山梨学院パブリシティセンター
第3回シリウス保育講座
〜保育士と保育所「自己評価」のはじめ方〜
〜自己評価の取り組み方について提言〜

山梨学院生涯学習センターは2月21日、第3回シリウス保育講座を開講した。山梨県内の保育士と自治体関係者など約300人が、会場の山梨学院40周年記念館メモリアルホールに駈けつけ講演と提言に耳を傾けた。生涯学習センターは活動の一環として平成18年に地域福祉サービス研究部シリウスを設置、児童福祉施設第三者評価事業にも取り組んでいる。今回の講座は、福祉サービスの質の向上と保育関係者への情報提供を目的に、昨年2月の第1回、8月の第2回に次ぐ第3回講座として開催された。テーマは過去2回と同様「改定保育所保育指針」についての研究。厚生労働省は昨年3月に幼稚園、保育園指導者の学習指導要領『保育所保育指針』を改定、新年度の4月から適用される。新指針では新たに「保育内容の自己評価」が盛り込まれ、保育士・保育所に「自己評価」が求められることになった。第3回講座では、三神敬子山梨学院短大学長らによる自己評価の具体的取り組み方についての講演と提言が行われた。
改定『保育所保育指針』では、保育士は自己評価することを通して専門性の向上や保育実践の改善に努めなければならない。保育所は保育の内容について自ら評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならないと規定している。
最初に講演した三神敬子山梨学院短大学長は「自己評価はじめる前に〜知っておきたい3つのポイント」と題して、1、人としての自分を振り返る。2、福祉教育の専門職者として専門性を確認する。3、保育所組織の一員として自分の役割を認識する。この3ポイントを大切にして「せめて1年に1回、急がず、休まず、真心こめて、自己評価を繰り返しましょう」と講演した。次いで保育科の山内淳子教授真宮美奈子准教授が「自己評価はじめの一歩〜すぐにも使える評価シートのご紹介〜」と題し、保育士と保育所それぞれの自己評価の取り組み方についてパワーポイントを使って講義を行い、自分たちが考案した評価シートを例に具体的な自己評価票の作成方法について提言を行った。新指針が適用される新学期が近づき、参加者は真剣な表情で資料を見つめペンを走らせていた。講演後の質疑応答で、山梨学院大学附属幼稚園の田中香織保育士が「保育士になって1年目で、自分の保育を振り返る時間も余裕もなく、マイナスの自己評価になってしまうのでは」と発言したのに対し、真宮美奈子准教授は「ネガティブに考えるのではなく、アメリカ人のように、自分はこんな所を頑張っていますと、自己評価は自分を前向きに発表する場と考えて頂きたい」と答えた。講座後のインタビューで富士吉田市立第1保育園の渡辺美津子主任保育士は「この1年間、参考書を取り寄せたりして学んで来たが、無理やり現場に下ろすと抵抗感を感じる者もいるだろうと型にはめ込んで発想していた。今回の講座で、色々な視野から自分達を高めていく場にする足がかりを頂いたと思います」と語った。国が進める「保育所保育指針改定」への対応や保育のあり方について研究するこのシリウス保育講座は、今後、夏ごろに第4回、22年春ごろに第5回開催が計画されている。
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