
山梨学院大硬式野球部監督に就任する高橋一三氏(62歳・広島県出身)が3月23日、山梨学院広報スタジオで就任会見を行った。高橋氏は巨人V9時代に右の堀内恒夫・左の高橋一三と謳われた元巨人軍左腕エース。1973年に年間23勝を挙げ2度目の沢村賞に輝いた他、日本ハム移籍後の1981年には日ハムのリーグ優勝にも貢献、現役引退後は巨人と日ハムの投手コーチと巨人2軍監督を務めた。高橋氏の二男一人氏は5年前の山梨学院高野球部主将、プロとアマの垣根が低くなったのを機に、かねてから親交のある高橋氏に大学は監督就任を要請していた。日本野球協会が3月9日付けで高橋氏を「元プロ野球関係者の大学野球部監督に関する特別審査資格認定者」に承認したのを受け、4月1日付けで山学大硬式野球部監督に就任する。記者会見で高橋一三新監督は「チームを関甲新リーグの優勝争いに絡むチームに育て、大学選手権に出場するよう一歩一歩進めていきたい」と語った。
山学大野球部は2005年に強化育成クラブに指定され、埼玉以北の関東及び甲信越の大学チームで組織される関甲新学生野球リーグ1部に所属するものの、上位進出は難しく、昨シーズンは入れ替え戦勝利で辛うじて1部に残留した。
高橋一三新監督は「息子がお世話になった縁もありお引き受けした。プロ野球を36年間はユニホーム姿で、8年間は外から見て来たが、正直なところ、大変な仕事を引き受けてしまったというのが本音です。この年齢ですから自分の集大成として取り組み、学生野球に一つの足跡を残したいと思っている。チームを関甲新リーグの優勝争いに絡むチームに育て、大学選手権に出場するよう一歩一歩進めていきたい」と物静かな口調で記者団の質問に丁寧に答えていた。
高橋監督は会見後、川田「未来の森運動公園野球場で行われた山学大対明治大のオープン戦で初采配を振るった。試合は山学大の先発雨宮 敬(4年 山梨学院高)が変化球を巧みに投げ分け、明大のクリーンアップを完璧に抑え込み、7回2安打無失点9奪三振と好投。8回から登板した佐藤嘉鉱(3年 清水商)が先頭打者に一発を浴びたが、打撃陣が明大の5人の投手から5安打7四死球を奪い5対1と快勝、12日後に始まる春のリーグ戦に向け順調な仕上がり具合を見せた。
雨宮 敬投手は「高橋監督から、もっとシュートを使うようにとアドバイスされ、今日は思い切って右バッターのインコースにシュートを投げた。投球の幅が広がりいいピッチングが出来た。4年で最後の年、自分が頑張らないと神宮に行けないので、投げる試合は全部勝つことを目標にトレーニングに励みたい」と語った。
作田和樹主将(4年 木更津総合)は「監督はポイントを判り易く言ってくれるので取り組み易い。昨年は最下位だったが、今年は神宮を狙うんだという気持ちでやっている。相手チームがどこであろうと、自分たちのやるべきことをしっかりやるチームを作り、勝ち進んで行きたい」と語った。
伊藤 彰コーチ(山梨学院高〜ヤクルト)は「高橋監督から、積極的なプレーを心掛けるようにという指示が出てから、選手たちは思い切って盗塁を試み、思い切って前に出てプレーするようになった。今年は“絶対的積極”をテーマに掲げ、どんな苦境でも最善を尽くす“心と体”を育てていきたい」と語った。
山学大野球部が所属する関甲新学生野球春季リーグ戦は、来月早々の4月4日に開幕する。山学チームの対戦相手は白鴎大、新チームは栃木県小山運動公園野球場で行われる開幕2連戦に臨む。
アルバム(記者会見) アルバムオープン戦