山梨県高校野球連盟は7月20日、小瀬球場で第91回全国高校野球大会山梨大会(9日目)の3回戦3試合を行った。第2試合は山梨学院高校 対 石和高校戦が行われた。後攻めの山学は4回裏二死満塁から、7番・細谷竜児(3年・高崎ボ)が「変化球を待っていたが、外角高めの直球が来た。体が自然に反応した」と、中越え三塁打を放ち3対0とした。その直後、相手投手のワイルドピッチで4対0、8回には先頭打者2番・鈴木悠介(2年・青葉緑東シ)が「初球の内角高めの直球を強振」する左越え本塁打で5点目。その後1点追加して6点目を奪った。守っては、左腕エース・中根龍也(2年・大田シ)が先発し、8回まで1安打に抑えていたが、最終回の一死後、3安打を許し1失点とし た。中根は23打者に対して117球4安打5奪三振1失点で公式戦初完投し6対1とチームに勝利をもたらした。この日、初戦に続く2試合連続の先制打を放った7番・細谷は「チャンスで打順が回ってくると思っていた」とベンチの期待に応えられて満面の笑みを浮かべながらも、「これからも、一本、一本、繋げる打撃を心掛けたい」と、早くも次の試合に気持ちを切り替えていた。次回は7月23日12時30分から小瀬球場で準々決勝を塩山高校と戦う。
《夏の高校野球3回戦 山梨学院VS石和》於 小瀬球場
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山梨学院 |
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[山梨学院]投手 中根龍也 本塁打 鈴木悠介 三塁打 細谷竜児
後攻めの山梨学院は1回表、夏の公式戦初登場となる左のエース・ 中根をマウンドに送った。「中根は今春2回戦で石和と対戦し8回を5奪三振5安打1四球で三塁を踏ませることなく好投した。前回の城西戦の後、本人に言い渡した」と、須田喜照監督。左腕エース・中根は、その期待に応えて8回まで1安打ピッチング。中根龍也(2年・大田シ)は「打たせてとることを心掛けた。相手が踏み込んで来たので、外側の配球が読まれていると思い、内側に直球を投げ込んだ」と、冷静に分析し相手の攻略法を逆手にとった投球術で8回まで攻守にも助けられて1安打に抑え込んだ。しかし、「最終回には抑えてやろうと肩に力が入りコントロールが甘くなった」と3安打を浴び1失点した。中根は23打者に対して117球4安打5奪三振1失点で公式戦初完投した。「中根は良く投げてくれた。8回まではナイスピッチング。しかし、最終回に勝利を意識してか、コントロールが乱れて3安打。競り合った試合では命取りになる。中根の力量からしていただけない。良く投げたが、今日は60点かな」と、指揮官は好投にも敢えて厳しい得点をつけた。
攻めては1回裏、三者凡退。2回裏の2死後、6番・青山祐己(2年・浦安シ)のチーム初安打となる内野安打。しかし、これを生かすことが出来ない。3回裏には、三者凡退で「相手投手の横の揺さぶりと縦の変化に選手が翻弄された」と須田監督。なかなか相手投手を捕まえることが出来ない展開。その突破口を切り開いたのが4回裏。一死後、3番・山田凌(2年・八王子シ)が右前安打で出塁しチャンスをつくる。続く4番・主将の羽田翔(3年・甲府南シ)の死球と6番・青山の四球で二死満塁とした。ここで前回城西戦のヒーロー7番・細谷竜児(3年・高崎ボ)が「チャンスで打順が回ってくると思っていた。変化球を待っていたが、外角高めの直球。体が自然に反応した」と、中越え三塁打を放ち3対0とし均衡を破った。8回には先頭打者の2番・鈴木悠介(2年・青葉緑東シ)が「夏の大会ではノーヒットだったので、強振することだけを考えて打席に立った。初球の内角高めの直球を強振した」と、左越え本塁打で5点目。二死後、5番・小林夏樹(2年・長野北シ)が中前安打で出塁すると、続く6番・青山の0-2からの中前安打で一気に生還し6点目を奪った。
堅守を披露したのは松浦航平(2年・青葉緑東シ)、1回表、中前安打になる球を尻を滑らしてのスライディングキャッチでアウトにし、スーパーファインプレーを、また8回表には先頭打者の詰まって中前安打となる球を猛前進してアウトにし完璧な守りでチームを盛り上げた。
主将の羽田翔(3年・甲府南シ)は「春、課題となった『繋げる野球』を打線が克服してくれた。細谷がチャンスで打ってくれて3対0となり、今日の中根の調子から行けると思った。5回校歌を歌って、甲子園に行こうと部員全員で誓った。ベンチもスタンドも一丸となって戦っている。2試合続けて完封を最終回で逃している。この点を反省して、一戦一戦自分たちの野球のスローガン『全力』で勝ち進んで行きたい」と力強くこたえた。
須田喜照監督は「総じて中根は良かった。ただ、8回まで1安打ピッチングで来て、最終回に3安打されて1失点はいただけない。二塁手が2人怪我で離脱して、急遽三塁手の青山を二塁に抜擢しているが、良く守ってくれている。中堅手の松浦、一塁手の山田も守備で盛り立ててくれている。攻めては少ないチャンスを4回裏に山田、羽田、青山と繋げて、細谷が良い所で打ってくれて3得点してくれた。うちは、守りから少ないチャンスを打線が繋げてものにするチームカラー。2戦とも実践できている。塩山戦もうちの野球でチャレンジしたい」と語った。(H.K)
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