
高円宮牌2009ホッケー日本リーグ女子は5月3日、山梨学院ホッケースタジアムと天理親里ホッケー場で第3節1日目の4試合を行った。このうち、昨年大学王座優勝とインカレ3連覇に輝いた山梨学院大女子ホッケー部CROWNING GLORIESはホームグラウンドに社会人No1、前年度日本リーグ覇者のソニー一宮を向かえて対戦した。ソニー一宮は北京五輪に出場した日本のエース千葉香織(14年度卒 オランダリーグ武者修行中・8日に帰国しチームに合流)や昨年の副主将中島史恵(20年度卒)ら山学大OGが5人在籍する日本一の強豪チーム。山学女子は新主将の徳島葵(4年 京都すばる)を中心に先輩たちに挑んだ。試合は、開始直後に奪われた1点が試合を決める結果となり、山学大は0対1で健闘及ばず惜敗した。ホッケーの日本リーグは学生と社会人が同じ舞台で競うリーグ戦。女子は8チームによる2回総当たり戦、今シーズンは4月に開幕し6月末には順位が決定する短期リーグ戦となる。3日の試合が終わった段階で、山学女子は1勝3敗1分となり、勝ち点4で6位の位置につけている。
得点が入ったのは試合開始からわずか1分、攻め上がったソニー一宮はゴール前でのリバウンドを中川未由希が決めて一気に先制した。前半の前半はソニーが一方的に攻め続ける展開、3分、4分、5分に立て続けにPC(ペナルティ・コーナー)を奪われた。山学は必死にボールをクリアするのが精一杯で防戦一方の展開だった。しかし、DF陣が踏ん張り続けたことで流れが徐々に変わり、前半の後半は山学が主導権を握り、32分に三橋亜紀(2年 築館)が敵陣深く切れ込みPCを奪う、このチャンスに李仁敬(3年 松谷女子)が放ったパスに中畝地里沙(1年 桶脇)がタッチシュートで合わせたがGKに阻まれ、前半終了。後半もスピーディーな試合展開が続いたが、一進一退のまま両者得点ならず。結局、試合開始直後の1点が勝敗を決める試合となり、ソニー一宮の勝利となった。
徳島葵主将は「立ち上がりが悪くて失点したが、その後のディフェンスはしっかり出来た。オフェンスがチャンスを生かせず攻めきれなかったのが課題。ルール改正で、セルフスタートから5m以上走らないとサークル内にパス出来ないことになり、自分たちが得意としてきた攻撃が出来なくなり、まだ新ルールに対応できていない面がある。大学王座までに修正したい」と語った。
ジョン・シアン監督は「ソニーはスピードも技術もあるチーム。粘って相手に楽をさせなかったのは良かったが、もうちょっと頑張れた。日本リーグを通じて山学の先輩たちの胸を借り、選手一人一人の力を引き上げ、チームを強くして行く」と話した。
試合が行われた3日はゴールデンウィーク5連休の真っ最中、新緑の風薫る山梨学院ホッケースタジアムにたくさんの先輩たちが帰って来た。ホッケー日本リーグの社会人チームには、山学大ホッケー部出身者が実に23人も在籍している。女子はソニー一宮に五輪2連続代表の千葉香織ら5人(うち4人が日本代表候補)。グラクソ・スミスクラインに功刀美希(17年度卒)ら6人。コカ・コーラウェストに北京五輪代表のGK吉川由華(17年度卒)ら4人、南都銀行に東陽子(14年度卒)ら2人の合計17人。男子は昨年の主将三澤孝康(名古屋フラーテル 日本代表候補)ら6人。いずれもトッププレーヤーとして日本のホッケー界を支えており、ロンドン五輪代表を胸に仕事とプレーを両立させて活躍している。山学大ホッケー部は今や、日本ホッケー界に有能なプレーヤーを送り込む人材育成大学の顔も持つ。
吉川由華選手は「冬のトレーニングの成果が出てチームは非常に良い状態(4勝0敗1分で1位タイ)にある。ゴールキーパーとして総失点を5点以内に抑え、日本リーグで初優勝したい。山学の後輩たちとはお互いに切磋琢磨して競り合いたい」と語った。昨年の副主将
中島史恵選手は「去年まで一緒だった後輩とはやり辛かったが、自分のプレーをしっかりやろうと気持ちを整理して戦った。自分たちが抜けた後のフォワードが心配だったが、残ったメンバーがしっかりチームを作っている」と後輩にエールを送った。卒業したばかりのグラクソ・スミスクライン
若柳陽香選手は「5時まで薬を作る仕事をして5時半から練習する環境に変わったが、早くチームに馴染んで仕事とホッケーを両立させたい。ここまで4得点を挙げているので日本リーグ得点王を狙いたい」と抱負を語った。
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