山梨県高校野球連盟は4月27日、小瀬球場と富士北麓で第61回春季関東地区高校野球山梨県大会(第6日目)2回戦2試合と3回戦4試合を行った。小瀬球場の第3試合は山梨学院大学附属高校 対 甲府西高校戦が行われた。山梨学院は1回表、先発の左腕・荒井康平(3年・甲府南シ)が、四死球3の単打、そして2塁打と思わぬ乱調で2点を先取された。その裏、二死一・二塁で5番・松浦航平(2年・青葉緑東シ)が劣勢を払拭する中越え三塁打で2対2の同点とした。再び、2対3とリードされた3回裏、1番・細谷竜児(3年・高崎ボ)の中前安打 、2番・鈴木悠介(2年・青葉緑東シ)の一塁線へのセーフティーバントで二・三塁 。続く3番・小林夏樹(2年・長野北シ)の犠打でそれぞれ進塁させ、主将4番・羽田翔(甲府南シ)の左前適時打で再び3対3の同点とした。さらに、一死一・三塁、相手遊撃手の連続3失策を誘い6対3と逆転。続く8番・杉田康太郎(2年・羽村シ)の中前安打で満塁にし、9番・中根龍也(2年・大田シ)の左前適時打で7対3として試合を決めた。守っては、2回二死満塁で荒井の後を引き継いだ左腕・中根龍也が死球で1点を失ったものの見事に火消し役を務め、エース右腕・山田祐也(3年・猿橋中)にリレー。エース・山田は6回と7回をピシャリと抑え、7回コールドの12対3で勝ち、ベスト8へと駒を進めた 。次は5月2日午前11時から小瀬球場で甲府南高校と東海大甲府高校の勝者とベスト4進出を賭けて戦う。
1回表、3年間で初めて公式戦のマウンドに立った左腕・荒井。1番バッターを内野ゴロに討ち取り波に乗るかと思われたが、2番を四球、3番を投手ゴロに討ち取り二死二塁としたが、続く4番に死球を与えて二死一・二塁。2ー3から5番に右前適時打、2ー0から6番に左前二塁適時打されて0対2、7番に死球で満塁とするが8番を空振り三振に討ち取りチェンジ。
1回裏、1番・細谷が左前安打で出塁。2番・鈴木の1ー0からの2球目に盗塁を仕掛けるが 捕手からの送球で2塁タッチアウト。2番・鈴木は四球を選び一死一塁。二死後、鈴木は主将4番・羽田の0ー2からの3球目で二塁に盗塁。羽田は四球を選び二・三塁。ここで5番・松浦航平が1ー2からの四球目の外から甘く入ってきた変化球を叩き中越え三塁打で鈴木と羽田を生還させ2対2の同点。
振り出しとなった2回表、左腕・荒井は先頭打者の9番を2塁ライナーに討ち取る。続く1番に2塁へ内野安打されると、2番打者の1ー0の2球目をワイルドピッチし2塁に進塁。2番打者は三振に討ち取り二死二塁とした。それも束の間、3番に四球、4番に死球で満塁とされノックアウト、左腕・中根龍也にマウンドを譲った。後を引き継いだ左腕・中根は死球で1点を失い2対3と再びリードを許した。暗雲が垂れ込めるなか左腕・中根は3回表、二死後に9番に四球、1番に内野失策で一・二塁とされ、続く2番の2ー1の4球目にダブルスチールされ二・三塁と揺さぶりをかけられるが、良く落ち着いて右翼飛に討ち取り0点とした。
3回裏、1番・細谷の中前安打 、2番・鈴木の一塁線へのセーフティーバントで二・三塁。3番・小林夏樹(2年・長野北シ)の犠打で一死二・三塁。続く主将4番・羽田の左前適時打で3対3の同点。さらに、一死一・三塁、5番・松浦、6番・青山祐己(2年・浦安シ)、7番・渡辺昌也(3年・甲府中央ボ)が相手遊撃手の連続3失策を誘い6対3とした。さらに8番・杉田康太郎(2年・羽村シ)の中前安打で満塁。続く、9番・中根龍也(2年・大田シ)の左前適時打で、この回に一挙5点を奪い7対3と勝ち越した。
4回表左腕・中根が0点に抑えリズムが出てきた。その裏、3番・小林が中前安打で出塁。主将4番・羽田の2ー2の5球目のワイルドピッチで三塁に進塁。一死後、5番・松浦の中犠飛で生還し8対3とした。
