
第43回関東大学女子バスケットボール選手権大会は5月19日、埼玉県戸田市スポーツセンターと東京駒沢屋内球技場を会場に、予選リーグを勝ち抜いたチームとシード校が対戦するトーナメント戦が始まり16試合が行われた。この大会にシード校として出場した山梨学院大女子バスケットボール部は、戸田市スポーツセンターで予選リーグを勝ち上がった順天堂大と対戦した。昨年強化育成クラブとして誕生した山学大女子は、創部2年目の今年新たに身長195cmの中国人留学生陶雪亭(タオ・シュエティン 1年 宮城明成高卒)ら7人の1年生が加入、1・2年生合計19人の新星強豪チームとして関東選手権に臨んだ。前半は一進一退だったが、山学チームは第3クォーターにリズムを崩し、一時は17点の大差を付けられた。第4コーナーに陶雪亭にボールを集めて反撃、後半終了直前に65−63と逆転した。しかし、残り5秒のプレーで同点に追いつかれ、延長戦の結果70−77で初戦敗退した。
山学チームの先発メンバーは背番号5番村田優(2年 宮城明成)、8番外村悠貴(2年 静岡商)、9番宮内智子(2年 市立尼崎)、14番佐藤みなみ(2年 札幌創成)、18番多和田妃鞠(1年 沖縄中部商)の5人。立ち上がりは良かった。第1クォーターは落ち着いたプレーでボールを回し21−16と5点をリードした。第2クォーターで盛んにメンバー交代を行った辺りから、流れが悪くなった。パスをカットされることが多くなり、逆転されて前半を35−38で折り返した。後半の始まり第3クォーターの山学は最悪だった。不充分な体制から焦ってシュートを打ちリバウンドを奪われ、3ポイントを次々に決められ、自らは得たフリースローを次々に外す。一時は17点の大差を付けられ、第3クォーターは48−61で終わった。最後の第4クォーター、山学チームは開き直った。ポストプレーの陶雪亭にボールを集めて流れを変えた。陶は長身を利して踏ん張り、次々に得点を決め、学生バスケット界に鮮烈にデビューした。残り2分で2点差に迫り、残り1分で63−63の同点に追いつき、残り30秒でフリースロー、しかし1本しか入らない、残り7秒で再びフリースローのチャンス、またしても1本しか入らない、65−63の2点リードで残り5秒、守りきれば勝利。しかし、ラスト5秒のプレーを守りきれなかった。順大の主将中澤朋美にシュートを決められ同点。延長戦に突入した。5分間の延長戦は立ち上がりで決まった、山学は脆かった。息を吹き返した順大にポンポンと得点を決められ、もう一度追いつく気力はもうなかった。70−77で試合終了、創部2年目の飛躍を胸に関東選手権に挑んだ山学女子は初戦で姿を消した。試合後、言葉を失った選手たちに
古屋光司部長は言葉をかけた「気持を切り替えて大きな目標に向かおう、目標が大きいと達成した時の喜びも大きい」と励ました。選手たちは「自分たちの課題は、流れが悪くなった時に慌ててしまうこと。そして、フリースロー!」と唇を噛み締めた。
三村亜生主将(2年 足羽)は「相手以前に自分たちがやるべき事が出来ていなかった。パスミスから崩れ、一回崩れるとなかなか修正出来なかった。自分たちはまだまだなんだという気持を持った。こんなところで負けていられない、2部昇格とオールジャパンに向かって練習に励みます」と気持を前に向けていた。途中から出場し大健闘した
陶雪亭選手からは、ナイスプレーの声に対し「フリースローをしっかり入れていれば勝てた、チームに迷惑をかけてしまった。一生懸命練習します」という謙虚な言葉が返ってきた。
梅嵜英毅監督は「ポイントは第3クォーターだった。パスミスから点を取られ、下を向いてしまい自分から崩れていった。自分たちの流れの時は強いチームだが、流れが相手に行った時は弱気なチームになってしまう。追いついた延長は受身になってしまった。課題は苦しい時の気持の持ち方、40分間ゴールに向かい攻める姿勢を持ち続けなければいけない、もう一度作り直します」と雪辱を誓っていた。
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