
今年度から始まった学生たちが葡萄栽培を体験するユニーク授業「総合基礎教育科目・葡萄栽培とワイン醸造」の学生体験報告会が1月28日、協力農場主らをクリスタルタワー7階広報スタジオに招いて行われた。この授業は県外出身者が多い山学大生たちに日本一の生産量を誇る山梨のぶどうとワインがどのようにして出来るのか体験を通じて見識を持ってもらおうと企画された。25人の受講生は5班に分かれて5軒の農場を訪ね、4月から10月にかけて毎月1回程度合計6回農作業を手伝い、芽掻き・ジべ処理・袋かけ・収穫など季節変化に合わせ迅速に行わなければいけない葡萄栽培を実体験学習した。報告会では各班がパワーポイントを使って発表を行い、広報スタジオの51型6面マルチビジョンに各班の体験の様子が映し出された。学生と地域の住民がしだいに親密になり、人間関係を深めていく模様も同時に映し出された。
山梨ならではの授業に協力した5農場は、三森農園(菱山)、フルーツハウス矢野(御坂)、松木農園(甲府)、久保田観光農園(勝沼)、サドヤ農場(善光寺)。体験報告会には農場の主人と奥様らも出席し学生たちの報告に耳を傾けた。最初に発表した三森農園班は、5月24日に芽掻き作業を行い、6月28日に雨からブドウを守る傘かけ作業、7月12日に病害虫から房を守る袋かけ作業、8月12日に出荷作業を手伝ったと栽培体験を発表した他、まるきワイナリーを見学してワインが5年・10年・30年と熟成されることや海外ワインとの価格競争の波の中にいる現実を学んだと報告した。5つの班ごとにそれぞれの農場体験が発表されたが、学生たちは一様に「ぶどう農家の人たちがこんなに丹精込めて一房一房大切に育てているなんてまったく知らなかった」と話し、お世話になった農場に感謝の言葉を述べた。受講生の一人
津金澤真由美さん(法学部法学科4年)は「群馬県の出身で山梨に来るまで葡萄の木さえ知らなかった、とても楽しかったし群馬の家族にぶどうの出来るまでを自慢話してしまいました。山梨の歴史を知ることにもなりました」と笑顔で語った。協力者の一人
松木農園の松木さんは「思っていた以上に勉強して発表してくれて感心しました。今、農家はどうしたら新たな販路が開拓できるのか頭を悩ませています。柔軟な発想で、次は販売のお手伝いもして頂きたい」と学生たちに語りかけた。発案者の
上條醇法学部長は「栽培体験を通して、学生時代を過ごしている山梨の文化や歴史を知り、体験を卒業後の社会生活に役立ててほしい」と語った。報告会の後、会場をキャンパス内のプルシアンブルーに移し協力農場やワイナリー関係者への感謝の夕べが催された。
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