山梨学院パブリシティセンター
酒折連歌賞十周年記念
〜山学大キャンパスに創設記念碑建立 除幕式〜
〜表面は神話の山をイメージ 裏面に由来記載〜

山梨学院大学は2月19日、酒折連歌賞が第1回大会開催から十周年を迎えたのを機に、大学キャンパス内に『酒折連歌賞創設記念碑』を建立し除幕式を行った。連歌は古代、甲府市の酒折宮に立ち寄った日本武尊が「新冶筑波(にいばりつくは)を過ぎて幾夜か寝つる」と歌ったのに対し、その場に居た火焚き役の翁が「日々(かが)なべて夜には九夜日には十日を」と返歌したとする故事から、酒折宮が発祥の地とされる。「酒折連歌賞」は1998年に山学大と酒折連歌賞実行委員会が発祥の地にちなみ創設、今年度で大会開催十周年を迎えた。記念碑は大学正門近くの4本のヒマラヤスギが見守る庭園跡広場に建立され、除幕式には関係者と附属中・高生ら約350人が参列、三枝昂之選考委員ら代表15人が白布の先端の綱を引き完成を祝った。碑は高さ2m16cm、横幅2m62cm、黒御影石で巻物風に縁取られ、表面は神話の山をイメージしたブロンズの浮き彫りレリーフ、裏面には賞の由来が銅版にエッチングされている。
八ヶ岳おろしが吹く中、川手千興酒折連歌賞実行委員長が「応募者が増え、今回の十周年記念大会には過去最高の5万2703句もの応募があった。中学生・高校生の10代の応募が増えていることは喜ばしい限り」と応募者が年々増加している事と記念碑建立の経過を報告。古屋忠彦学長は「古事記や日本書紀のいにしえの話にロマンを馳せていただきたい、学園を訪れる人たちが裏面に書かれた由来を読み、山梨学院と連歌との関係についてご理解いただければ幸い」と挨拶した。選考委員を代表して歌人の三枝昂之氏が祝辞を述べ「歴史や文化は、それを伝承する人がいないと忘れられてしまう。山梨学院の努力に感謝するとともに、生徒諸君は自分たちの学びの場所が、日本の定型詩文化の発端の地である事を大切にして学んで頂きたい」と語った。除幕は選考委員のほか、酒折宮宮司、酒折東部自治会長、大学・短大・高校・中学・小学の学生生徒代表ら15人によって白布が引かれ、サファイア・ブラウンの記念碑が姿を現した。附属中・高音楽部が「早春賦」など2曲を合唱、寒風の会場に清楚な歌声が響いた。記念碑を制作したデザイナーの野崎宏之氏は「描いた山は実存の山ではなく架空の山、日本武尊が越えたであろう神話の世界の山をイメージした」と語った。
十周年を迎えた酒折連歌賞は、昨年5月から6月にかけて10周年記念講座が3回にわたり開講されて酒折宮を訪ねる企画が実施されるなど、酒折の地と連歌への関心を更に広める努力が行われている。賞への応募は回数を数えるごとに増え、5年前からは毎年3万句を超える返歌が全国各地や海外からも寄せられるほどに成長、十周年記念大会では始めて五万人を突破、作り上げ積み上げられた言の葉の総数は約29万7000句に上っている。
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