山梨学院パブリシティセンター
第5回山の博覧会 山学大キャンパスで開催
〜近藤信行さんらが奥秩父の山をテーマに講演〜
〜登山家400人がメモリアルホールに集う〜

日本山岳会山梨支部と山梨学院生涯学習センターは7月4日、山梨学院メモリアルホールで「第5回山の博覧会〜山を知ろう 山へ行こう〜」を開催した。山の博覧会は2004年の日本山岳会設立100周年・山梨支部創立60周年を契機に山梨支部と生涯学習センターが共催で実施している山への理解を深めようという催し。第5回の今年は、“奥秩父”の名付け親である日本山岳会第3代会長の小暮理太郎氏を顕彰する「小暮祭」が50回の節目を向かえることから、奥秩父をテーマにして開催された。会場には登山家ら約400人が参集し、文芸評論家の近藤信行山梨県立文学館館長と山梨市の中村照人市長、大嶽山那賀都神社の日原盛幸宮司の3氏がそれぞれの視点から奥秩父の山々の魅力と自然保護の重要性などについて訴えた。
午前中に講演した甲州市勝沼在住の文芸評論家、登山家でもある山梨県立文学館館長の近藤信行氏は「小暮理太郎、田部重治の奥秩父」と題して講演を行った。近藤氏は勝沼で暮らすようになったきっかけについて「東京にはない美しい自然とおいしい空気、そして好きな奥秩父の山々に近いことに惹かれて移り住んだ。もう27・8年にもなるが、まだ来たり者」とジョークを交えて語り始め、奥秩父の魅力を美しい文体で世に紹介した小暮理太郎、田部重治の2人の先人の足跡について、「増富に小暮碑が出来たのは昭和32年の7月だったと記憶している、小暮さんの文章を読むと山に対する愛情が滲み出ている。田部さんは大正8年に最初の本“日本アルプスと秩父巡礼”を出版、巡礼という言葉で奥秩父の山々を紹介した。山には山に入るその人の人生が映し出される」。78歳の明晰な頭脳と豊富な知識から発せられる教養溢れる言葉と魅力的な語り口が聴衆を魅了した。午後からは山梨市の中村照人市長が「甲武信源流サミットが目指すもの」と題して講演を行い、次いで山梨市三富の大嶽山那賀都神社の宮司日原盛幸氏が「国師ヶ岳と大嶽山那賀都神社」と題し、天武天皇の時代に役の小角が修験道場として開山した神社の由来などについて講演した。また、山梨放送が制作した山岳映像番組「神秘の領域 東沢、甲斐駒」の放映も行われた。会場ロビーでは山岳会の会員たちが撮影した写真やスケッチが展示された他、故郷の山や森林を見つめ直そうと設けられた“8月8日やまなし山の日”をPRするパンフレットなどが配布され、山の魅力を伝える催しと山への理解を求める活動が合わせて行われた。尚、日本山岳会山梨支部は「第50回小暮祭」記念式典を10月18日午後2時から金峰・瑞牆山麓の金山平にある顕彰碑前で行う事にしている。当日は増富観光協会の協力でキノコほうとうがふるまわれる他、記念講演や親子登山教室などが計画されている。
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