年)1回戦敗退。谷口亜弥(70kg級2年)敗者復活2回戦敗退。江口静香(70kg級3年)1回戦敗退。小野江那(78kg級3年)敗者復活2回戦敗退。谷本忍(78kg超級)1回戦敗退。甲斐南(78kg超級)1回戦敗退。
西田孝宏総監督は「優勝狙ってた小澤が関節を取られて敗れ、浅見は競り負けた。よくなかったが、浅見は最後まで踏ん張って3位を確保したので世界の足掛かりは何とか残せたのかな。1年生の黒江は良く3位に食い込んだ、最後まで強気で攻め込んだのがいい結果につながった」と語った。
尚、大会は明日16日に男子の部が行われる。山学大からは学生体重別選手権で初優勝した西田泰悟(90kg級3年)、準優勝の早野友樹(66kg級3年)ら4人が出場する。(M.I)
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アルバム浅見 |
アルバム黒江 |