左腕・中根が5回表も0点に抑え、さらにチームはリズムに乗る。5回裏、7番・渡辺に代わって打席に立った田口蒔人(1年・青葉緑東シ)は、ボールになる変化球を振らされバットが空を切ったが、捕手が捕球できずに後方に転がる間に一塁に駆け込み出塁。さらに8番・杉田の犠打で2塁に進塁。一死二塁、9番・中根に代わって岩島範和(1年・青葉緑東)が打席に、岩島はアウトローの真直ぐを叩き、右前に運び田口を生還させ9対3。ここで岩島に代わり、俊足の高橋雅英(2年・三島シ)が代走で送られた。俊足の高橋は1番・細谷の犠打で2塁に進塁。2番・鈴木の中前で、一気にホームを駆け抜け10対3とした。
6回表、エース右腕・山田祐也(3年・猿橋中)が登板し、テンポ良く投げて3人で討ち取ると、その裏の二死後、6番・青山は0ー1からの2球目を叩き、先発全員安打となる中越え二塁打を放った。2塁を途中から守った花澤冴俊(2年・千葉市シ)が7番で打席に立ち四球を選び一・二塁。8番・杉田の左前安打で満塁とし、9番・山田が中前に運び青山、花澤が還り12対3とした。二死一・二塁、1番・細谷に代打・角田皓太(2年・千葉市シ)が送られたが2塁フォースアウトとなった。
エース・山田は7回も3人をピシャリと抑え、7回コールドの12対3で勝ち、ベスト8へと駒を進めた 。
主将4番・羽田翔(甲府南シ)は「先発投手の立ち上がりが悪かった。しかし、点を取られた後、すぐに取り返すことが出来た。流れが2回相手に行ったが、すぐに流れを取り戻せたのが勝因。しかし、相手のエラーに助けられたので、こうした課題を次の試合までに克服したい。うちのチームは若いチーム、一戦一戦チームは成長している。ベスト8はどこのチームが来ようが、チームのスローガン『全力』で、声を出し、走り、守り、打ちチーム一丸となって戦って行きたい」と力強く述べた。
2点先取され中越え三塁打の同点打を放った5番・松浦航平(2年・青葉緑東シ)は「初回、2点を取られチームは苦しい場面だったので、打ってチームを楽にしたかった。一球一球集中して臨んだ。外から真中に入ってくる甘い変化球を、自分のスイングで捕らえられたので抜けると思った」と笑顔で振り返った。
9番・中根に代わって代打し、初打点を挙げた大型ルーキー・岩島範和(1年・青葉緑東)は「田口が二塁にいたので絶対田口を還そうと思った。前回、代打でチャンスをもらい三振と悔しい思いをしたので積極的に行った。打ったのはアウトローの真直ぐ。入学して二打席目の初ヒット初打点。嬉しいです」と卒直に喜んでいた。
エース右腕の山田祐也(3年・猿橋中)は「何時でも、初回から投げられるように準備している。チームには自分がいるからという安心感を持たせるように努めている。下級生が多いので下級生を生かすように、上下関係をなくし同じプレーヤとして接している。チームとしてともに戦い、チームのムードは大変良い。正直言って、先発で投げたい。しかし、夏には一人では投げきれないのでチームプレーに徹したい。もし次に、東海と戦えたなら、秋にチームは東海に勝ったものの、自分は同点にされ弱い所が露呈し、航空戦の敗戦に繋がった。冬に走り込みと、投げ込みを行い投球に幅が出てきたので、再び東海に挑戦したい」と冷静に述べた。
■須田喜照監督は「荒井は3年間で、公式戦初出場、初先発(のプレッシャー)で、初回からストライクが入らず四球、死球で、(勝手に)自分で苦しんでいた。これではリズムが悪すぎて攻撃に繋がらない。せめて5回は保ってもらいたかった。中根が良く繋いでくれ、エース山田が良く抑えてくれた。打撃陣は相手のエラーに救われたが、それでも14安打と繋げる野球が出来た。しかし、外野フライが欲しい所で内野ゴロとか、まだまだ修正すべき点は多い。なるべく多くの選手にチャンスを与えているので、選手は攻守でしのぎを削りレギュラーを争ってもらい切磋琢磨してほしい」と述べた。また、記者からの『次は甲府南と東海の勝者とあたるが、もし東海が来たら』という問いに「好投手の渡辺投手 からはなかなか打てないので、秋の展開(延長12回で渡辺投手を崩して勝利)のように守りから攻撃へもっていきたい」と謙虚に語った。(H・K)
| アルバム1 | アルバム2 |