
第52回関東高等学校サッカー大会が5月30日、埼玉県熊谷スポーツ文化公園陸上競技場など4ヶ所を会場に始まった。大会には関東8都県の第1代表と第2代表の計16チームが参加、6月1日までの3日間の日程で関東No1の座を競う。県高校総体で優勝し山梨第1代表として大会に臨んだ山梨学院高校サッカー部は、群馬1位代表の高崎経済大附属高校と雨が芝生をぬらす熊谷スポーツ公園陸上補助競技場で対戦した。山学イレブンは県大会の勢いをそのまま関東大会に持ち込んだ。開始6分にFW加部未蘭(2年)が先制点、後半32分にFW伊東拓弥(3年)が追加点、ロスタイムに途中出場の羽東史樹(3年)がダメ押し点を奪った。放ったシュートは山学18本、高経大附3本、スピード・個人技共に高経大附を圧倒し3−0と零封した。山学チームは31日午後1時から東松山市陸上競技場で行われる準決勝で東京1位代表の帝京高と決勝進出をかけて対戦する。
午前中激しかった雨は、午後1時の試合開始時刻にはやさしい小雨に変わった。試合は、4−4−2のシステムの山梨学院に対し、高崎経大附は5−3−2のシステムで対抗する陣形で始まった。立ち上がり、山学は高い位置から積極的に仕掛け、激しいプレスからボールを奪う。前半6分、MF平塚拓真(3年)がボールを奪い右サイドを崩してセンターリング、ゴール前に詰めたFW加部未蘭がこのボールをダイレクトに押し込み1−0と先制した。山学は平塚・伊東・鈴木峻太(3年)らが前線でドリブル突破を図り、サイドアタックを混ぜる攻撃で徐々にペースをつかみ、次第にゲームを優位に進めるようになった。その後もチャンスシーンを再三作ったが得点は奪えず前半は1−0で終了、ハーフタイムの横森巧監督は「0−0のつもりでやろう、ドリブル突破したらもっとダイレクトにシュートを打て」と指示して送り出した。後半も山学は押し気味に試合を進めながら、なかなか得点を奪えない場面が続いた。この試合で両チームが放ったシュート数は山学の18本に対し、高経大附は前半に放った3本だけで後半のシュート数は0だった。山学にとっては、攻めながら点が入らない嫌な時間帯が長く続いたが、こう着状態の時も高経大附に決定的な場面を与えることはなかった。後半32分、伊東拓弥が2列目からドリブルで突破しDFとGKをかわしてシュート、ようやく追加点をあげた。試合終了直前のロスタイムには終盤から出場した羽東史樹がダメ押しの3点目を奪い、群馬第1代表を寄せ付けずに快勝した。
碓井鉄平主将(3年)は「初戦だったが立ち上がりで点が取れて自分たちのリズムが作れた。今日は守備が頑張った、明日もいい形で勝って決勝に行きたい」と述べた。
吉永一明コーチは「一つ超えたということで一つ進歩したといえるが、ボールをフィニッシュに結びつける所で課題が残った。あと二つ戦えるようにしたい」と話した。
横森巧監督は「関東大会は一戦一戦が相手にとって不足のない所、明日の帝京高戦は多分互角のゲームになると思う。最後まで走り切れて、自分たちのサッカーが出来るかだ」と名門帝京との対戦を前に、老将はその胸の闘志を静かに燃やしていた。
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