山梨学院パブリシティセンター
第61回春季関東地区高校野球山梨県大会(第8日目)
山学・エース山田 秘策球ツーシームで東海を完投完封
〜 9回裏3番・小林 渡辺から中越えサヨナラ打 〜

山梨県高校野球連盟は5月2日、小瀬球場で第61回春季関東地区高校野球山梨県大会(第8日目)準々決勝4試合を行った。第2試合は秋に延長12回の死闘を演じた両雄、山梨学院大学附属高校 対 東海大甲府高校の試合が行われた。後攻の山梨学院はエース右腕・山田祐也(3年・猿橋中)が強打の東海大甲府を相手に秘策球ツーシームファストボールを織り交ぜて5安・1四球・1死球・3三振の105球で完投完封。攻めては、先発の左腕・高橋裕也に対して5回を6安打1四球3犠打と攻めたてたが、後一打が出ず無失点に抑えられる。6回裏からはエース左腕・渡辺圭が登板。山学は、6回に7番・花澤冴俊(2年・千葉市シ)の中前安打、また、7回裏には1番・細谷竜児(3年・高崎ボ )の左フェンスに直撃の二塁打、さらに8回裏は5番・青山祐己(2年・浦安シ)の左前安打に犠打を駆使して攻めるなど、執拗に左腕・渡辺にプレッシャーをかける。そして9回裏の一死後、1番・細谷が中前安打で出塁し、2番・鈴木悠介(2年・青葉緑東シ)の犠打で三塁に進塁。ここで3番・小林夏樹(2年・長野北シ)が「1ー2からのスライダー」を強振、中堅手の頭上を越えるあたり、俊足の中堅手が一瞬グラブに収めたかに見えたが、二塁から細谷が生還してサヨナラとなった。山学は強豪・東海を相手に、秋に続いてのサヨナラ勝ちを収めた。次は5月4日午前10時から小瀬球場で、日本航空高校と関東出場権を賭けて準決勝を戦う。
山梨学院はエース右腕・山田が先発。エース右腕・山田は1回表に1番を内野失策で出塁されると、続く2番の犠打で一死二塁とされた。エース・山田は3番に四球を与えて一・二塁とピンチを迎えた。しかし、続く4番を一塁ゴロに仕留め併殺で切り抜けた。エース右腕・山田は4回表、5回表、6回表、7回表と単安打されるが何れも後続を討ち取り無失点。9回表の一死後、5番に左前安打されるも、山田は公式戦で初めて投げる直球よりも揚力が小さく沈む球、ツーシームファストボールを織り交ぜて、今年、初完投初完封の勝利を挙げた。
攻めては、先発の左腕・高橋に対して、1回裏一死後に2番・鈴木が右中間を破る二塁打。2回裏一死後、6番・松浦航平(2年・青葉緑東シ)、7番・花澤冴俊(2年・千葉市シ)が連打し一・二塁、続 く8番・杉田康太郎(2年・羽村シ)の犠打で一死二・三塁としたが、後続が続かず無得点。4回裏、無死から6番・松浦、7番・花澤と連打し一・二塁、8番・杉田が送れず、9番・山田の犠打で二・三塁としたが1番・細谷が三振に倒れ無得点。5回裏、先頭打者の2番・鈴木が左前安打、続く3番・小林の犠打で2塁に進塁したが、この回も無得点に抑えられた。
6回裏から、東海のエース左腕・渡辺がマウンドに登った。一死後、7番・花澤が中前安打で出塁。送りバンドが決まらず、後続も討ち取られ無得点 。7回裏には1番・細谷が左フェンスに直撃の二塁打。続く2番・鈴木の犠打で細谷が二塁に進塁。しかし、3番・小林、4番・羽田が三振に討ち取られ無得点。8回裏に5番・青山の左前安打。続く6番・松浦の犠打が渡辺の失策を誘い無死一・二塁とした。しかし、7番・花澤の一塁への犠牲バンドが三塁フォースアウト、さらに8番・杉田の遊撃手へのゴロで併殺とされ無得点。9回裏の一死後、1番・細谷が中前安打で出塁、2番・鈴木の犠打で細谷が三塁に進塁。このチャンスに3番・小林は1ー2からのスライダーを強振、中堅手の頭上を越えるあたり、俊足の中堅手がグラブに収めたかに思えたがグラブを弾き、サヨナラ勝ちを収めた。
主将4番・羽田翔(甲府南シ)は「山田を中心としたディフェンスから最終回の細谷のヒット、そして小林のサヨナラ打と、オフェンスに繋がった。チームのスローガン『全力』で、声を出し、走り、守り、打ち、チーム一丸となって戦うということが、実践できた一戦だった。準決勝の日本航空には、秋に負けているので、平常心でスタンド、ベンチ、グランドが一丸となって『全力』で戦い、リベンジしたい」 と決意を述べた。
■サヨナラ打を放った3番・小林夏樹(2年・長野北シ)は「前の打席でチャンスを2回潰して、チームに迷惑をかけていたので、ランナーを還さないといけないという一念で打席に入った 。1ー2からのスライダーを強振。強豪の東海に向けて練習に励んできた。その思いが届いた一打だった」と目を輝かせて答えた。
エース右腕の山田祐也(3年・猿橋中)は「甲府西まで中根や荒井が頑張ってくれたので肩への負担がなかったので、今日は万全の状態で試合に臨めた。それで 緊張は全くしなかった。 今年、一番のピッチングが出来た。東海の高橋選手のコメントが、『5点は取れる』とスポーツ紙に掲載されていたので、打ち気なんだと思い、ツーシーム(公式戦初披露)と球を低めに集めることで、相手の打ち気を利用でき完投完封が出来た。一回転で2本の縫い目が通過するツーシームは、一つ年上の保延先輩(日大・1年)が現役のときに教えてくれた。冬場に走り込みと、投げ込みを行い、習得した。東海戦で試したかった。これで投球に幅が出てきたことが実証できて嬉しい」と満面の笑みを浮かべた。
須田喜照監督は「序盤、中盤と攻めているが得点が出来ず嫌な雰囲気に包まれていた。エース・山田の好投などの守りからリズムがつくれ、こちらのペースで戦え最終回のサヨナラに繋がった。うちは、こういう展開しか勝機はないと思っていた 。打撃陣には、センター返しと、相手投手の低めのスライダーは我慢しなさいと指示した。それにしても打線は良く振れていた。今日は力負けしていなかった。厳しい試合をものに出来て全員が自信になったと思う。初スタメンの花澤も3安打と良く打って活躍してくれた。冬場のトレーニングの成果と全国レベルの試合が体験できた四国遠征が選手には良かった。後一つ勝って関東を経験させてあげたい」と手放しで喜んでいた。(H・K)
アルバムはこちら
Copyright (C) 2008 YGUPC. All Rights Reserved.