
男子第61回、女子第17回関東高校駅伝競走大会は11月22日、西湖畔を周回する男子7区間(42,195km)、女子5区間(21,0975km)で1都7県の代表男女6校、計96校が参加して行われた。女子の部は全国大会が20回記念大会のため南関東、北関東の地区代表各1校(出場権を獲得している県代表校を除く成績最上位校)を選ぶ代表選考を兼ねて競われた。山梨県予選2位の山梨学院高校女子は、南関東ブロック敗者復活出場を胸にレースに臨んだ。1区に起用されたスーパールーキー深田伊万里(1年)がスタートから飛び出しトップと8秒差の3位と好発進したが、そのあとが続かず最終成績11位に終わり都大路を走る夢は断たれた。一方、山梨農林に敗れ11年連続の全国大会出場はならなかった男子は、出場選手全員を1年生に切り替え“打倒農林”を合言葉に7人がたすきをつなぎ、2時間13分57秒の好タイムで山梨農林を上回る17位で雪辱のゴール、山梨学院高駅伝部は雪化粧の白富士に来年の全国大会出場を誓った。
関東大会のレースは西湖の湖畔道路を車両通行止めにして行われた。男子午前10時30分、女子10時40分に西岸の西湖レストハウス前をスタート、男子は湖を4周、女子は2周して根場運動場にゴールする周回コースで争われ、576人の関東を代表する高校生アスリートが母校のたすきを胸に紅葉に染まった湖畔で健脚を競った。
≪女子の部≫
女子の部の山梨学院は、最長の1区(6,0km)に3000m全国9位の記録を持つスーパールーキー深田伊万里(1年)を起用した。深田はスタート直後から先頭でレースを引っ張り、県予選の時の20分24秒を34秒短縮させ、19分50秒の好タイムでトップと8秒差の3位で発進したが、2区田中美里(2年)、3区山崎楓(1年)、4区諏訪はな(2年)、5区岸麗佳(3年)はいずれも区間12位から18位の走りで低迷、最終成績は1時間13分52秒で11位に終わった。山梨代表の韮崎は1時間12分36秒で5位、南関東代表として全国大会に敗者復活出場するのは、埼玉栄、常盤群馬に次ぐ3位(1時間11分37秒)で走った神奈川の秦野高と決まった。
≪男子の部≫
男子の部の山梨学院は、来年以降に向けて出場メンバー全員を1年生で固めた布陣、山梨農林を徹底的にマークする作戦でレースに臨んだ。1区の箕輪が農林と8秒差でつなぎ、2区の笹本が区間4位(学校新記録の8分52秒)の好走で農林を逆転、そのリードを3区有泉、4区上田、5区平塚、6区原が保ち、アンカーの手塚が17位でゴールした。それぞれの区間順位は1区箕輪潤平19位、2区笹本晴希4位、3区有泉潤23位、4区上田誠斗27位、5区平塚祐三7位、6区原 寿人12位、7区手塚祐太朗22位。最終成績は2時間13分57秒の17位、19位(2時間14分36秒)だったライバルの農林に県予選の借りを返して雪辱した。1位は埼玉栄で男女アベック優勝(2時間07分20秒)、2位佐野日大、3位那須拓陽だった。
■女子のアンカー
岸 麗佳主将(3年)は「きつかったけど最後の駅伝になるかも知れないという思いで一生懸命走りました。私以外は皆残るので、来年は絶対全国に行ってもらいたい」と後輩たちに全国への思いを託した。
■女子1区を走った
深田伊万里選手(1年)は「19分20秒ぐらいを設定して走ったが30秒ほど遅かった、区間賞を取れなくて残念です。1区の流れを作るのは難しい事を県予選と合わせ2回体験しました。自己管理をしっかり行ってもっと強くなりたい」とレースを冷静に分析していた。
■男子1区
箕輪潤平選手は「スタート前に農林に付いて行こうという作戦を立てて1キロ付近で付けたのでそのまま最後まで付きました。自分の目標としては31分30秒ぐらいで走れればと思っていたので31分20秒という記録には満足しています」と後につなげた走りを振り返った。
■男子2区
笹本晴希選手は「最初を抑え過ぎて、最後の力を余らしてしまった点は悔しいが、農林を抜いてチームの流れを作れたのは良かった。今年は県予選で悔しい思いをしたので、来年はチーム一丸となって都大路に出たいです」と農林からの覇者奪還を誓った。
■男子3区
有泉 潤選手は「来年はケガをしている2年生の人たちが走れるようになるのでもっと強いチームになると思います、自分の目標は10キロや8キロをもっと速く走れるようになることです」と抱負を語った。
■男子4区
上田誠斗選手は「自分の走りは県予選よりは走れたが、出来はまだ40%ぐらいしか出来ていない。来シーズンは駅伝に慣れて1区とか3区が走れるような選手になって安定した走りが出来るようにしたい」と自分の走りを分析した。
■男子5区
平塚祐三選手は「県予選の時は最初突っ込みすぎて、中間点あたりでペースが落ちて、そこから立ち直せなかった。関東では前半を抑え気味に入り同じ失敗をしないで走れたので良かった。来年は絶対都大路に行きます」と胸の思いを力強く語った。
■男子6区
原 寿人選手は「前半すこし押さえて、後半風が強いのでそこで頑張る作戦でした。前の選手が農林より早く来たので、自分も流れに乗って、いい走りが出来たと思います」県高校総体1500m優勝の実力を充分発揮した。
■男子7区の
手塚祐太朗選手は「全員が1年なのでまさか農林より早く来るとは思わなかった、折り返し地点で農林がすぐ後ろに来ているのが判りアンカーの自分で抜かれるわけにはいかないと懸命に走りました」と責任を果たした顔で肩の荷をおろしていた。
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渡辺繁生監督は試合後全選手を集め「男子も女子も全国に行けなかった悔しさを来年に生かしてもらいたい。男子は留学生がいなくても2時間13分台で走ったことは自信を持っていい、女子の1時間13分もそれだけ力が付いているというタイムだから自信を持ってほしい」と選手に語りかけ、記者団の質問に対しては「女子の深田は東日本の試合の疲れが残っていて目標より30秒遅かった、もっと走れる。これからの選手なので焦らずにじっくり育てていきたい。来年は有望な選手が3人ほど入ってくる予定、県予選での男女アベック優勝を目指し、1年間時間をかけて全国で戦えるチームを作っていきたい」と語った。(M.I)
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