平成２０年度関東総合バスケットボール選手権大会が１１月２９日、東京・三鷹の武蔵野総合体育館で行われた。この大会は１月に開催される全日本バスケットボール選手権（オールジャパン）に出場する関東代表１チームを決める関東ＮＯ1決定戦。１都7県の代表男女１６チームが出場、山梨からは男子がＩＮＦＩＮＩＴＹチーム、女子は山梨学院大女子バスケットボール部が県代表として出場した。山学大女子バスケットボール部はこの春に強化育成クラブとして誕生した新星チーム、１２人の部員は全員１年生で全国各地の高校から結集した。対戦チームの千葉女子教員チームは２年後の千葉国体に向けて選手強化中で社会人や大学１部リーグで活躍した実力者揃いの強豪チーム。山学女子は立ち上がりでシュートが決まらずに浮き足立ち、第１ピリオドは６−２１と大きく引き離された。後半は落着きを取り戻し最後は６８−７６と８点差に詰め寄ったが試合終了のホイッスル。１年生軍団でのオールジャパン進出はならなかった。山学チームは関東大学リーグ４部で優勝、１０月２６日の３部４部入れ替え戦で聖徳大に勝利して昇格を決めており、来シーズンは３部リーグに躍進し優勝を目指す。

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チームの指揮を執るのは日立那珂・富士通などのヘッドコーチ、アテネオリンピック女子ナショナルチームコーチなどを歴任した理論派の名将梅嵜英毅監督。今日のスターティングメンバーは長身のセンター藤原有里（１７７cm聖カタリナ高）、同じくセンターの佐藤みなみ（１７５cm札幌創成高）、フォワードの宮内智子（１７１cm 市立尼崎高）、ガードの羽田真実（１６４cm 富士学苑）、小柄ながら抜群の動きを見せる司令塔の原絵美（１６０cm 岡山就実高）の５人。主将のフォワード三村亜生（１６８cm福井足羽高）、センター村田優（１８０cm 宮城明成高）、センター赤石仁美（１７７cm 清林館高）、ガード外村悠貴（１７０cm 静岡商）の４人はベンチスタートとなった。膝の靭帯を負傷しているフォワード山田真澄（１７０cm 札幌山の手高）と右足首を痛めて松葉杖のフォワード田中陽子（１６８cm 福岡八幡南高）の２人はベンチ入りから外れた。
試合は最初の１０分間で全てが決まってしまった。山学メンバーは立ち上がりで立て続けにシュートを外し、リバウンドを相手に拾われて速攻から得点を与えるシーンを繰り返し、浮足立ってしまった。第１ピリオドの１０分間で得点を上げたのは原が最初と最後に３ポイントを決めた６点のみ、６−２１と大きく引き離され、第２ピリオド５分では１５−３７とダブルスコア以上の大差をつけられた。シュートは精度を欠き、リバウンドはことごとく奪われ、パスをカットされる、チームは創部初の“試練の時”の中にいた。ハーフタイム、ベンチに戻った選手たちを梅嵜監督は激怒した「ディフェンスを頑張ってもオフェンスを雑にしたら何の意味もない、パスした後動いていない、何やってんだ走れ」と喝を入れた。後半開始、選手たちは気持ちを切り替えた、やっと落ち着いてプレーするようになった。佐藤がポストプレーを決め、外村が３点シュート、藤原がカットインで切れ込む、残り５分に６０−７０の１０点差、会場にどよめきと緊張が走った。しかし、試合巧者の千葉はここから時間をうまく使い始め差を縮めさせない、残り３４秒三村がフリースローを決めて６８−７６の８点差まで詰め寄ったがここで試合終了、立ち上がりの大差が試合を決めたゲームだった。三村亜生主将は「シュートも一人一人焦っていたし、オフェンスのリバウンドが取れなかった。ディフェンスは一人一人の隙が相手の得点につながって守り切れなかった」と反省し立て直しを誓った。司令塔の原絵美選手は「立ち上がり受け身になってしまい、皆、力が出し切れなかった。後半はリズムに乗れた攻撃が出来た。来年は新入生も入ってくるし、ケガをしている選手も復帰してくれるので皆で力を合わせ、他の大学に負けないように頑張りたい」と語った。戦いを終えた選手たちに古屋光司部長は言葉をかけて「これで終わりではなく戦いは始まったばかり、皆が狙うのは大学日本一、明日に向かい今日からまた頑張ってください」と激励した。梅嵜英毅監督は「前半は足が動かなかった。後半は動いていいシュートにつなげた、あの動きを立ち上がりから出来るようにしなければいけない」とゲームを反省し、今シーズンについて「４部から３部に上がるという目標は達成できた。春のトーナメントでもシード権を取る事が出来たので、来年につながるいい１年目だったと思う。来春には新人が入ってくるので今の１１人と新人で強いチーム作りを来年１年間しっかりやっていきたい」と語った。（M.I）
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